語義
サンスクリット語で王を意味する「ラージャ」と雷神「インドラ」が合わさった名前。「王たるインドラ」といった意味になる。
曖昧
アルスラーン戦記でのラジェンドラ
パルス王国東方の隣国、シンドゥラの第二王子。
父は国王カリカーラ二世、母は奴隷出身者(詳しい詳細は不明)異母兄に正妃の実子である第一王子ガーデーヴィがいる。
第二王子かつ庶子である事から、他国の慣習に乗っ取れば第一王子の兄が王位を継承するのが通例となる。しかし正妻の子として甘やかされてきた為に我儘で無能になった兄よりも、政治力が高く家臣想いで王としての器も広いため、父王も第一子のガーデーヴィよりもラジェンドラを次期継承者として見ていたなど重きが置かれていた。そのために国内状況は複雑になっていた。
そこにカリカーラ二世が明確な王位継承順位を定めないまま昏睡状態に陥ってしまい、王位をめぐりガーデーヴィと争う事になる。
そのタイミングでルシタニアから侵略を受け王都が陥落するなど混乱に陥っているパルスに自らの功績を上げようと攻め入ろうとしたが、ナルサスの策により迎撃を受けて敗れ、捕虜となった。アルスラーンからの提案で、ガーデーヴィとの対決に協力する代わりに、ルシタニア討伐への協力を提案され、盟約を結ぶ。
その後は協力の甲斐あってガーデーヴィとの争いに勝ち、『ラジェンドラ二世』として即位する。
王としての統治、人材登用の方針は極力争いを避けるというもので、突出した能力を持っていても協調性のない人物の登用は避けている。また、プラージャ将軍など大失態を犯した者に対しても軽めの処分で済ませている。
他人には気さくに振舞っており、血統を重視する貴族たちからは蔑まれているものの、生まれやその性格から直属の家臣たちや国民からは好意的。しかし、かなり厚かましく、笑顔の下で常に自分に都合がよくなるよう計算して抜け目無く動き、都合が悪ければ躊躇い無く手の平も返す利己主義的な性格の人間臭い人物。 ナルサス曰く、自分自身も騙す生来の演技派。アルスラーンを「我が心の兄弟」と呼んで厚かましく接し、パルス側からは憎まれるほどではないが好意的には見られていない。
というのも、ガーデーヴィとの戦いの後、アルスラーンが帰還する時になって、奇襲して討ち取ろうと手の平を返してきたが、これもパルス側に見抜かれ、逆に不可侵条約を結ばされながらも笑って付き合うという芸当を成し遂げているためである。
おかげで、パルス将兵の間では信用にならない人物・金を返さない人物を指して【ラシェンドラ三世】と例えている。とはいえ、それほどの事をしておきながら憎まれず他者から好まれまくるというのは、当人の仁徳である事に他ならない。そして何事につけて結果が自分の方に向けて良い方に転がるという強運の持ち主。おかげでパルス・ルシタニア・マルヤム・ミスル・チェルク・トゥラーンと、パルス及び国土が接する&手を出した各国が混乱に陥っている中、シンドゥラだけは平和である(現時点での刊行分)。
カリカーラ二世はそんなラジェンドラの人柄とガーデーヴィを比べ、彼の方へ王として期待していたと思われる描写があった。
アニメ版ではそれを匂わせる演出として、カリカーラ二世の声は映画版ラジェンドラの担当声優である。