「オレ達はそんな変態じゃねーぞ」
とは、1987年に「少年ジャンプ」誌上に掲載された編集部のコメントである。
当時「キャプテン翼」ブームにより、腐向け(当時はやおいと称された)の同人誌発行も空前の活況を呈していたが、そうした同人誌の数々を目にしたジャンプ編集部がついに堪忍袋の緒を切らし、腐女子に向けて発した、おそらく公式からの初となる
「腐向け同人誌発行に対する戒めのメッセージ」である。
「オレ達はそんな変態じゃねーぞ」って。
陽一先生もかわいそう。
みなさん、これ以上キャラを傷つけないでください。
(編集後記より)
勿論これを受けて腐向け同人誌の発行がなくなった...なんてことはないが、この公式からの切なる訴えはジャンプ誌掲載当時各界に多大な衝撃を与え、腐女子のみならず、オタク系の情報誌などでも話題となった。
また当時はまだ無法状態で案外オープンな傾向にあった腐向け二次創作が「公式サイドや一般ファンの目につかないように」隠れて活動する方向に移行するきっかけとなった。
しかし今でもpixivでは、配慮なくオープンに腐向け活動を行っている者は大勢いる。容易に検索に引っかかるTwitterにも大勢いる。
このように公式の目に触れる可能性、公式サイドの怒りを買う可能性はいつの時代にも潜んでいる。
たとえば上記の警告を「黒子のバスケ」に置き換えてみよう。
「オレ達はそんな変態じゃねーぞ」って。
藤巻先生もかわいそう。
みなさん、これ以上キャラを傷つけないでください。
これが現在のジャンプ誌上に掲載されたらと想像すると血の気が引くのではないだろうか?
キャラや作者のみならず、何も知らずに目にした一般のファンを傷付ける可能性も常に潜んでいる。
また出版社や作家によっては二次創作そのものを禁止される事態に発展するケースもある。
田中芳樹は腐女子から送りつけられた「アルスラーン戦記」の腐向け同人誌の内容に立腹し、その後長年にわたり「同性愛描写を含む二次創作は非営利目的であっても全面禁止」となった。(2015年にガイドラインが改訂されることになったが、いずれにせよ同人誌の発行は禁止となっている)
このような事態に発展しないよう棲み分けを徹底し、マナーを守るよう心がけねばならない。