解説
ヒーローの一区分。
広義的には人間及び元・人間の犯罪者退治を専門とするヒーローのこと。特に警察のような公的な治安維持機関とは別に個人で自警活動を行い、その過程において法を犯すことも辞さない者を指す。
また、個人であるが故の活動範囲の限界から、大災害からの人命救助や侵略宇宙人による大規模な世界征服の阻止などといった一個人の力ではどうにもできない事象を扱わないところにも特色がある。
但し、細かな定義については曖昧なところも多く、特にスーパーパワーや特殊能力の類の有無については意見が分かれる部分である。
一言で「犯罪者を退治する」と言ってもその手段や程度はクライムファイターの数だけ存在し、せいぜい牽制や武装解除に留める者から、命は取らないまでも徹底的にシバき倒してから当局に突き出す者、果ては犯罪者と見るや容赦なく処刑する悪党専門の通り魔みたいな者まで様々。
物語の立ち位置的には『ヒーロー』ではあるものの、原則的に言えば彼ら自身が法を無視して犯罪者に勝手な制裁を加える犯罪者でもある(作品によっては「犯罪者を追うクライムファイターと、クライムファイターを追う警察」という構図にスポットが当てられているものもある)。
「犯罪者を倒すために自らも犯罪行為を犯す」という、この破綻した行為ゆえにクライムファイターの多く(というか殆ど)がダークヒーローまたはアンチヒーローとしての性質を併せ持つのも特徴である。
合衆国憲法修正第2条に見られるように「自分の身は自分で守る」という理念の強いお国柄ゆえか、アメコミではバットマンやパニッシャー、ロールシャッハ、デアデビル、グリーンアロー等、多くの有名な都市型ヒーローがこれに相当する。
一方、日本では公権力から離れた犯罪者退治専門のヒーローという純然たるクライムファイターはあまり多くないが、仮面ライダーWや月光仮面、快傑ズバット、変態仮面といった広義のクライムファイターに当てはまる有名なヒーローは一応存在する。