概要
元々は第二次世界大戦による陸上事業者の統合によって生まれた会社である。その他の統合によって生まれた事業者には岩手中央バス・花巻バス・岩手県南バスがある。この三社は更に統合し岩手県交通となる。
第二次世界大戦直後の台風によって山田線が寸断され、代行バスの運行を行ったことをきっかけに106急行バスを運行するようになり、陸中海岸国立公園の制定とあいまって、利用率は好調であった。そのほかに八幡平方面の観光需要も掘り起こし、1970年代には労使関係の悪化で大混乱となっている岩手県交通とは違い、労使関係は良好であった。
東北新幹線が開業して以降は宮古行106急行、大舘行みちのく号、十和田湖行とわだこ号を新幹線に接続するダイヤで運行し好評を得て、青森行あすなろ号や弘前行ヨーデル号を運行開始し、盛岡を拠点とする北東北への路線網を拡充していった。 また、県北バス初の夜行高速バスビーム・1が運行を開始した。
岩手県内では松尾八幡平や安比高原のスキー場といった新たな観光地を見出し、折からのバブル景気で貸切バスの需要も増え、東北地方の中でも営業成績は好調だったという。
しかし、岩手県内の過疎化の進行は早く、またバブル崩壊後の景気の低迷、原油価格の高騰といった様々な悪条件が重なり、2009年に民事再生法を申請し、みちのりホールディングスの傘下に入った。
路線
高速バス
いずれも盛岡駅西口出発
あすなろ号(青森行) (弘南バスと共同運行)一部の便は青森港まで運行する。
ヨーデル号(弘前行) (弘南バス、岩手県交通と共同運行)
みちのく号(大舘行) (秋北バスと共同運行)
八盛号(八戸行き) 南部バス統合後は単独運行路線。
久慈こはく号(久慈行) 一部の高速道経由系統を除けば、唯一の県内発着高速バス系統。
アーバン号(仙台行) (JRバス東北、宮城交通、岩手県交通、東日本急行と共同運行)
ビーム1号(品川行) (羽田京浜急行バスと共同運行)3列シートの夜行バス。
岩手きづな号(浜松町行) (フジエクスプレスと共同運行)4列シートの夜行バス。
以下は仙台空港発着路線。
仙台空港―安比高原
仙台空港―松島
仙台空港―平泉
この2路線は宮城営業所担当路線であり、観光ガイドが同乗する。
路線バス
盛岡市内発着系統では、系統番号が採用されており、
A-八幡平方面(大更駅・平舘駅、一部の便は東北道経由)、B-沼宮内方面、C-滝沢方面(盛岡大学発着の一部の便は東北道経由)、D-市内線(北部、本社がある厨川駅発着の出入庫系統もある)、E-市内線(南部、イオン盛岡南方面や106急行の出入庫系統)、F-安比方面(東北道経由)
と2桁の数字を組み合わせて表示される。盛岡大学行きについては大学発着だが関係者以外が利用してもらういい通常の路線バスである。
A,C,D系統の一部便とE系統のうち106急行の出入庫系統では観光バスタイプの車両に乗ることができる。また、C系統の東北道経由便は途中無停車であるので乗車時には注意が必要である。
車両
日野自動車と日産ディーゼル製の車両を新車で導入していたが、日産ディーゼルがバス事業から撤退後は三菱ふそう製の新車も導入され、高速バス・貸切バス双方に投入されている。メイン画像の富士重工業R21型ボディの車両もまだ現役である(サブエンジン式なので厳密には異なる)。
この中でも、上記の106急行用専用車として導入されたトイレ付SHDのスペースウィングは市内区間では100円で乗車することができることが特徴である。
また、仙台行アーバン号で運行されている日野・セレガには盛岡の川徳百貨店のラッピングバスがあるが、元々は川徳の送迎バスとして使われていた車両である。
一般路線バスでは、ワンステップバスで、トップドアという特徴ある車両が新車導入されてきたが、みちのりホールディングス入りしてからは中古車がほとんどを占める。盛岡エリアではほぼ全ての車両が低床化されている。
みちのりホールディングス傘下企業であることから、中古車の多くは京王バスから導入することが多い。その中でもヤマト運輸の宅急便をバスに載せるヒトモノバス、は注目を集めている。そして、グループ各社と同様に大量に導入されているレインボーHRが主力となりつつあるが、エルガの中古車も各地から購入されており、淡路交通の補助席付きエルガに乗ることができる。
また、八幡平地区での冬期運用を目的としてボンネットバスが運行されている。これは導入当時から車籍が続いている点では貴重である。
別名・表記ゆれ
記事名は岩手県北バスだが、正式名称は岩手県北自動車である。
関連タグ
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