概要
田中芳樹の小説『アルスラーン戦記』の登場人物。
先代パルス国王であり、アンドラゴラス三世の実兄である。
作中では故人。
ヒルメスの父と世間では認知されていたが、実はアンドラゴラスとはある重要な秘密を共有していた。
真相
以下ネタバレ注意
ヒルメスからは父として慕われていて、オスロエスも表向きは息子として可愛がってはいたが、実は二人の関係は父と息子ではなく、親子ほど年齢の離れた兄弟。
ヒルメスの本当の父親は父方祖父である筈のゴタルゼス二世。つまりヒルメスはオスロエスとアンドラゴラスの異母弟だったのだ。
病的に迷信深いゴタルゼスは「オスロエスに子を作る能力は無い」、「息子達の代で王家の血は途絶える」、「オスロエスの妃にも子供が産まれれば可能性はある」という占いを妄信し、王家存続の為にオスロエスに妻を差し出せと命じた。父王に従順だったオスロエスは断腸の思いで妻を差し出し、ヒルメスが生まれたのである。
しかし、信じるに値しない占いを信じ、それで妻を奪った父に対するオスロエスの怒りと失望は深く、アンドラゴラスとの相談の末に彼を密かに暗殺し、そのまま王位に就いたのだった。
そして、遺されたヒルメスをオスロエスは自分の嫡男として扱っていたが、あくまでも「国王としての務め」と思って割り切っていたに過ぎず、本心では彼を「呪われた子」と評して忌まわしく思っており、育ての親としても兄弟としても情は一切持っていなかった。病によって自分の死期を悟ると、彼を息子として遇する必要が無くなったと判断し、弟アンドラゴラスに王位を譲る事を約束すると同時に、「ヒルメスを殺してくれ」、「あれを本当の父親と同じところに送ってやれ」と頼んでいた。
ヒルメスは「オスロエスはアンドラゴラスに暗殺された」と思っていたが、結局は病死であり、それ所かオスロエスこそがヒルメス暗殺を企んだ真の黒幕だった。
第一部終了間際アンドラゴラスから直接聞かされた真実にヒルメスは衝撃を受けた。