いかり
いかり
ポケモンの「わざ」としての“いかり”
データ
解説
初代から存在するノーマルタイプの「わざ」のひとつ。
第三世代に至るまでに「わざ」の性質が変遷しており、第三世代になってようやく落ち着いた。
怒りにまかせて攻撃し、さらに攻撃を受けると怒りのボルテージが上がって攻撃力が上がるという、何やら危険な雰囲気のする「わざ」。
これだけ聞くと割と強そうだが、第一世代から一貫して不遇な性能だったりする……。
原因はその攻撃力の低さ。
「たいあたり」や「ひっかく」ですら35以上の威力なのに対し、威力【20】という致命的な低さが足を引っ張っている。
もちろん、これは「攻撃を受けると次に繰り出す攻撃の威力が上がる」仕様を考慮したものだが、そもそも上がる威力が致命的に低いという有様。そしてなにより、一度使うとバトルが終わるまでそのままという欠陥とも言えるシステムがあったこと。特に初代では、ボールに引っ込めようとしてもずっと戦い続けるせいでボールに戻ってくれない。
この仕様のせいで、「CPUが「いかり」を使ったら勝ちフラグ」「そもそも死に技」「覚える価値なし」と、散々な扱われようだった。
またポケモンリーグチャンピオンとして待ち構えるグリーンは、主人公が最初のポケモンにフシギダネを選んだ場合にリザードンをエースとして繰り出してくるのだが、このリザードンになぜか「いかり」を覚えさせている。CPUはある程度ランダムで「わざ」を使用するため、最初から「いかり」を使ってくるなんてのはよくある光景である。そのせいでフシギバナでも工夫次第でタイマンを張って勝てたりする。グリーンぇ……
さすがにこれはまずいとスタッフも考えたのか、第二世代では「ころがる」のような増幅効果へと変化。さらに威力の上昇も一定で増えていくと、かなり優秀な性能に変化した。
しかしこれも、“他のわざを使うと効果が消える”せいで大したアドバンテージに成らず、なによりノーマルわざなので倍にダメージが入る属性がないのが痛かった……。
一応、耐久型のポケモンがこれを覚えるとそれなりの脅威にはなったが、そもそもダメージを受けにと威力が上がらないという当初からの欠点もよりはっきりと分かってしまった。
それから第三世代になり、“いかり状態”というステータス変化を起こして効果が持続するように変化したことで、ようやくある程度は使えるように収まった。
攻撃力の上がり方も、通常の積み技と同様の仕様に変更され、効果も分かりやすく改善された。
それでも「ダメージレースに耐える必要性」と「微妙な威力」という問題、そして優秀な積み技の台頭によって採用率は低い……。