CV:鈴村健一
概要
スロバキアを領地とする異界魔族の領主。仮面をつけ、その出自は魔族の女王ギルファムを含め周囲の者は知らない(魔族はカードバトルの実力第一のため)。
自ら表だって動くことは少ないが作中様々な事件を引き起こすために暗躍しているが、その目的の詳細は不明。更には古代魔法を習得しており、時にはそれを暗躍のために使っている。
その暗躍のために仮面を外してイザーズ(ZAZI→IZAZ)という青年に扮して行動することもある。
男女の双子の腹心(CV:平川大輔、CV:遠藤綾)を従えている。
人物
人を喰ったような性格で、普段は常におちゃらけており、本心は不明。
一人称は基本的に「ワタクシめ~」とこれまたおちゃらけているが、まれに本性を見せるときやイザーズとして活動する時には「オレ」に変わる。
イザーズの時は飄々としながらもクールな性格。
カードバトルにおいては自称「連戦連勝」ながらも、馬神弾との最初のバトルでは逃げ出す、二回目のバトルでは無茶苦茶な混色デッキを使用するなど、本心・本気を隠している。
しかしひとたび本気を出せば、ザックやバローネを降すほどの実力を持っている。
彼の二つ名「暗闇」は、バトル中、自身のおどけた仕草で本心を隠し、更に会話で相手を動揺させて思考・判断を鈍らせ、いつの間にか相手はザジのペースに持ち込まれてしまう、つまり自分のバトルをしていたはずの相手はいつのまにかザジの作り上げた「暗闇」の中に踏み込んで敗れてしまうような戦い方からついた。
フローラ・パフュームからは「とんだ盤外戦術」と評されている。
来歴
馬神弾の到来を知り、「俺の時代」を到来させるために行動を起こす。
月光のバローネと暴将デュックを誘い、「馬神弾から女王を護るため」という名目の元、三国同盟を結成。しかしほとんど三国同盟として動くことはなく、馬神弾の魔族の大陸オクトの来訪の後、ダンへの敗北への罰としてバローネは追放、デュックは囚われの身となり有名無実の同盟となった。
その後、取り入っていた魔族の宰相大公ジェレイドを唆して、デュックを改造し(古代魔法による洗脳もあったと思われる)、彼を「獄将デュック」としてカードバトラー部隊「獄龍隊」を結成させる。
女王直属の獄龍隊の表向きの目的は「魔族の治安維持」「12宮Xレアの捜索」だったが、あまりの横暴さゆえに魔族の人々は女王ギルファムへの不信を加速させていく。
更には裏で仮面を外してイザーズとして活動し、バローネを信頼する人間ザックに「バローネの部下」として接触、彼にカード「光の聖剣」を届けさせることで、「ザックは12宮Xレアをバローネに渡そうとしている」「バローネは人間の支配下に降った」などの噂を流していた。
自身は「三国同盟」を名目に様々な活動を行い、上記以外にも様々な「噂」を流すことで、女王や馬神弾への不信感を煽る他、人々を不安・混乱へと陥れた。
魔光殿で、女王ギルファムの暗殺に成功(実際は影武者を殺害)、更には利用してきた摂政ジェレイドも自身が殺害すると、獄将デュックがダンに敗れた後は獄龍隊と共に一度行方をくらませた。
一時期身を潜めていたが再びイザーズとしてルガインと人類軍長官カザンによる人間と魔族の共存のため調印式を発表する場へと参上し、調印式に異議を唱える。
更にはバローネにバトルで、「蛇皇神帝アスクレピオーズ」という13番目の闇の力で勝利。市井の魔族が魔族の代表であるバローネに勝利することで、「一般の魔族でも世界は変えられる」と印象付けさせ、人間との共存を望まない魔族の反乱分子の造反を煽った。
これまでの混乱・工作によりついに人間との共存を望まない魔族絶対主義アスクレピオーズなる種族主義者達が独自に反乱を起こす。
それと同時刻、馬神弾は、ザジの本心を知るため、スロバキアにいた暗闇のザジに勝負を挑む。ザジは強引な混色デッキを使い、以前と同様に適当にバトルをする様を見せる(適当な所で逃げるつもりだったと思われる)。
しかし、ダンの目論見通り、金牛龍神ドラゴニック・タウラスの力でザジの仮面を割ることに成功。
正体の露見したザジ(イザーズ)は、「全てが滅茶苦茶になればいい」という彼の破滅願望というべき目的を語り、獄龍隊の死した魂から「蛇皇神帝アスクレピオーズ」を作り出したと嘲りながらいう。
正体がばれたことで本気を出し始めるザジだったが、バトルではついに万策が尽きてしまう。しかし「暗闇のザジは逃げる。だが、イザーズは逃げない」といい、ザジの本心を知ろうとするダンに自らの過去を語り始める…。
かつてのイザーズは貧民窟育ちであり、子供の頃、上述の後に側近となる双子と共に3人で食べるものに困るほど貧しいながらも支え合って暮らしていた。
しかし彼らは施しを甘えることを嫌悪しており、「与える立場」になることを望んだ。そして子供だった3人は、「自分達が綺麗」であることに気付き、とある富める魔族に心を殺して自分達を売り込んだ。これにより貧民窟にはモノがあふれ、人々は彼らに感謝した。
3人は結局その魔族を主として仕えるが、その魔族には古代魔法で遊ぶ趣味があり、「綺麗であるゆえに」イザーズ達を古代魔法の儀式に使って愉しんでいた。古代魔法を覚えたイザーズ達はついにその魔族を殺害し自由の身となるが、今度はその国を人間が制圧し、「綺麗であるゆえに」イザーズ達は人間のものとなった。
魔族も人も、その闇を見続けてきたイザーズ達は、世界を恨み、そのすべてを滅茶苦茶にすることを望んだ。そして、イザーズは「綺麗である」自分の顔を嫌い、仮面をつけて「暗闇のザジ」として行動してきた。
イザーズの心の闇をしったダンは彼を、世界に対する憎しみを持っていた異界王のようだと評するが、同時に「世界を壊した後のビジョン(目標)を持たない」イザーズは、異界王の足元にも及ばず、「ただ壊すだけならわがままな子供と同じだ」とその行いを一刀両断。
ダンの圧倒的な力を前に敗北するイザーズだったが、イザーズと同じように世界に対する憎しみの感情を知る最後にダンは「お前も他の生き方ができない男なんだな」と語りかける。
イザーズが逃げることなくバトルの中で自分と向き合ってくれたことから、「イザーズ」がザジの本当の名前であることを理解したダンは、イザーズを「逃げずに壊したんじゃない。お前は戦ってきたんだ。話してくれてありがとう」と励まし、イザーズ達の心を救った。
敗北後、魔族絶対主義アスクレピオーズも拘束され、イザーズは仮面を外しスロバキアの民のために行動を開始する。
ダンに誘われ、地球を救うための南極でのオペレーション・ゾディアックにも参加。デュックやバローネとも和解し、本来ザジに恨みがあるはずのルガイン達からも次の時代のために協力してほしいと求められ、素直に「負けたよ」と清々しく語った。
オペレーション・ゾディアック終了後、双子達と共に人類と異界魔族の調印の場を見届けた。
使用デッキ
登場の度にデッキが変わっている。
暗闇のザジとしては青主体のデッキ破壊を使用。ザックとのバトルでは青と紫の混色による除去ととどめのデッキ破壊の合わせ技を見せた。
イザーズとしては紫主体のデッキを使用。「ヤン・オーガ」と「ライフチャージ」でコアブーストしつつ、「蛇皇神帝アスクレピオーズ」を召喚する。
バローネとのバトルの時は練りに練られたデッキで圧倒的勝利をおさめたが、ダンとの対戦時は無茶苦茶な混色となっており、彼にまともにバトルする気がなかった(途中で逃亡する気だった)か、彼の破滅願望を反映していたものと思われる。
- 巨人大帝アレクサンダー
- 機動要塞キャッスル・ゴレム
- 神造巨兵オリハルコン・ゴレム
- ソウルホース
- グリーディコア
- オリオンパワー
- 俊星流れるコロッセオ
- ヤン・オーガ
- ライフチャージ
- ジャイナガン
- サンダーブランチ
- トーテンタンツ
- ハンドタイフーン
- マジックハンマー
- 魔導女皇アンブロシウス
- 海王神獣トライ・ポセイドス
- 天王神獣スレイ・ウラノス
- 冥王神獣インフェルド・ハデス
- 蛇皇神帝アスクレピオーズ
漫画版
『バトルスピリッツ ブレイヴ』(ケロケロエース掲載)
様々な策をめぐらせ人と魔族たちを撹乱する。最終的にダンにバトルで敗れ、彼をナイフで殺そうとするも失敗。
魔光殿の崩落に巻き込まれ、自ら死を選んだ。
『バトルスピリッツ ブレイヴX』(Vジャンプ掲載)
12宮Xレアを集め、頂点に立つことを狙う。ダンとのバトルではデッキ破壊で太陽神龍ライジング・アポロドラゴンをトラッシュ送りにして徹底的に追い詰めるが、ダンの反撃の前に敗れた。
どちらの漫画版での青主体のデッキ破壊を使用。いずれも12宮Xレア「天秤造神リブラ・ゴレム」をキースピリットに据え、「タワー・ゴレム」をブロッカーにする。