概要
元々はアラビア語用の文字であり、イスラム教の広がりとともに中東を中心に使われるようになった。ヘブライ語で使うヘブライ文字や、ギリシア文字などの元になったフェニキア文字の親戚にあたる。
アラビア文字には原則的に母音をあらわす文字はなく、子音をあらわす文字のみを並べて綴られる。ただし、子供やアラビア語初学者向けの書籍や詠唱が重んじられてきたクルアーン(コーラン)等はシャクルという記号によって母音を表記する事がある。また、クルド語やウイグル語のように一部の文字を母音用に転用する事で母音を表記できるようにした言語もあったりする。アラビア語に存在しない発音をそのような他言語で表記するための文字も作られている。
アラビア文字の最大の特徴は、常にラテン文字(ローマ字)の筆記体やひらがなの草書体のように続け書きが行われる(ブロック体や楷書体などに相当する書体が存在しない)点にある。そのため、しばしば文字の形を『みみずの這った跡のよう』と表現されたりする。