カマソッソ
かまそっそ
概要
カマソッソは「ポポル・ヴフ」第二部の主な舞台になる地下の国シバルバーの「コウモリの家(ソッチィ・ハ)」に住むコウモリである。
その名はキチェ族(ポポル・ヴフを伝えたマヤの原住民)の言葉で“死のコウモリ”を意味する。カマソッソは大きな歯と鉤爪、火打ち石製のナイフの形をした鼻を持っており、蝙蝠の家に立ち入る者の首を斬り落として殺すとされる。
「ポポル・ヴフ」内の登場は以下である。
主人公フンアフプーとイシュバランケーの双子は、シバルバーの主フン・カメーとヴクブ・カメーの誘いを受けて球戯の手合わせにシバルバーへ下りた。
シバルバーの住人たちは双子を殺すために数多の妨害や試練を課すが、対する双子は機転と知恵を働かせて次々にそれを打破し、球戯の試合でもシバルバー側を散々に負かした。
試練の中には、双子がシバルバーに建つ危険な仕掛けがされている家で朝まで過ごすというものがあった。一つ目の煙草と松明の火を朝まで消すなという制約を課される“闇の家”では、ホタルを煙草の火に、鸚鵡の尾羽を松明の灯りに擬装して夜明けまで持ちこたえて見せた。二つ目の無数の剣が林立する“剣の家”では、双子は『これからはお前たちに獣の肉をすべて与える』という約束をして剣を大人しくさせた。三つ目の侵入した者を凍え死にさせる“寒気の家”では、丸太に火を着けて寒さを凌いだ。四つ目の“ジャガーの家”では、骨をジャガーに与えて危機を避けた。五つ目の炎が燃え盛る“火の家”は、双子の肌を焼くことすらできなかった。
以上のごとく順調に危機を退ける双子だが、六つ目のカマソッソが住まう“コウモリの家”で不覚を負ってしまう。
近寄る者すべてを殺すカマソッソから身を守るため、双子は吹筒の中に身を隠して朝を待った。吹筒の中に隠れた獲物を前にカマソッソは攻めあぐねたが、筒の口近くに陣取って双子が出てくるの待つことにした。そして夜明けになり太陽が出ているか確認するためにフンアフプーが筒から頭を出すと、すかさずカマソッソはその首を斬ってしまった。
フンアフプーの首は球戯場へ持って行かれ、戦利品として掲げられてしまうが、亀を首代わりにして再び球戯を挑んだ双子は兎の協力を得て敵の目を戦利品の首からそらして、本物の首を取り返すことに成功した。
メソアメリカにおいてコウモリは夜と死、生贄を象徴する動物とみなされており、カマソッソは天の神であるフンアフプーとイシュバランケーの快進撃を阻み、一敗地にまみれさせる障害として描かれている。
女神転生シリーズのカマソッソ
初出は「デビルサマナーソウルハッカーズ」で、種族は“凶鳥”。
両手に鎌を持ち、逆さまにぶら下がった尾のあるコウモリというデザインで、スキル面は特筆するような性能は持たないが、鳥族の悪魔に共通する弱点の銃攻撃を反射する変わった防御相性を備える。
そのため鳥族だからといってうかつに銃攻撃してしまうと反射されたダメージを食らってゲームオーバーになってしまうため、ギリメカラやランダほどではないものの初見殺しとしての要素もあるといえよう。
後述の「デジタルデビルサーガ」シリーズ登場以降は、なかなかの作品登場率を誇る。特に「真・女神転生 STRANGE JOURNEY」でも銃攻撃反射相性が実装されていることから、強力な銃スキル“五月雨撃ち”や銃属性の通常攻撃を用いるジャック大佐戦に投入すれば、攻撃反射によって”ピュアブルー”の回復量を凌駕する大ダメージを与えることが期待できる。