ワピチ
わぴち
哺乳類偶蹄目シカ科に属する動物。
特徴
北アメリカに住む大きなシカ。アメリカやカナダでは「エルク」と呼ばれることが多い。但し、ヨーロッパで「エルク」といえば、手の平のような角とウマのような顔をした世界最大のシカ、ヘラジカを指す。
秋、ワピチの雄達は雌の群れに近づく。ライバルの雄が現れると、角を見せつけたり、大きな吠え声を上げたりして強さをアピールする。それで決着がつかないと、角を突き合わせての戦いとなる。このような争いに勝った、角が立派で体の強い雄だけが、多くの雌と結婚するのである。やがて冬がくると、角は抜け落ちる。このようなことを毎年繰り返しているうちに、大きな角を生やす遺伝子を持った雄の子孫が残っていくのである。
ワピチは、ヨーロッパのアカシカに似ている。ワピチはアカシカと同じ種類だと考える学者もいる。ところが、アカシカとは別の種類だとする説もあり、学者の間でも意見が分かれている。遺伝子を研究した学者によると、ワピチは、一見よく似たアカシカよりも、姿が離れたニホンジカに近いグループに属するという。