パラサウロロフス
ぱらさうろろふす
データ
イグアノドン、ヒプシロフォドンなどと並んで鳥脚類というグループを代表する種類で、俗に「カモハシリュウ」(鴨嘴竜)と呼ばれる恐竜の一種。
その名の通り、横幅が広くて幾分鴨の嘴を思わせる吻部を持つ。全長10mほどになる大型の動物。
名前は既に命名されていたサウロロフスによく似ていたことから、「サウロロフスに近いもの」を意味する。しかしサウロロフスとは特に近縁という訳ではなく、同じように特徴的なトサカを持ったランベオサウルスに近縁であった。
パラサウロロフスの特徴としては、頭に伸びた棒状のトサカを持つ事が挙げられる。このトサカは鼻の骨の一部が変形したもので、頭の後方に向かって伸び、中に鼻道が通っている。嘗てはこれをシュノーケル代わりにして水中に潜る為の物と推測されたが(後の研究で否定された)、現在は鳴き声を増幅させる為の共鳴管の役割、または雌雄及び他種のカモハシリュウとの区別用の目印だったと推測されている。
2009年にユタ州の7500万年前の地層から発見された「ジョー」と呼ばれる化石は、推定年齢1歳未満と考えられているが、それでも全長2メートルに達しており、成長速度が速かったらしい。トサカはほとんど発達していなかったが、鳴き声は成体より高い声を出すことが出来たようで、親とのコミュニケーションに役立ったと考えられる。
現在までにカナダ・アルバータ州からアメリカのユタ州、ニューメキシコ州で化石が見つかっているが、その数は決して多くは無い。しかし特徴的な外観と相俟って、割とメディアへの露出は多い。
映画『ジュラシック・パーク』では、序盤にブラキオサウルスの脇で、遠景として登場したが、残念ながら本編での活躍はなかった。
その後の続編、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」では縄で捕獲しようとする恐竜ハンターを振り払ったり、『ジュラシック・パークIII』ではコリトサウルスとぶつかり合いながらヴェロキラプトルから逃げるなど、パワフルな活躍を見せた。