概要
セガより発売されたアドベンチャーゲーム「サクラ大戦4~恋せよ乙女~」に登場する霊子甲冑。本ゲームの最終決戦にて登場する、いわば決戦兵器である。
開発経緯
かつて、パイロットへの危険性から封印されることとなった「辰型霊子甲冑 天武」の蒸気併用霊子機関「三型」であったが、この霊子機関の有用性までもが否定されたわけではなく、その後も安全運用を目指して機関の改良と機体の開発が続けられた。
その結論として導き出されたのが、機関1基の出力を落とす代わりに搭載数を増設することで出力低下を補い合うこと、そして操縦するパイロットに加えシステムナビゲーターであるコパイロットを同乗させることでパイロットの負担を軽減、霊力の増加を図るという結論だった。この結論に則って製造されたのが「巳型霊子甲冑 双武」である。
欠点と実戦投入
こうして従来の霊子甲冑を遥かに上回るスペックを得るに至った双武であるが、そのシステムにはまたも大きな欠点が存在した。2名のパイロットを同乗させるというのは非常に理想的な方式だったが、逆に2人の霊力が高レベルで調和していることが、安全運用の絶対条件となってしまった。少しでもこの調和が乱れれば以前と同じように精神崩壊、最悪の場合死亡する可能性があり、依然として誰もが扱えるような安定性は確保できなかった。
また、霊子機関を複数搭載することとパイロットが2名搭乗するために、機体は全て新設計となっている。この結果、従来の光武二式と比べて寸法がほぼ2倍、重量が8倍にも達し、重量を支えるために光武二式の数倍の強度を持つ内部フレームも採用されたことで、非常に大型の機体となってしまった。
結局これらの欠点から、またも正式採用は見送られることになった。
しかし、大久保長安が操る戦艦ミカサの攻撃と関東中に広がる金色の蒸気の被害を食い止めるため、未完成ながらも乗機が大破してしまった大神一郎中尉に与えられた。なお、その際には大神と同じだけの霊力を持つ同乗隊員を、帝国華撃団と巴里華撃団の総勢13名の中から1人選ぶことになる。
機体性能
正式名称 | 巳型霊子甲冑兵器 双武 |
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全高 | 4123mm |
乾燥重量 | 4125kg |
武装 | 大太刀「剣狼(けんろう)」×2 |
搭乗者 | 2名(大神一郎+隊員) |
発動機 | 蒸気併用霊子機関「三型・改」(2600hp)×3 |
特徴
霊子機関「三型・改」は両肩の1、2番機と背面腰部の3番機の計3基が搭載されている。頭部は高出力霊子機関の干渉を防ぐためブレードアンテナが2基に増設されているほか、頭頂部にもカメラが1基増設されている。
武装はメインパイロットとして大神が決定していたため、彼の得物である大太刀二振りで固定されている(設計は完全新規)。
また、この双武にはコパイロットの霊力特性が反映される部分がある。それが「カラーリング」で、各霊子機関の先端部、肩部、手首部、爪先、ブレードアンテナの内側、太刀の柄と鞘(メイン画像の桜色の部分)は起動前は灰色をしているが、起動後はコパイロットのパーソナルカラーに変色するようになっている。また、額の円形の部分にはコパイロットが帝都メンバーなら帝国華撃団の、巴里メンバーなら巴里華撃団の部隊章が浮かび上がるようになっている。
運用法としては大出力とパワーを生かした突破戦法が向いている。しかし防御面には不安があり、集中攻撃には弱いという弱点がある。
関連タグ
試製桜武・天神(霊子戦闘機):新サクラ大戦に登場する試作型霊子戦闘機で二体が合体し搭乗者同士の霊力を同調させることにより強大な力を発揮する事を可能とする双武の後継機ともいえる機体。ただし試製桜武と天神を起動させるには膨大な霊力を必要とするため真宮寺さくらを含む旧花組メンバーですら動かす事が出来ず、実際に二体の真の力を発揮するのは『新サクラ大戦the Animation』最終回になってからである。