概要
本作の主人公。名門土御門の分家の生まれだが、陰陽道とは無縁の日々を過ごしてきたため、作品当初の立ち位置としては一般人に近い。ヒロインの土御門夏目とは幼馴染の関係にある。
東京レイヴンズの物語は、二人の秘められた過去に始まり、そして「もう二度と後悔しない」未来の選択へと収束していく。
能力
土御門家の血を引いているだけあって、霊力においては出力・スタミナ共に抜群に高いが、霊気を視る見鬼の才能に問題を抱えている。これは野球で例えるなら、ホームランを打つための筋力はあっても肝心のボールが全く見えないようなもので、陰陽師としての適性に欠けると言わざるを得ない。
これは自他ともに認めている事実であり、春虎に陰陽師としての将来を望む者は(約1名を除き)ほとんどいない。彼自身もその事実を受け入れ、物語の初めは普通の高校生として日々を過ごしている。
子どもの頃は陰陽師に憧れていて、ポーズをつけて鏡の前で呪符投げの練習をしていた。そのため呪符の早撃ちという特技を持っているが、これは今では黒歴史になっている。
性格
その絶望的なまでの察しの悪さから、友人たちには親しみを込めてバカ虎と呼ばれている。頭の悪さもさることながら、交通事故に遭った回数12回と、運もとても悪い。作中でもよく貧乏くじを引き、良いことがあってもぬか喜びに終わるなど、中々の不幸っぷりを見せてくれる。
だがそうした経験で鍛えられたのか、度胸に関しては筋金入り。命が危険に晒される状況においても、怖気づくことなく行動していく。「バカ虎でも、虎は虎」とは悪友の評。また素直で誠実な性格のため、コミュニケーション能力は同世代の中では高い。エリート意識の高い陰陽塾内でも、(一波乱あったものの)その持前の性格ですぐに馴染んでいる。
人懐っこい性格で人付き合いも良いためにすぐに適応し、何だかんだ言われながらもクラスメイトには好かれている。また心優しく誠実な人柄に加えて人を引き付ける魅力を持ち、幾人かの女性に好意を寄せられている。
呪術方面
入塾に至るまで陰陽道から距離を置いており、本人の頭の悪さもあって呪術方面の知識が乏しく、座学の成績は壊滅的。その代わり保有する霊力の量は平均を大きく上回り、実戦でその力を発揮する。
大友と道満の呪術合戦を目の当たりにしたことで意識の変革が起こり、それまで以上に熱意と意識を持って呪術を扱うようになる。その結果、祓魔官の隊長相手の呪術戦で善戦し、同年代では夏目に次いで優秀な京子をも追い抜くほどの急激な成長を見せたが、その一方で本人はどこか全力を出し切れないような違和感を抱えており、思うような術の行使ができないでいた。
しかし、暴走したシェイバとの戦闘で夏目が傷つけられたことで力を渇望し、その際に自身の内側にて見つけた綻びから、春虎自身を押さえ込んでいた何らかの封印を強引に破る。その結果、それまでとは比べものにならない程の見鬼に目覚め、鈴鹿オリジナルの術式、鏡の火界咒を模倣し、かつて大友が使った「帝式」をも使いこなしシェイバを修祓した。
真実
実は、彼こそが土御門家現当主である土御門泰純の本来の実子であり、土御門の直系。
即ち真の土御門夜光の転生者である。生まれて間もない彼を夜光信者等の様々な勢力から守るべく、泰純によって生まれてすぐ能力に封印を施され、その後は分家の子として陰陽道から遠ざけて育てられた。しかし暴走したシェイバの時に中途半端に解呪したことで霊力が不安定になり、花火大会で多軌子に「鴉羽織」を半ば強引に着せられた際に霊力が整合せず暴走。最終的に夏目が封印を完全解呪したことで霊力が安定するが、暴走していた「鴉羽」が夏目に致命傷を負わせ、彼女を死亡させてしまった。
最終的に冬児たちの助けで陰陽庁から脱出し、夏目の遺体を取り戻す過程で鏡と戦い左目を斬られ隻眼となるが、真の姿となった飛車丸と角行鬼の手を借り退ける。