概要
東方Projectに登場する鈴仙・優曇華院・イナバが書籍作品『東方鈴奈庵』に登場した際の姿を描いた作品に用いられるタグ。
同作に登場した際の二つ名は「地上のムーンラビット」。
2014年12月現在、主に同作に鈴仙が変装した姿で登場した際のものを指す。
『鈴奈庵』では、鈴仙は薬売りとして人間の里に入り、薬と一緒にお手製の置物を売り込んでいた。
しかしある日の行商の際、霧雨魔理沙によって人里の中で正体を看破され、「 ダッと 」のごとく逃亡。
人里の外と思われる場所まで全力で逃げた。
「 そりゃ逃げるわよ 暴徒が襲いかかってきたら 」(鈴仙、『鈴奈庵』)
人里の外と思しき場所まで逃げに逃げ、人気のない場所で追いかけてきた魔理沙とともに息を切らしつつ座り込んだ。そして魔理沙に持参の竹製と思われる水筒の水を分け与えつつ語ったところによると人里での薬の販売は真っ当なもので、新たに売り込んだ置物もきちんと効果のあるものである。
特にこの置物は「 永琳様の手を借りずに 」自身が開発した自信作であった。
開発には「 月の科学 」に基づくものも含まれる様子である。
そして鈴仙は真っ当な商売で人々に貢献する事の意味と今日の永遠亭の独自のスタンスがどのように関連しているかなども語った。
これは「 地上の民として暮らす 」(『東方儚月抄』)事を決めた八意永琳らの『鈴奈庵』での今を語るものでもある。そして永琳たちが今日の幻想郷で様々な存在とともに生きていくためのやり方にして互いのために働くという地上の民の「 勤め 」の実践のあり方の一つでもある様子である。
容姿
変装時
大きな笠と大きなつづらを備え、行者のようないでたちに変装している。その長い髪は特徴的な耳とともに笠の中に纏めて隠しており、場面によっては普段は長い髪に覆われている後ろの首筋などものぞくことのできるものともなっている。
エピソード中、一度笠が暴かれ耳とともにその腰よりも長い豊かな髪が露わになっており、その後落ち着いたところで再び笠に納められるようまとめ直す様子が描かれている。鈴仙は手慣れた様子でそれを行っているが、その髪の量から察するに、整え直すのは大変そうである。
カラーリングは『鈴奈庵』単行本第三巻(通常版)裏表紙には薬売り姿のバストアップが描かれており、それによれば全体的に紫を基調としたもので、背負うつづらを留めるバンド様の止め帯も紫である。
この他作中ではエピソード中に笠をかぶった全身像(正面)と同単行本設定資料に笠を除いた正面からの全身像が描かれている。
なおその衣装の色合いについてはカラー版が公開されるまで様々な可能性が考察されており、原作漫画中のモノクロでの表現から想像される風合いや薬売りなどのイメージから白色を基調としたカラーリングなどでも描かれていた。
- 白装束鈴奈庵鈴仙
また同エピソードでは変装したものではない姿でも描かれており、いずれもイメージ的なカットではあるが『東方花映塚』等で見られたようなブラウス姿(永遠亭の活動について語られる場面、永琳のお仕置きを受ける場面)や『東方永夜抄』等で見られたようなブレザー姿(『東方鈴奈庵』限定版裏表紙)でも登場している。それぞれの作品に登場した際の鈴仙の衣装については「鈴仙・優曇華院・イナバ」記事の「容姿」の項目を参照。
鈴仙の薬売りの様子
鈴仙は自身も住まう永遠亭が外部に開放された今日、師である永琳の手による薬を売りに人里を訪れるようになった。
稗田阿求曰く、「 怪しげな薬を大量に持ち歩く事でも有名 」。
仕事を終えると「 人間を避けるように 」永遠亭へと帰ってしまう様子である(「幻想郷縁起」、『東方求聞史紀』)。
ただし『鈴奈庵』によれば薬の製造や販売に関わる者たちが人間でない事は「 知らない約束になっている 」とのことである。
鈴仙が主人公として描かれている『東方儚月抄 ~ 月のイナバと地上の因幡』においても鈴仙が人里に薬を売りに来る様子が描かれている。
この際には置き薬の補充という定期的な巡回サービスが行われている様子も描かれており、同作中では顧客として上白沢慧音の勤める寺子屋と阿求の邸宅が登場している。
なお『鈴奈庵』では「鈴奈庵」にも置き薬の交換に訪れている。
鈴仙は様々な人間と顔を合わせなければならない薬売りについて億劫に感じている様子で、時には「憂鬱な時に」として渡されたらしい永琳の手による特別な薬を飲んだりもしている。
またそのモチベーションの低さは販売時の対面の際にも現れているようで、薬の販売に際しての説明についても一方的になりがちであった。
相手が説明を理解しているかどうかなどについては気に留めていなかった様子である。
人々からは「 わけがわからないことを喋っている兎 」、「 少し気味が悪い 」と言われており、鈴仙もそのように評価されている理由について、慧音に説明の際の一方通行すぎる様が要因であると指摘されるまで気づかなかった。
慧音には「 あいかわらず意味不明の単語ばかりでわけがわからないな 」とはっきり言われている。
また同作では因幡てゐが薬売りの背負い籠にサボりを兼ねてまぎれ込んでいる。
『鈴奈庵』では変装も手伝ってか、あるいはその能力で他者の波長を操っていたためか普段の鈴仙とは異なる、どことなく不気味な雰囲気も漂わせる妖しさも醸し出していた。
設定資料においても変装時と通常時では表情が描き分けられているが、変装時の妖しげな様子には、その欄外にて鈴仙の普段の実態をよく知るてゐがツッコミを入れている。