概要
パルス国の武将。パルス国内でも有数の名門諸侯であるオクサス領主ムンズィルの息子。
初登場時はイスファーンと並んで「二十代の前半」と書かれているが、第二部の年齢から逆算して24,5歳と推測される。
膂力に優れた大男だが童顔で、侮られることを嫌ってか頬にだけ髭を生やしている。
性格は陽気で血気盛んでお祭り好き。人心掌握にも長けており、部下たちにとっては気前のいい大将である。土木工事の指揮が得意という一面もある。
経歴
父はオクサス領主ムンズィル。生母はすでに死去し、その後ムンズィルが娶った後妻がいる。緑したたるオクサスの地で育ったと推測される。
叔父のケルマインも故人だが、その子のナーマルドは健在である。
第一部(7巻「王都奪還」以前)
アルスラーンのルシタニア追討令を受けた父ムンズィルが病のため、息子のザラーヴァントが代理としてペシャワール城塞へ派遣された。
参戦当初は、異国人ながら王太子の側近くに仕えるジャスワントを「シンドゥラの黒犬」と揶揄して確執を生むなど、パルスの名門諸侯の一族としての強い自負が見られるが、キシュワードに窘められる。
アルスラーンに従って戦功を挙げたが、トゥラーン軍との戦いで負傷し戦線を離脱。その後、アルスラーンを事実上追放したアンドラゴラス三世に従わず、ジムサとともにペシャワールを脱出してアルスラーンと合流する。ジャスワントに無礼を詫びて和解した後は、王都奪還の戦いで勲功を挙げた。
第二部(8巻「仮面兵団」以降)
王都奪還後は国王アルスラーンによって王都警備隊長に任ぜられ、ルシタニア軍に破壊された王都の貯水池と水路を修復するなど、土木事業で活躍。職人や一般市民の心をつかんで人気者となる。
数々の功績を認められ、パルス暦325年9月にはエクバターナ城司に任ぜられた。
王都に邸を構えているが、継母への遠慮があり、第一部でオクサスの領地を出てから帰郷することはなかった。
どちらかというと気が短い。
汗っかき体質らしく、ザラーヴァントの風下にいたナルサスが閉口する場面もある。
その他
日5アニメ版との差異
日5枠で2016年7月に放映されたアニメ二期「アルスラーン戦記 風塵乱舞」では、トゥラーン軍と戦うが負傷せず、ジムサを伴ってアンドラゴラス三世から離反する様子は描かれない。ただし第8話「風塵乱舞」では、わが子を追放したアンドラゴラス三世への不満をキシュワードたちの前で口にしているし、王都に向かって出撃するアンドラゴラス三世の軍勢のカットから姿を消している。
また、Blu-ray/DVD「アルスラーン戦記 風塵乱舞」3巻の初回限定生産特典の録り下ろしドラマCD「騎士の交差」では、ザラーヴァントとジムサがともにアンドラゴラス三世のもとを離反する筋立てがほぼ原作どおりに描かれる。
各キャラクターとの関係
第一部では敵として戦ったジムサとは、その後ペシャワールをともに脱出して旅した経緯から、比較的親しい立場にある。 → 参考:呉越同舟 / 昨日の敵は今日の友