概要
田中芳樹が1986年より執筆している大河ファンタジー小説であり、それを原作としたアニメ・漫画を指す。
中世ペルシャ風の架空の王国「パルス」を舞台にした、王太子・アルスラーンや彼に忠誠を誓う臣下のダリューンといった登場人物が織りなす壮大な物語。
構成としては第1部(1~7巻)と第2部(8~16巻)に分かれる。第1部は「架空戦記もの」の印象が強いが、第2部からはファンタジー色が濃くなっている。
19世紀イランの英雄叙事詩『アミール・アルサラーネ・ナームダール(名高き王アルサラーン)』をモチーフにしているため、作中に登場するパルス語の固有名詞の多くはペルシア語を元とした造語である。
2018年には、まさかとも言うべき星雲賞にノミネートされた。一応の完結をした事に伴っての対象入りを果たしたため、ノミネートされた形と言える(第2部の最終盤で唐突に判明した、とある重要キャラクターの出自がSFに該当すると判断された為であると思われるが、果たして当シリーズが真にSFなのかに関しての議論は、敢えてここでは行わない)。
原作小説の版(2020年8月現在)
刊行当初は角川書店が版権を持っていたが、2000年ごろに版権が光文社に移動した。そのため、内容はほぼ同じものの異なる版が存在する。
版 | 巻 | 刊行年 | 挿画 | 備考 |
---|---|---|---|---|
角川文庫 | 1~10巻(刊行終了) | 1986~2000 | 天野喜孝 | 版権の移動により絶版 |
カッパ・ノベルス | 1~16巻 | 2003~2017 | 丹野忍 | 角川時代刊行分の10巻分は、2巻分を合本し5冊として発行。11巻以降は1巻1冊となっている。 |
光文社文庫 | 1~16巻 | 2012~2020 | 山田章博 | カッパ・ノベルスの後を追う形で刊行中。 |
らいとすたっふ文庫 | 1~15巻 | 2014~ | なし | 唯一の電子書籍版。 |
原作者の体調不良等で何度か執筆が中断され、「終わらない大作小説」としてファンをやきもきさせ続けたが、2017年12月に刊行された16巻をもって完結。第1巻「王都炎上」刊行の1986年から数えて31年後に物語の幕が引かれることとなった。
執筆が長期間にわたったため作風が初期と末期では著しく変化しており、また前半の完成度が高かったことなどから第二部、特に終盤の評判は概ね芳しくない。
中でも第15巻と最終16巻は、この時点で生き残っていた登場人物を敵味方関係無く次々と、キャラクターに似合わぬ展開かつ短めの描写で死亡させており、著者が見せ場や合理的理由でもって登場人物を退場させる傾向を持つ「皆殺しの田中」であると予め知って居たファンの一部からも、酷評する者が現れる始末である。
但し、著者の思想や超展開を混入しつつも一応の完結を果たしたことで、(未完で音沙汰の無くなった古今東西のシリーズものを引き合いに出しながら)完結した事に対する感謝を始めとした好意的意見も、一定数存在する。
原作のほか、マンガやアニメ等各種メディアミックス作品が存在する(詳細は後述)。
用語
この作品では、「国王(シャーオ)」など、日本語にペルシア語を音写したカタカナが振られている表記が多い。原作やマンガを読んだことのないアニメ視聴者にとって意味がわかりにくいことがある。 → アルスラーン戦記用語集
物語
東西を結ぶ大陸公路の中心に位置するパルス王国は、勇猛果敢な騎士団を誇り、栄華を極めた強国であった。
王国を率いる不敗の国王、アンドラゴラス三世の息子アルスラーンは、父王と王妃に愛情を注がれることはなくとも、王都エクバターナで王子として不自由なく健やかに育っていた。
パルス歴320年に西方の宗教国家ルシタニアが侵攻し、アルスラーンも初陣を飾る。時に14歳。
しかし、敵の思いがけない罠や味方の裏切りによりパルス軍は敗北。アンドラゴラスは囚われの身となり、エクバターナも数日で陥落した。
死屍累々の戦場で、独り敵に囲まれたアルスラーンは、危ういところを臣下のダリューンに助けられ、からくも脱出。
落ち延びたアルスラーンとダリューンの二人は、再起を図るべく、集まったわずかな仲間たちとともに、故国の奪還へと旅立つことになる。
登場人物
余談だが、『弟は兄よりも生き延びるが、必ず兄関連で苦労している』という謎のジンクスがある。
イスファーンは復讐に燃え、ギスカールは面倒事を押しつけられて内政・軍事を取り仕切り、ラジェンドラは王位を争った、などなど。
声優表記は【カセットブック版 / 劇場版・OVA版 / 日5アニメ版】のもの。
主要人物
アルスラーン(CV:関俊彦/山口勝平/小林裕介)
主人公。パルスの国王アンドラゴラス三世の子で、パルス国の若き王太子。
敵国ルシタニアに奪われた国土を奪還するため、ダリューンやナルサスら頼もしい味方たちとともに立ち向かう。旅の中で、彼自身の出生の秘密と向き合うこととなる。
ダリューン(CV:鈴置洋孝、田中秀幸/井上和彦/細谷佳正)
パルス国の万騎長。
黒い甲冑と真紅の裏地の黒マントを身に纏い、大陸公路有数の戦士として名を馳せる「黒衣の騎士」「戦士の中の戦士(マルダーン・フ・マルダーン)」。愛馬は黒馬の黒影号(シャブラング)。
王太子アルスラーンに対して揺るぎない忠義を捧げ、アルスラーンが最も頼りとする第一の臣。一方、親友で幼馴染のナルサスとの会話では、人の悪さがにじみ出る。
ナルサス(CV:大塚芳忠/塩沢兼人/浪川大輔)
アルスラーン軍の軍師にしてアルスラーンの政治・軍事の師匠。パルス国の北西・ダイラム地方を領する貴族だったが、アンドラゴラス三世と不和になり身分を捨てた過去を持つ。
一見文弱の貴公子と思われがちだが、剣の腕前は達人級で、優しげな容姿に似合わない毒舌家。
絵画をこよなく愛するが、画才は智勇とは遠くかけ離れており、ことあるごとに親友のダリューンにけなされる。
弟子のエラムと二人で山中に引きこもり隠遁生活を送っていたが、ダリューンがつれて来たアルスラーンの才覚をいち早く見抜き助力する事となる。
エラム(CV:佐々木望/同左/花江夏樹)
ナルサスの父の元で働いていた奴隷夫婦を両親に持つ少年。ナルサスによって奴隷の身分から解放された後も、両親の遺言で侍童(レータク)としてナルサスに仕えている。
アルスラーンとは共にナルサスに教えを受ける兄弟弟子でもあり、旅の中でさまざまな体験を共有し身分を超えた友情を築く。アルスラーン陣営で最年少。
ギーヴ(CV:矢尾一樹/同左/KENN)
流浪の楽士を自称する美青年。楽器はもちろん、剣術や弓術に優れるほか、女性の扱いにも優れる色事師。
「不逞・不遜・不敵と三拍子揃った男」、「火を消す代わりに洪水を起こす」と描写されるくせ者。
他人の奉仕を当然と思っている王侯貴族という存在を軽蔑しているが、えらぶったふるまいを見せないアルスラーンを気に入っており、なにかと力を貸す。
ファランギース(CV:勝生真沙子/同左/坂本真綾)
アルスラーンを守護するためにミスラ神殿から派遣された女神官(カーヒーナ)。
黒絹の髪・緑玉の瞳・白珠の肌・糸杉の身体を持つ、自他共に認める絶世の美女。
弓の扱いに優れ、精霊(ジン)の声を聞き、水晶の横笛を奏でることで彼らを使役することもできる。
パルス
アンドラゴラス三世(CV:中庸介/大塚明夫/菅生隆之)
剛毅で強靭な王。武人として卓越した実力を持ち、国王でありながら陣頭に立ち最前線で剣を振るう。一方で政治の腐敗には関心を持たず放置している。
実の子であるはずのアルスラーンに対して厳しく接し、そこに父子の情は垣間見えない。
タハミーネ(CV:弥永和子/同左/田中敦子)
傾国の美女とも呼べる妖艶さの持ち主で、その美貌ゆえにさまざまな男たちに権力争いに巻き込まれた過去がある。
アンドラゴラス三世に対しても、アルスラーンに対しても、妻・母としての愛情を示さない、謎めいた女性。
ヴァフリーズ(CV:菅原淳一/池田勝/津田英三)
アンドラゴラス三世の腹心で、パルスの大将軍(エーラーン)。ダリューンの伯父にあたる。荒川弘版ではアルスラーンに対して剣術指導をする様子も描かれる。
アルスラーンの出生の秘密を知る数少ない人物で、その成長を案じている。甥であるダリューンには、パルス王家ではなくアルスラーン個人に忠誠を誓うよう求める。
キシュワード(CV:納谷六朗/中村大樹/安元洋貴)
パルス国の万騎長。
二振りの剣を変幻自在に操って敵を倒すことから「双刀将軍(ターヒール)」と呼ばれる。古くから続く名家の出身であり、その穏やかな人柄から人望は厚い。
アルスラーンとは2羽の飼い鷹を通じて古くから個人的な親交があった。
告死天使(アズライール)
万騎長キシュワードが飼っている鷹の名。アルスラーンとも仲が良い。告命天使(スルーシ)という名の兄弟がいる。
カーラーン(CV:松尾貴司/納谷六朗/大川透)
パルス国の万騎長。
アンドラゴラス三世が信頼を寄せる忠臣の一人で、ルシタニアとのアトロパテネ会戦では戦場偵察を任される。しかし実は…
ザンデ(CV:中原茂/子安武人/梁田清之/森田成一)
カーラーンの息子。主君と親への忠義心は人一倍厚く、巨大な鎚矛(メイス)を振り回して戦う青年。
ある事件をきっかけにとある人物の腹心となる。
クバード(CV:島田敏/中田和宏/三宅健太)
パルス国の万騎長。一文字に潰れた左眼が特徴。
豪放磊落で女好きの酒豪で、「ほら吹きクバード」とも称される豪傑。部下たちからの信頼は厚い。
シャプール(CV:大滝進矢/小西克幸)
サーム(CV:岸野一彦/家中宏)
パルス国の万騎長。
怜悧で思慮深い武人。城砦の攻防に優れた手腕を有する。
バルハイ
パルス国の千騎長。
気さくな性格であるらしく、軍から浮いた存在であるギーヴとも普通に付き合っている。
トゥース(CV:小杉十郎太/土田大)
パルス国の武将。ナバタイに伝わる鉄鎖術の達人。
寡黙な男だが、後方撹乱や護衛等の地味な任務も忠実にこなす。
イスファーン(CV:小西克幸)
その生い立ちから「狼に育てられた者(ファルハーディン)」の異名を持つ。
ザラーヴァント(CV:星野充昭/小野友樹)
パルス国の武将。パルスでも有数の名門諸侯、オクサス領主ムンズィルの息子。
膂力に優れた大男なのだが、童顔であり、それを嫌ってか顎鬚を生やしている。
ジャスワント(CV:松本保典/結城比呂/羽多野渉)
パルスの東に位置する隣国シンドゥラの宰相マヘーンドラの部下だったが、その没後はアルスラーンに仕える。
浅黒い肌を持ち、武勇に優れ、その身のこなしは黒豹に例えられ、剣さばきはシンドゥラの太陽のように激烈であると評される。
ジムサ(CV:中原茂/斉藤壮馬)
遊牧国家トゥラーン国の若き武将。
馬上からの剣戟と毒を塗った吹き矢の名手。紆余曲折を経てアルスラーンに仕えることになる。
メルレイン(CV:中原茂/子安武人/日野聡)
剽盗を生業とするゾット族の族長ヘイルターシュの息子で、弓の扱いに優れる若者。
秀麗な顔立ちながら常に不機嫌な表情をしている(ように見える)ため誤解されやすく、愛嬌を落っことして生まれてきた、などと評されるが、本人は意識していない。
アルフリード(CV:佐々木優子/渡辺久美子/沼倉愛美)
武芸に秀で、面倒見のよい明るい性格の少女。
危地にあったところをナルサスに助けられ、彼に惚れ込んでついていく。アルスラーン陣営に参加するようになる。ナルサスを慕うエラムとは犬猿の仲。
グラーゼ(CV:若本規夫/津田健次郎)
パルス国の海上商人。20代後半で、日に焼けて逞しい容貌の海の男。
南方ギランで武装商船「勝利(ピールズィー)号」を統率する実力者。多言語に通じ、話術や情報分析に優れる。
ヒルメス
第17代国王オスロエス五世の子。アンドラゴラス三世にとっては甥に、アルスラーンにとっては従兄にあたる。
子どもの頃にアンドラゴラス三世によって火事に見せかけた暗殺に遭い、公式には焼死したとされていたが……
ルシタニア
イノケンティス七世(CV:大木民夫/桜井敏治)
ルシタニアの国王。
イアルダボート教を熱心に信奉し、深く考える事なく異教徒虐殺を命じる。
酒よりも砂糖水を好んで飲み、怠惰、脆弱な肥満体質。
政治・軍事には無関心で、面倒事は全て弟のギスカールに押し付けている。
ギスカール(CV:中尾隆聖/小杉十郎太/子安武人)
兄に代わって、ルシタニアの政治・軍事を取り仕切る苦労人。パルス遠征計画を立案した張本人で、銀仮面卿とは互いに利用し合う間柄である。
非常識な人々に囲まれて苦労する常識人だが、王位簒奪の野望を持っている。
ジャン・ボダン(CV:北村弘一/同左/斎藤志郎)
イアルダボート教、ルシタニア国教会大司祭、異端審問官。
異教徒根絶やしを掲げて、大規模な焚書や女性・子供も含めた大量虐殺などの非道を嬉々と行う狂信者。宗教者の増長を快く思わないギスカールと政治的に対立する。
モンフェラート(CV:斧アツシ)
パルス遠征に従軍するが、ルシタニアには珍しく理性的で高潔な人物であり、神の名の下に異教徒を虐殺する行いには懐疑的。神は自分達のこのような行いを許すのかと罪悪感を持つ。
銀仮面卿(CV:池田秀一/同左/梶裕貴)
ルシタニアの客将。常に銀色の仮面を被っている。ルシタニア軍とともにパルスへ侵攻。
アンドラゴラス三世個人に対して激しい憎悪の念を抱いており、その憎しみは息子であるアルスラーンにも及ぶ。
パラフーダ
パラフーダはパルス語で「白鬼」を意味する語。本名はドン・リカルドで、ルシタニアの騎士。
「白鬼」の名が示す通り、髪も鬚も真っ白な外見をしている。他者に偏見を持たない善良な人格者。
エステル・デ・ラ・ファーノ(CV:折笠愛/三石琴乃/内山夕実)
男性名である「エトワール」を名乗り、騎士見習いとしてバルカシオン伯の下に従軍する。
熱心なイアルダボート信者であるため異教徒の存在を認めず、異国の王太子であるアルスラーンに対しても権高な態度で接していた。しかしアルスラーンやその配下たちと交流するうちに態度が軟化し、アルスラーンの精神にも少なからぬ影響を与えるようになる。
荒川弘版および日5アニメ版では登場時期が原作小説よりも早められたほか、いくらかの設定改変が見られる。
シンドゥラ
ラジェンドラ二世(CV:三ツ矢雄二/梅津秀行/鳥海浩輔)
シンドゥラ国第二王子。気さくで陽気な性格のため、庶子ながら国民からの人気が高い。
その笑顔の下では常に自分に都合がよくなるよう計算を巡らせている利己主義的な人物。
アルスラーンの協力を得て、王位獲得に望む。
マルヤム
イリーナ(CV:中村ひろみ/岡村明美/茅野愛衣)
一時的にマルヤムに滞在していたヒルメスと出会い、恋心を抱く。
その他
シャガード(CV:櫻井孝宏)
パルス南方の港町・ギランに暮らす元貴族で、ナルサスの古い友人。
十三歳で獅子を倒す
年表
304年 | オスエロス王崩御。ヒルメス、アンドラゴラスに殺されかけ命からがら逃げ延びる。 |
---|---|
306年9月 | アルスラーン誕生 |
315年 | トゥラーン・シンドゥラ・チュルクの三国同盟がパルスに侵攻。 |
317年 | パルス軍、マルヤムに侵攻したルシタニア軍を撃退。アルスラーン、エステルに初めて会う。 |
320年秋 | アトロパテネの会戦 |
320年末~321年3月 | シンドゥラ遠征 |
321年3月 | ヒルメス、ボダンが立てこもるザーブル城を落とす。 |
321年3月末 | アルスラーン、諸侯に檄を飛ばす。 |
321年4月末 | パルスの諸侯、アルスラーンの檄に呼応し各地から集結。 |
321年5月 | アルスラーン、王都エクバターナに向け進軍。 |
321年6月 | トゥラーンが侵攻してくる。 |
321年7月 | アンドラゴラス軍、エクバターナに向け進軍。 |
音声媒体
カセットブック版
カドカワカセットブックとして1988年から順次発売、原作小説の9巻までの内容を収録したもの。現在は絶版。
オーディオブック版
田中芳樹作品のオーディオブック化を手がけるサービスkikubon(アールアールジェイ)で2014年からリリース開始。読み手は下山吉光。「アルスラーン戦記」の既刊分+外伝「東方巡歴」をすべて朗読作品化している。
メディアミックス:マンガ
二人の漫画家によってコミカライズされている。
中村地里版
劇場版・OVA版のタイアップ作品。1991~96年にかけて『ASUKAファンタジーDX』にて連載し、単行本は13巻で完結済。
作画担当の中村地里が自他ともに認める田中作品フリークであることから白羽の矢が立ち、コミカライズが実現した。ファンタジー色が濃い少女漫画風の絵柄ではあるが、原作小説の台詞や展開などをほぼなぞる形で第1部(原作小説7巻まで)の内容を描く。
荒川弘版
2013年から『別冊少年マガジン』にて連載開始。単行本は概ね年間2冊のペースで順次発売されている。
中村地里版とは対照的に、アクション作画の多い少年漫画作品。概ね原作通りに進行しているが、荒川の独自解釈による設定改変・演出変更が随所に見られる。日5アニメ版の原作としてクレジットされている。現在Pixivに投稿されているファンアートの多くは、荒川弘版および日5アニメ版のキャラクターデザインに依拠している。
ちなみに、田中芳樹の出版物には著作権の管理元によって明確な二次創作についてのガイドラインが設けられているが、荒川版は「原作小説とは無関係な、講談社が著作権を管理する荒川弘の原作作品」という位置付けとなっているため、このガイドラインは適用されないとのことである。
このため、荒川版および日5アニメ版の二次創作については、講談社出版作品の基準に従うこと。
メディアミックス:アニメ
劇場版・OVA版
松竹配給。「アルスラーン戦記」(1991年)、「アルスラーン戦記Ⅱ」(1992年)は劇場版。1年につき1作製作される予定だったが、角川書店の分裂騒動などにより頓挫。劇場版の続編として「アルスラーン戦記Ⅲ」(1993年)から「アルスラーン戦記Ⅵ」(1995年)まで、計4作のOVAが製作されるに留まった。
アイジータツノコ→スタジオぴえろ→童夢→J.C.STAFFと、製作スタッフの多くが入れ替わっているが、キャラクターデザインはすべてアニメーターの神村幸子が手がけたもので統一されているため、「神村版」と通称されることもある。荒川弘版が登場するまで、アルスラーン戦記のファンアートの主流となったと見られる。
日5アニメ版
荒川弘版「アルスラーン戦記」をアニメ化。毎日放送の制作によりTBS系列全国28局の日5枠で下記の通り放送された。ライデンフィルムとサンジゲンによる共同制作。
タイトル | 放映期間 | 話数 | 内容(原作小説との対応) |
---|---|---|---|
アルスラーン戦記(1期) | 2015年4月~9月(2015年春アニメ) | 全25話 | 1巻「王都炎上」~4巻「汗血公路」 |
アルスラーン戦記 風塵乱舞(2期) | 2016年7月~8月(2016年夏アニメ) | 全8話 | 5巻「征馬孤影」~6巻「風塵乱舞」 |
第1期
オープニングテーマ
「僕の言葉ではない これは僕達の言葉」
作詞・作曲 - TAKUYA∞ / 編曲 - UVERworld、平出悟 / 歌 - UVERworld
「渦と渦」
作詞・作曲 - 光村龍哉 / 編曲 - NICO Touches the Walls & Takashi Asano / 歌 - NICO Touches the Walls
エンディングテーマ
「ラピスラズリ」
作詞 - Eir、加藤裕介 / 作曲・編曲 - 加藤裕介 / 歌 - 藍井エイル
「One Light」
作詞・作曲・編曲 - 梶浦由記 / 歌 - Kalafina
第2期
オープニングテーマ「翼」
作詞 - Uki / 作曲 - 山田竜平 / 編曲 - 加藤裕介 / 歌 - 藍井エイル
エンディングテーマ「blaze」
作詞・作曲・編曲 - 梶浦由記 / 歌 - Kalafina
1期10話「カシャーン城塞の主」で、一時的に執筆ペースが落ちていた荒川弘版「アルスラーン戦記」の単行本未収録の内容を追い越してしまったため、11話以降は原作小説の内容に概ね沿いながらアニメスタッフが独自に製作したものとなった。2016年ごろから荒川の執筆ペースは回復しているが、荒川版では細部やエピソードにアニメ版と異なる演出・表現が発生し続ける事態となっている。
2期として製作された「アルスラーン戦記 風塵乱舞」は、通常2クール(25~26週)で放映される日5枠のアニメと異なり全8話とされ、全4話構成の「七つの大罪 聖戦の予兆」と1クールを分け合う形となったことが話題となった。
メディアミックス:ゲーム
「アルスラーン戦記」
開発はセガ・エンタープライゼス。1991年の劇場版を元にしたシミュレーションRPG。
「アルスラーン戦記×無双」
開発はコーエーテクモゲームス。日5アニメ版を元にしたアクションゲーム。無双シリーズとのコラボレーション作品。アルスラーンらを操作し、何百何千と立ちはだかる敵を撃破していく。
「アルスラーン戦記 戦士(マルダーン)の資格」
開発はさくらソフト。2017年4月~2018年8月の間にサービスが提供された、基本プレイ無料のスマホアプリゲーム。ジャンルはヒロイックRPG、対応機種はiOS・Android。
荒川弘版・日5アニメ版のキャラクターが使用可能将兵として登場するほか、オリジナルキャラクターも交えて本作独自のifストーリーが進行する。
余談
コミカライズを担当した荒川弘が描いた銀の匙14巻にて「取材に行った場所が戦場になった」という話が出てくるが、これは。14巻が刊行されたのは2017年8月ごろ。おそらく中東の紛争だと思われる。
関連イラスト
外部リンク
- 小説「アルスラーン戦記」カッパ・ノベルス・光文社
- 漫画「アルスラーン戦記」特設ページ
- アニメ「アルスラーン戦記」公式サイト
- アニメ「アルスラーン戦記 風塵乱舞」公式サイト
- アニメ「アルスラーン戦記」公式Twitter
- アルスラーン戦記 - kikubon
- ゲーム「アルスラーン戦記×無双」公式サイト
- ゲーム「アルスラーン戦記 戦士の資格」公式サイト
- アルスラーン戦記 - wikipedia
- 登場人物 - wikipedia
- らいとすたっふ
関連タグ
作者 | 田中芳樹 |
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挿絵・キャラクターデザイン・コミカライズ | 天野喜孝 丹野忍 山田章博 / 神村幸子 / 中村地里 荒川弘 |
カテゴリ | 小説 ライトノベル |
ジャンル | 中東風ファンタジー 架空戦記 貴種流離譚 |
評価タグ | |
カップリング | アルエス / ヒルイリ / ナルフリ / ギヴファラ / アル戦【腐】 |
七つの大罪(第1期)(2014年秋、2015年冬)→本作(第1期)(2015年春夏)→機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(第1期)(2015年秋、2016年冬)→僕のヒーローアカデミア(2016年春)→本作(第2期)(2016年夏)→七つの大罪(特別編)(2016年夏)