解説
・Aeromorph(エアロモーフ)という語
aero-は航空関係を意味する接頭語(語源は空気・空)で、-morphとはanthropomorphの略である。
要するに航空機の擬人化だが、日本で擬人化と聞いてすぐに思い浮かぶようなものではなく、あからさまな人間要素が少ない(最低限、頭部が航空機の形状を残している)ものを示す。
・主にAeromorphとされるもの
- 1:無機的でロボット然としたもの
- 2:人型で人間のような生体的なフォルムを持つが人間の皮膚とは異なり、頭部も航空機の機首の形状を残している
- 3:ほぼ獣人化された航空機で、明らかに生体的な毛皮や尻尾などを持つが頭部は航空機の機首のデザインを保っているもの
- 4:目や口があり、表情や意思を有する航空機そのもののキャラクター
上記1、2、3はジャンル的にロボ娘やケモロボに近いものであり、特に3に関してはデザインによっては完全にケモロボと称することが出来るものが多い。
4に関してはディズニーのプレーンズなどが代表例で、外見上の人間要素が最も低く、航空機の度合いが最も高いため、ケモノジャンルでいう所のヨツケモに該当すると考えられる。
参考:「Aeromorph」でのGoogle画像検索結果 ※R-18に該当する画像も多いため閲覧注意
このように航空機擬人化とは根本的にニュアンスが異なっており、航空機の機首のシルエットがイルカやサメやドラゴンなどを彷彿とさせることや、3のようなほぼケモロボと言えるものも含むため、ケモノジャンル(Furry)に包括されることも多い。
ケモノジャンルにおいてケモミミはジャンル内に含まれないことが多いのと同様に、航空機擬人化のようなもの(頭部が航空機の形状を残していないもの、完全に人間の顔になっているもの)は一般的にはAeromorphには含まれない。
航空機擬人化との違い
日本のサブカルチャー分野では、擬人化と言えば、ほぼ完全な人間の姿に付属物や装甲・衣服などの装備品を装着しているだけのことが多いのに対し、航空機としての原型も留めているのが特徴である。
英語のanthropomorphとその略称であるanthro自体が、日本のサブカルチャー分野で使われる「擬人化」という用語よりも広い意味を持っているためである(日本語の「擬人化」も、本来は同様の意味範囲で用いられるものである)。
そのため、日本のサブカルチャー分野では、このような擬人化を「人外化」と言って区別することもある(「人外化」の項目参照)。
実際、海外のケモナー向けイラストSNSサイトFurAffinity(FA)でも数多くの作品が上げられている。
またケモナー向けでなくとも、海外最大手のイラストSNSサイトdeviantART(DA)にも多数の作品が上がっている。
(下記、外部リンクに、それらの検索結果へのリンクを置いておく)
語源について
上述の通り、aeromorphのaero-は航空関係を意味する接頭語(語源は空気・空)で、-morphとはanthropomorphの略である。
anthropomorphは「擬人化」の意味にあたるが、「擬人化」は、厳密にはanthropomorphizationか、またはanthropomorphism(こちらは擬人法の意味もある)だが、長いので略されている。
「擬人化」の「化」を略した感じであり、また字義通りには「人(anthrop-{o-})の形(morph)」、つまり「人型」と解されるので、必ずしも人間らしい姿のみを指さず、furry(ケモノ)ジャンルで「獣人化」の意味で使われることが多い。
無生物を対象として、人型の人外・非人間として表現した場合にも用いるので、人間以外のものを人型で表現したもの、という大づかみな意味で用いられていると言える。
外部リンク
- FAでの“aeromorph”の検索結果:http://www.furaffinity.net/search/aeromorph/
- DAでの“aeromorph”の検索結果:http://www.deviantart.com/browse/all/?section=&global=1&q=aeromorph