概要
セガより発売されたアドベンチャーゲーム「サクラ大戦2~君、死にたもうことなかれ~」及び劇場アニメ「サクラ大戦活動写真」に登場する霊子甲冑。
かつて「欧州星組」で運用されていた、治安維持及び対妖魔戦闘を目的とした独・ノイギーア社製の霊子甲冑である。
上記の作品にはソレッタ・織姫、レニ・ミルヒシュトラーセ、ラチェット・アルタイルの三名の機体が登場する。欧州星組で運用されていたことから九条昴の機体も存在すると思われるが、現在どのメディアミックス作品にも登場していない。
開発経緯
ドイツ語で「鉄のドレス」の意味。
1919年に、ノイギーア社が神崎重工からの技術供与を受けて開発したのが始まり。
初期型のⅠ型、平行移動する二対のカメラアイを持つⅡ型(パラレレ=“平行”の意)、新型の霊子機関と十字のカメラレールを持つⅢ型(クロイツ=“十字”の意)と改良され、完成した。
劇中で登場するのは、このⅢ型と呼ばれる最終型である。
各所に日本製の霊子甲冑との理念の違いが見受けられるが、その最たるものが採用されている霊子機関である。
「Y型」と呼ばれる本機のエンジンは、3基の並列霊子機関をY字型に配したものでそれぞれの機関は主、補助、待機の状態をローテーションしている。これを接続部のターレットを介して回転させ、主稼働の接続を切り替えることで連続した高出力運転が可能となっている。さらに、光武と比べて操縦者の動きをタイムラグなく伝えることが可能となっている。
この霊子機関によって、本機は重装甲ながらも高い攻撃力と機動性を獲得しており、同時代の光武・改を上回る機体性能を誇る。
しかし、本機は“高霊力、高身体能力を持つ霊力兵士の搭乗”を想定して建造されているため、高性能と引き換えにパイロットの心身に負担を強いる設計となっている。また、構造も複雑なため整備が難しいという欠点もある。
劇中での活躍
初登場は「サクラ大戦2」。第一話で織姫機が、第二話でレニ機が帝国華撃団・花組の戦力となった。織姫とレニは第八話で「天武」に、第十一話の後半から新造された光武・改に搭乗するため、本機が使用できるのは第七話までとなる。
なお、上記の通りに2人のアイゼンクライトは他隊員の光武・改より能力が高く設定されている。
「サクラ大戦活動写真」においては新入隊員のラチェット機に加え、彼女参加後の戦闘で光武・改が大破したレニと織姫も一時的に保管してあった本機に乗り換えている。
レニ機とラチェット機は、終盤に光武・改と同じく「蒸気ブースター」で強化された。
また、シリーズ第一作目のリメイクである「サクラ大戦~熱き血潮に~」で追加された欧州星組に言及するシーンの中に、本機が欧州大戦に参加している様子が描かれている。
その後の運用
織姫機とレニ機の「ヤフキエル事件」後の処遇は不明。
ラチェット機は、「サクラ大戦Ⅴ」にて登場する「スターⅤ」(紐育華撃団の霊子甲冑)の試作機「FENICS X-4Si シルバースター」のベースとして使用された。
機体性能
正式名称 | アイゼンクライトⅢ型 |
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全高 | 3132mm |
重量 | 1471kg |
主機関 | 蒸気併用霊子機関(Y型) |
各機詳細
織姫機
武装 | 霊子力ビーム発振機「トゥオーノ」 |
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必殺攻撃 | 「クアットロ・スタジオーニ」(「四季」の意) |
機体色 | イタリアンローズ |
搭乗者 | ソレッタ・織姫 |
レニ機
武装 | シルスウス鋼製ランス「フリードリヒ」×1 |
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必殺攻撃 | 「ダス・ラインゴルト」(「ラインの黄金」の意) |
機体色 | 青 |
搭乗者 | レニ・ミルヒシュトラーセ |
ラチェット機
武装 | ナイフランチャー×2 |
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必殺攻撃 | なし |
機体色 | 紫 |
搭乗者 | ラチェット・アルタイル |