CV:若本規夫
「競い、奪い、獲得し、支配しろ、その果てに未来がある!!」
人物像
ルルーシュとナナリーの父親であり、威厳と威圧に満ちた強烈なカリスマ性を放つ絶対君主。
そしてルルーシュが打倒を誓った怨敵にして天敵。
「不平等においてこそ競争と進化が生まれる」という独自に理念を持っており、それを実践するため、皇位継承者同士を争わせ、最後に勝ち残ったものを次期皇帝にすることを宣言している。
一見すると貪欲な独裁者に思えるが、実際には政治には興味が薄く、政務のほとんど次男シュナイゼルに任せ、自身は王宮内にある「黄昏の間」で過ごしていることが多い。
その本性は「嘘を嫌う」高潔な精神性の持ち主。
かつて実母を親族間の帝位の争奪によって喪い、嘘と裏切りに染まった現在の世界に絶望し、兄であるV.V.や妻マリアンヌ、ビスマルク・ヴァルトシュタインらなど、一部の信頼を置いた人間たちとともに「嘘のない世界」の創生を誓った。
108人もの妻を持つが、ほとんどは貴族たちから薦められた女性であり、真に心から愛したのはマリアンヌだけだった。ルルーシュやナナリーへの風当たりが強いように感じるが、自身が愛した女性との子供ゆえ、彼なりに愛していた模様。兄妹を日本に追いやったのも、二人を余計な争いから遠ざけるのが当初の目的だった。
嘘のない世界を作るべく、世界各地にあるギアスに関わる遺跡を調査させ、「Cの世界」の存在を知る。そして“アーカーシャの剣”を用いて「Cの世界」を打倒し、人々の意識を“個”から“集合体”に変化させ、互いが真に意思を疎通させていける世界を目指した。
そのために遺跡がある国家へ重点的に進攻し、占領していった。日本も神根島の存在ゆえに、ルルーシュ兄妹を疎開させながら侵略を断行している。
決して血も涙もない訳ではないが、自らの計画が「死者との意識共有」も可能にすると考えていたため、“死”そのものへの感傷が大変に薄い。我が子が危機にさらされる懸念がありながら日本に侵攻したのは、この思想に囚われていたためでもある。
なお今でこそこんな厳つい外見だが、若い頃はルルーシュに負けない美男子だった。髪はナナリーと同じ栗毛。性格面でも親しいものへの優しさ、理想を実現しようとする野心、一度決意すると如何なる犠牲をも払う覚悟の強さ、確実に勝ちに行く権謀術数の腕前……等々、(ルルーシュは認めたがらないだろうが)親子でよく似ているといえよう。
ちなみにギアスの性質もかなり似ている(相手の目を見つめて発動すること、相手の思考に干渉し思うがままに操ることなどが共通)。
活躍
『反逆のルルーシュ』では三男クロヴィスの葬儀で衛星中継による演説をおこない、息子の死が「帝国の進化の証」と豪語してみせた。……が、これ以降は大きな出番はなかった。
ルルーシュのギアスがユーフェミアを死に至らしめた直後にワンカットのみ登場したが、実の娘が死んだ直後にも関わらず「あやつめ、やりおったわ!」と叫び大笑いしていた。恐らくこれは先述の「死への感傷の薄さ」が原因だろう。
続く『反逆のルルーシュR2』では“相手の記憶を改竄するギアス能力者”であることが発覚し、ルルーシュの記憶を改竄したほか、アッシュフォード学園の生徒会メンバーの記憶を塗り替えている。
そして黒の騎士団がギアス嚮団を襲撃した際、兄V.V.がかつて嫉妬からマリアンヌ暗殺を企てたこと、そして今度はルルーシュの暗殺を独断で遂行したことを追求し、自分に二度嘘をついた報いとして彼から不老不死のコードを奪い去り、死に至らしめている。
そしてルルーシュとの直接対決に至り、一度はコードによる不死の性質を利用してルルーシュをまんまと誘き出し、不死の事実を突きつけて心を折っている。
その後C.C.からコードを奪おうとするが、C.C.がルルーシュの説得を聞き入れてコードの譲渡を拒否し、さらに蜃気楼の乱入によってアーカーシャの剣を壊され、そのまま行方不明となる。
しかしゼロによる「超合衆国日本」の宣言と時を同じくして本国に復帰。
シュナイゼルの進言を「俗事」と取り合わなかったことから、クーデターを計画されるも、それを無視して神根島に向かい、嚮団の残党を率いてアーカーシャの剣を修復。
そこで再びルルーシュと対峙し、自らの計画のすべてを語って聞かせ、あとから来たC.C.・マリアンヌ・枢木スザクらの前でアーカーシャの剣を起動させる。
しかし、ルルーシュに彼の求める世界が「自分たちにだけ優しい世界」だと論破され、さらにルルーシュがギアス能力を昇華させて「Cの世界」にギアスをかけ、アーカーシャの剣の軌道を停止させてしまう。
これによりアーカーシャの剣が崩壊をはじめ、「Cの世界」からも拒絶されたことから自身の肉体が崩壊を開始。シュナイゼルの作ろうとする世界の危険性をルルーシュに訴えるも、ルルーシュに拒絶され、マリアンヌとともに完全消滅した。
彼が欲した「嘘のない世界」による平和への理念は、ルルーシュの思想にも影響を与え、のちにかたちを変えてで決行されることとなった。