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ポーの一族の編集履歴

2016-03-27 21:22:16 バージョン

ポーの一族

ぽーのいちぞく

萩尾望都による漫画作品。漫画雑誌『別冊少女コミック』(1972年3月号~1976年6月号)にオムニバス形式で連載された。

青い 霧とたそがれの中に住み

永遠のときを 生きる一族……


概要

永遠の時を生きるバンパネラをモチーフにした耽美で幻想的な世界観と、繊細で絵画のような絵柄、綿密に構成された完成度の高い物語に未だ熱狂的なファンを持つ。作中で200年近い時が流れており、各話に時代考証がされている。第21回小学館漫画賞受賞。

ストーリー

1744年幼いエドガーメリーベル兄妹は、何者かに深い森の奥に捨てられる。彼らを拾ったのは老婆、ハンナ・ポー。彼女に愛情をたっぷりと注がれ育てられるが、ある日エドガーが老ハンナの正体に気が付いてしまう。彼女は吸血鬼・バンパネラだったのだ。秘密を知ったエドガーはバンパネラにされるが、メリーベルを村から逃すことに成功する。

3年後、エドガーと再会したメリーベルは全てを知り、自らもバンパネラになることを望む。

ポーの一族

バンパネラとして生きるのに必要なことは一つ。それは人間のふりをして人間に紛れ、決して正体を気が付かれないこと。気が付かれて心臓に杭、あるいは銀の銃弾を撃ち込まれれば、消えて塵になってしまうのだ。


エドガーとメリーベルは100年以上の時を共に生きるが、1879年、正体を知った医師によってメリーベルは消滅。

悲しみに暮れたエドガーは、メリーベルの代わりに、人間の友人・アランをバンパネラにしてさらっていってしまう。


“おいでよ……

きみもおいでよ ひとりではさびしすぎる……”


それからエドガー・アランの2人は欧州を駆けまわって、200年以上のときを生きていく。


主な登場人物

声優はドラマCDより。


エドガー・ポーツネル

エドガー・ポーツネル (1740-)

声-朴璐美松岡禎丞

見た目は澄んだ青い目が印象的で、茶色い巻き毛の14歳の少年。人間だった頃は負けん気が強くて頭の冴える子どもだった。すこぶる妹思いでもあり、メリーベルに注ぐ献身的な愛情は、バンパネラとなったあとも深く彼の人格に根ざしている。バンパネラでありながら自分たちを「呪われた存在」とし、常に人間に戻りたがっている。人間社会に紛れるときには14歳の子どもらしく、いたずら好きな少年を演じているが、ふとした瞬間にこの世のものとは思えない魔を覗かせ、人々に峻烈な印象を残していく。


メリーベル・ポーツネル (1744-1879)

声-いのくちゆか

エドガーの妹。銀色の巻き毛が印象的な13歳の少女。エドガーがバンパネラになったことを知り、自らもそうなることを望む。明るく純真、おてんばな性格をしており、その愛らしさから彼女に想いを寄せる男性は多い。もともとは「我が強く狂信的」とまで評されるほど意志が強く、森を駆け回りスポーツを楽しむなど気丈で快活だったが、バンパネラとなってからは徐々に体が弱くなり、それにつれ死に近い儚げな雰囲気がつきまとうようになる。エドガーのように人間に戻りたいような素振りは見られず、永遠に子どものままであることを受けとめている。


アラン・トワイライト(1865-1976)

声-斎賀みつき江口拓也

エドガーの友人でありパートナー。元は金持ち息子だが家族との仲は最悪で、理解者である父と婚約者を亡くして以来、誰にも心を開けずにいた。エドガーとメリーベルに会って初めて心の拠り所を見つける。バンパネラになってからはエドガーにかなり依存しており、その愛を独占したがる。プライドが高く気分屋、人当たりも悪いが女の子には優しい。バンパネラなのに血が苦手で、見るとぶっ倒れる。


倫敦の夜

ポーツネル夫妻

夫・フランクと妻・シーラは年長のバンパネラであり、身寄りのなくなったエドガーとメリーベルをひきとった。抜け目なく慎重に行動する。


萩尾作品らくがき

オズワルド・O・エヴァンズ(1735-1780)

声-子安武人

エドガーとメリーベルの腹違いの兄。エドガーとおなじ青い目をしている。人間として生涯を全うするが、その子孫はエドガーたちとたびたび邂逅を果たすこととなる。


奥深く沈む、血

キリアン・ブルンスウィッグ(1945-)

声-皆川純子

1959年、エドガーとアランが西ドイツを訪ねたときの友人。好奇心旺盛でリーダーシップがある。バンパネラに血を吸われた数年後、行方不明に……。


各話あらすじ

オムニバス形式で連載されたため、それぞれが読み切りであり、時系列も異なる。


すきとおった銀の髪

14歳のチャールズは、町はずれに越してきた少女メリーベルに恋をするが、彼女はまたすぐに引っ越してしまう。30年後チャールズは町中で、子どものまま姿が変わらぬメリーベルに出会う……。


ポーの村

森で狩りをしていたグレンスミスは、茂みからとび出てきた少女をシカと見誤って撃ってしまう。少女の名はメリーベルといった。彼女の兄エドガーと村人に連れられ、グレンスミスはポーの村に二晩滞在する。


グレンスミスの日記

グレンスミスの娘エリザベスは、父の遺品から日記をみつける。そこにはバンパネラの住む村についての記述が……。エリザベスは激動の人生を日記と共にし、日記はさらなる世代へと受け継がれる。


ポーの一族

ポーの一族

1879年、ロンドンから古い港町へと越してきたポーツネル一家。彼らは身体の弱いメリーベルのために、新たなる生贄を探しにきた……。エドガーは貿易商の一人息子アランに目をつける。


メリーベルと銀のばら

沈丁花の咲く庭

幼きエドガー・メリーベル兄妹は、森の捨て子だった。老ハンナ・ポーに拾われ、スコッティの村で健やかに成長していく。村では、バンパネラの噂がまことしやかに囁かれていた……。


小鳥の巣

1959年春の西ドイツ。エドガーとアランは、ある目的でガブリエル・スイス・ギムナジウムに潜入する。ギムナジウムには、「魔の五月」「ロビン・カーの幽霊」という伝説があった……。


エヴァンズの遺書

エドガーは嵐の中、馬車の落下事故にあい、記憶喪失を起こしてしまう。衰弱した彼を看病してくれたのは、兄オズワルドの孫たちだった。


ペニー・レイン

交流

最愛の妹メリーベルを失ったエドガーは、アランをバンパネラにしてしまう。アランが目覚めるのを待つ間、エドガーはメリーベルへの想いに苦しむ。


リデル・森の中

10歳までエドガーとアランに育てられたリデルは、彼らとの思い出を語る。彼女は「リデル人形」と呼ばれていた。


ランプトンは語る

1966年、ジョン・オービンは、エドガーの正体を追うための集会をクエントン館で開く。エドガーは館に火をつけ、逃げ遅れた少女シャーロッテは焼死する。


ピカデリー7時

ピカデリー7時

第一次世界大戦の少し前、エドガーとアランは友人のポリスター卿に会うためロンドンを訪れるが、彼は殺人事件に巻き込まれ、行方不明になっていた。


はるかな国の花や小鳥

エドガーはアランと共に立ち寄った町で、美しい女性エルゼリ・バードと出会う。彼女は10年以上前のひと夏の恋人を想いつづけていて、幸せだという。


ホームズの帽子

1934年、ジョン・オービンは魔性の少年エドガーと出会い、その魅力にとりつかれる。


一週間

一週間、留守番をすることになったアランは、2人の少女と河畔で遊びすごす。


エディス

アランはエドガーにそっくりな少女、エディスに恋をする。エディスはオズワルドの子孫であり、エドガーが殺したシャーロッテの妹だった。


アレンジ

2016年3月27日にSMAP香取慎吾主演で「ストレンジャー〜バケモノが事件を暴く〜」というタイトルで単発ドラマ化する。

登場人物を日本人に置き換え、サスペンス要素を含んだ作品となっている。


関連イラスト

今日も明日も明後日も

バラをもって

遥かなる一族


関連タグ

エドガー・ポーツネル/アラン・トワイライト/メリーベル/萩尾望都/花の24年組/ヴァンパイア/ロリババア/吸血鬼/少女漫画/シスコン

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