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概要
スウェーデンの航空・軍需会社サーブが開発したマッハ2級戦闘機。
型番をあわせた正式名称はJ35ドラケン
ダブルデルタと呼ばれる三角形を二つ重ねた形状の主翼が特徴的であり、マッハ2の最高速を誇る。
特徴的な形状をしたダブルデルタと呼ばれる主翼は、当時としては画期的であり、特に、スペースシャトルオービターやコンコルドの主翼形状などで参考にされたほか、その後の超音速戦闘機に欠かせないストレーキと呼ばれる機首横の張り出し部分(F/A-18が分かりやすいか)に発展するなど、後の航空機に大きな影響を与えた。ほかにも、ブレンデッドウィングボディ(胴体が主翼に滑らかにつながる形態)の先駆者としても知られる。
ただし、これらの先進的な形状(もともとデルタ翼はあまり安定性がない)であるのに対して、フライバイワイヤといった先進機体制御システムがなかった時代であったので、迎え角、特に着陸時の角度に厳しい制限があったりするなど、操縦にはパイロットの腕が要求される戦闘機であった。
もっとも、この戦闘機の初飛行は1955年ということを考慮すれば、それでもすごいといえる所。
しかしながら、航空機としては堅実に作られたことや、優れたSTOL性などにより、対外輸出には成功している。
スウェーデンの防衛事情が考慮されているので、一般道路でも使用できるように軽量に作られているほか、主翼は外翼部分を取り外すことで小さなハンガーにも入り込むように作られているせいで、航続距離は短く武装がそれほど多く出来ない。
ちなみに外翼を取り外すと、貨物列車で運べるようになっている。
製造国であったスウェーデンでは1999年に全ての機体が退役。隣国フィンランドでも2000年に退役。オーストリアで使用されていた機体の2005年の退役をもって、全てのドラケンが翼を畳んだ。
ちなみに、その後の航空機に大きな影響を与えたとはいえ一般的に見れば割りとマイナーな戦闘機ではあるが、なぜか日本では軍事オタクに限らず知名度が高く日本の模型メーカーからも複数のキットが発売されていた(というか航空機模型の分野で世界的に1/72・1/48スケールのドラケンのプラモデルの決定版と評価されているのはハセガワ製のキット)。大体こいつのせい。
似たような理由で同じSAABのJAS-39も日本のオタク間の知名度が妙に高い。詳細はJAS-39の項目を参照されたし。