概要
スイーツから生まれる不思議なエネルギーのことで、作り手がスイーツに込めた思いが結晶化したものとされる。スイーツを食べると元気になれるのは、このキラキラルが宿っているから。
見た目はキラキラ光る星形(☆)の結晶の集合体だが、普通の人間はそれを見ることはできない(11話終盤ではあまりに強いキラキラルが発生し、一時的ながら視認可能だった)。通常見ることができるのは妖精やプリキュア(但し変身前では視認不可)、加えてそれをつけ狙うノワールの配下のみである。
結晶には色がついており、公式サイトではプリキュア5人のイメージカラーである桃、黄色、青、紫、赤の2色に加えて、緑と黄緑を含めた7色の存在が確認できる。
キラキラルとは神秘のエネルギーなどではなく、誰でも生み出すことができるごくありふれたものである。みんな気づかないうちに生み出しており、みんな気づかないうちにそれをもらっていて、明日への活力として消費している。
しかし、このキラキラルをスイーツから直接取り出して集積させることができれば、とてつもないパワーを生み出すことができる。
その秘められたパワーを求めてキラキラルを強奪しようとするのが悪い妖精たちを始めとするキラキラルをうばう存在である。妖精にキラキラルを奪われてしまったスイーツは灰になってしまう。
そして本作のプリキュア達はキラキラルを自在に操ることができる「伝説のパティシエ」とされており、スイーツに込められた思いを守るために妖精と戦う。プリキュア達の攻撃手段であるクリームエネルギーもキラキラルから生み出されている。
敵側の人物もつい最近になってから増幅方法を模索し始めたようで、キラキラルの全容については敵も味方も把握しきれていないというのが現状である。
キラキラル空間
戦闘シーンに入ると空の色がピンク色に変わり様々なお菓子のシルエットが浮かび、キラキラルの輝きがその周囲を包んでいるというカラフルポップな空間に様変わりする(地形自体が変更される訳ではない)。
演出的には変身バンクの華やかな色彩がバンクが終わった後もそのまま継続しているような扱いであり、違和感がない変化となっている。
これは扱いとしては変身時に噴出したキラキラルの影響ということであるらしく、闇に染めたキラキラルを武器として使うジュリオが登場してからは、華やかなピンクとドス黒い黒の空間がスプライトで混じり合う不安を感じさせる戦闘シーンになった。
同じくキラキラルを闇に染めるビブリーはそれに加えて、周囲の地形を落書きか抽象画のようなシュールな輪郭のものに塗り替えてしまう(元々そこにない地形やオブジェが生えてくる訳ではない)。
キラキラルの発生方法
スイーツをもてなす側から
「多少なりとも想いを込めてスイーツを作る」ことさえ守れば、キラキラルは誰からも発生する。キラキラル自体はとてもありふれたものなのだ。
しかし、スイーツに宿るキラキラルの量や内包する輝きの強さは、「想いの強さ」と「スイーツの出来」によって左右される。
まず、作り手から放出されるキラキラルの発生量は、スイーツを作るときに込めた想いの強さに比例する。
しかしここで注意しないといけないのは、発生したキラキラルが全てスイーツに宿るかというとそうではないことにある。「スイーツを上手に作らないとキラキラルは逃げる」ということが明言されており、例えばスポンジの生地を力任せにかき混ぜすぎると、キラキラルは発生はするものの、スイーツに定着せず霧散してしまう。
つまり、想いの強さとスイーツ作りの技術の双方が備わってこそ、より強いキラキラルのこもったスイーツを作り出せるのである。
また第12話では、ジュリオが「いちかの作るスイーツはキラキラルの量が別格」との旨を発言している。この時点でのいちかのスイーツ作りの技術は初心者からは抜け出したとは言え名人というほどではないため、「想いの強さ」の方が圧倒的なのだと思われる。
スイーツをいただく側から
キラキラルのこもったスイーツを食べると、そのキラキラルは人間の体ではなく心に吸収される。
それは人間を元気にして、日々の生きる活力として消費されていく。
しかし、心の中に吸収されたキラキラルは消費されるどころか増えるケースもある。
実はキラキラルには「食べた人間の心の変化に応じて増殖する」という性質がある。スイーツを食べて喜びを感じることができれば、そのスイーツに込められたキラキラルは心の中で何倍にも増殖するというのだ。さらには、かつて食べたスイーツの思い出を反芻することで、そのスイーツが持っていたキラキラルが心の中で再び発生することさえある。
この現象についていちかは「スイーツは食べたら消えるけれども、そこに込められた思いは食べた人の思い出になって消えることはない」という言葉で直感的に理解している。
14話では水嶌がイルカゼリーから摂取したキラキラルをバンド演奏による感動で増幅させるシーンがあり、どうやら摂取方法はひとつでも、増幅するのはスイーツが関わらない手段でもOKらしい。
ジュリオやビブリーは、闇の力を使い他人の心の中に吸収されているキラキラルを無理やり引き出し自分の力にすることができる。
しかし、心の中のキラキラルを無理やり抜き出されるということは生きるための活力を根こそぎ奪われるようなものであり、意識を失ってしまう。
なお、第11話では町のみんなの心から引き出されたキラキラルによってプリキュアの新たな武器キャンディロッドを生み出されているが、この時は町のみんながプリキュアという存在を知りそれを応援したいと思って自らの意思で自分の中にあったキラキラルをプリキュアに譲渡しており、強引に引き出した訳ではない。また、町のみんなは「少しずつ」キラキラルをプリキュアに分け与えたので活力が失われるようなことにはなっていない。
また、スイーツを実際に食べたり作らなくても、目の前にあるスイーツに込められた思いを感じ取ることができれば、感じ取った人間の心やスイーツそのものに更なるキラキラルが生まれる模様。ひまりやあおいがプリキュアに覚醒した事例はこのケースに該当し、23話でも、とある人物が彼の想いを受け取ったことで、心だけでなくスイーツそのものに大量のキラキラルが生まれている。
灰色のキラキラル
通常のキラキラルは前述の通り7色だが、これが「闇に染まる」と灰色になる。
ノワールのしもべであるジュリオやビブリーは奪ったキラキラルを闇に染めることが可能であり、さらにそれを漆黒のクリームエネルギーに錬成して操ることができる。つまりプリキュアと同等の力を使うことができるとういうことである。
灰色のキラキラルはプリキュア達が取り戻すことによって色を復活させられる。
また、第21話ではジュリオとビブリーの体内から灰色のキラキラルが現れた。同話ではビブリーがそれをイルに注入し強化させているが、この時に「あたしのキラキラルを使いなさい」と言っていることからわかるように、これは他から奪ったものではなく、ノワールのしもべ達それぞれが本来持つキラキラルである。
キラキラルは生きるための活力とされていることを考えると、ノワールのしもべのような連中は灰色のキラキラルによって悪の活力が支えられていると言うことだろうか。
他人を見下し力に酔いしれるノワールのしもべたちは、見方を変えれば活力に溢れているとも言えるだろう。
代償としてキラキラルが闇に染まった者がスイーツを作ると原則としてキラキラルが抜かれた時同様に灰色のスイーツが出来上がる。ただし再び「大切な人を思う気持ち」を取り戻せばキラキラルが宿る。
灰色のキラキラルががどのようにして心の中に補充されるかは不明。普通のスイーツを食べて、普通のキラキラルが心の中に溜まってからそれを闇に染める…と言うようなことはない様子。そもそもノワールのしもべたちは「スイーツを食べる」ことはしない。彼らにとってスイーツとはキラキラルの器に過ぎず、価値を認めていない。ビブリーはスイーツのようなベタベタネチャネチャした気持ち悪い物体を喜んで摂取する人間達を愚かな存在と見下しており、ジュリオに至っては憎悪している。これについて暮田公平SDは怒りや憎しみの感情もキラキラルになると説明しており、事実22話ではピカリオの体内から直に灰色のキラキラルが抜かれるシーンがあった。
悪い妖精のように「奪ったキラキラルを直接自分の体内に吸収する」ことはノワールのしもべ達にもできそうなのだが、ノワールのしもべたちはキラキラルをノワールに届けることが目的なので基本的にそれは許されていない様子。特にビブリーは自分のために奪ったキラキラルを無駄にすることは絶対にしない。
なお、21話ではジュリオがノワールの手によって自分の中にある灰色のキラキラルを抜き出され、それを使ってロッドが修復されたが、その後のジュリオの精神状態が明らかに不安定なものとなっていた。心からキラキラルを奪われた人間は廃人同然になるが、このことはノワールのしもべにも同様であるようだ。
自らの心にある灰色のキラキラルを消費してパワーアップすることは、文字通り命を削る行為なのである。