CV:村治学
概要
王下七武海の海賊ドンキホーテ・ドフラミンゴや元海軍中佐ドンキホーテ・ロシナンテの実父で元世界貴族(天竜人)である。
妻も彼も一般的な天竜人と比べると極めて異端な良心を持ち合わせた人物であり、自分たちは「人間」だと語り、天竜人としての暮らしを放棄して人間として暮らすことを選んだ。
33年前、人間的な暮らしを求めて天竜人の位を放棄し、家族を連れて世界政府非加盟国に住居を構えた。しかし、幼いドンキホーテ・ドフラミンゴが「奴隷はいないのか」「人々がひれ伏さない」と人前で怒ったことなどが原因で現地の人々に自分達が天竜人だとばれてしまい、天竜人の横暴に憎悪を抱いていた移住先の住民から壮絶な差別や暴行を受ける。
天竜人達に妻と息子達だけでも聖地マリージョアに返せないかと掛け合うも受け入れてもらえず、環境の悪化が原因で妻も病気で失い、その2年後、自分を地獄のような境遇に追い落としたことを逆恨みした長男ドフラミンゴの手により射殺された挙句、死体から首を捥がれてしまった。
迫害を受けた際も、息子によって殺される間際も、恨み言ひとつ言わずただただ己のふがいなさを恥じ、息子達に謝りながら最期を迎えた。
彼の死はドンキホーテ・ロシナンテの心に大きな傷跡を残し、センゴクに拾われて成長したロシナンテは実の兄の暴挙を止めるために行動するようになる。
ロシナンテからは心優しい父と母として慕われており、その優しさはロシナンテに受け継がれた。
余談
世界貴族の特権を否定し、「天竜人は神ではなく同じ人間」と語るなど、一般的な天竜人と比べると極めて異端な良心を持ち合わせた人物である……のだが、彼もまた「天竜人としての」常識しか知らなかったゆえに自分の行動の『甘さ』にまでは気づいてはいなかった。
恐らく彼の一族も長らく天竜人として代々暮らしてきた故に、自分達が『人間』としてそれまでの暮らしを放棄する際も、他の天竜人のあり方に疑問を持ったり意識を改めさせようとするなどはせず、「ただ人間として静かな暮らしが出来ればそれで良い」と良くも悪くも欲がないことを思っており、例えこれから自分が奴隷を持たず暮らしていくつもりはあっても、「天竜人達が奴隷を扱うこと」に疑問を持ったり積極的に否定し改革していくということはなかったのである。
アニメ版では、正体が人々に露見した理由が変更され、移住先の住人の前で堂々と自分の素性を素直に喋る場面が追加されており、当然その行動で自分達が天竜人である事がバレてしまったのは言うまでもない…。
とはいえ、迫害を受けた後天竜人達に(自分たちではなく)息子たちの保護を求めたり、死ぬ間際も恨み言ひとつ言わず、自分のふがいなさを恥じ、息子達に詫びるなど、例え一般的な常識を持ち合わせていなかったとしても、親として、その人としての良心には間違いではない。
一族がそれまでずっと天竜人であり続けた故に、彼らのあり方に疑問を持てず、変えるべきという志もなかったため、自分達天竜人が世間からどのように思われているかを知らなかった無知さが引き起こしてしまった悲劇だろう。