「ぼくにできることがあったら、いつでも力になる」
「エスパーのコーチってのも、わるくないと思うんだ」
「大きな力をもつということは、同時に大きな責任をおうことにもなるんだ」
CV:柴本浩行
人物
「高畑さん」とは、『エスパー魔美』の登場人物で、主人公佐倉魔美の一番の協力者でボーイフレンドである。フルネームは高畑和夫。
非常に頭がよく博識。どの程度の知識・頭の良さかといえば後楽園球場(当時まだ東京ドームは存在していない)の人工芝の総本数(およそではあるが)を暗算で即答したり、日本の司法制度の理念をきちんと理解し、淀みなく他人に説明でき(日本が応報刑から教育刑に移行した経緯について説明し、息子の仇討ちをしようとしている父親を思いとどまらせようとしたことがある)、佐倉家に下品だと難癖をつけにきた隣人の使った言葉も由来から考えればかなり下品な意味合いを持っていると(やや揚げ足取り、屁理屈気味ではあるが)反論し、正面から論破できるレベル。また保険金殺人を企む悪漢達に魔美と共に捕まった際には、わざと転んでガラスの破片を拾い、魔美の縄を切る時間を稼ぐ為に犯人を挑発したりと、いざという時にも高い判断能力と冷静さを如何なく発揮する。
真面目な性格なので、嘘はつくのもつかれるのも大嫌い。(後述の「自分がエスパーだと勘違いしていて、事実が判明した時、ショックのあまり魔美から一時距離を置いた」のはそれが原因)
ただ、和解してからは魔美が事件がらみで帰宅が遅くなった時など佐倉家から確認の電話が入った際には「うちで勉強してます」など口裏を合わせることも少なくなく(電話を切ってから「ああ、また嘘ついちゃった…」と自己嫌悪している)、また魔美とどちらが夕飯の支度をするかをくじ引きで決める(魔美が『お客様にそんなことさせられない』と彼が作ることを拒否した為)際には、イカサマでどう転んでも彼が当たるようにくじを細工したりもする(※)
(※)もっともこれについては魔美の手料理を一度ならず経験している彼の心情を考えれば「緊急避難的行為」ともいえ、くじ引きが終わった後で(ごめんな、魔美君)と心の中で詫びている。
おおむね授業を一度聞けば内容を理解でき、教科書も一回読めばほとんどの内容を暗記できる。応用もできる機転の効きも持っており、基本、宿題以外の家庭学習を必要としない。その気になればいつでもテストで100点を取れる、とまで豪語する。
しかし、その頭脳の冴えは本人にとってはコンプレックスや余計なトラブルを呼ぶ元凶ともいえる悩みのタネでもある。事実、前述の豪語の直後、魔美に「みんな受験勉強で苦しんでるのに!!」と嫉妬混じりに責められた時には「こんな頭に生まれついたのは、ぼくの罪じゃないぞ。それなのに……そんなに責められたって、ぼくは……」と号泣している(以前にも同様の理由で友人を無くしているのかもしれない)。
ゆえに真面目に勉強している人に悪いと思い、テストではわざと答えを間違えて100点を取らない様にしている(試験日に体調を崩してわざと間違えるだけの余裕がなく、うっかり100点をとってしまったことがある)。
料理も魔美が絶賛するほど上手で、一通りの家事も心得ている。しかも、かまど(釜と竈)でご飯を炊き七輪でおかずを作れる。(連載当時の中学生でもここまでやれる人はなかなかいない)
反面、運動能力は低く、友人に「野球さえやりたがらなければいいやつ」と言われてしまうほど。水泳も苦手で理論は完璧だが、実践すると何故か沈む。魔美とは泳ぎが苦手なもの同士『もともと人間の体は泳げるようにできてないんだから、泳ぐこと自体が不自然』と理論武装して慰め合っていたが、『でも泳げないよりは泳げた方がいい』と前向きに切り替えて努力しだすあたりが彼の彼たる所以である。結局泳げるようにはならなかったが(犬かきでの数メートル程度は何とかできるようになった)。くわえて絵を描くのも苦手。ただ画家である魔美の父からはけなしているのか褒めているのか一般人には分かり難い言い回しだが、それなりの評価を受けてはいる。
最初は自分が超能力者だと誤解していたが、超能力者が自分ではなく魔美だと気がついて、ショックのあまり一時距離を置いた。和解してからは、博識を活かした助言と言う形で魔美を助けるようになり、魔美にとって大事なパートナーになる。
魔美の飼い犬コンポコとの相性はあまりよくなく、機嫌を取ろうとして名前を呼び間違えこっぴどくやられたこともあった。だが落盤で洞窟に閉じ込められた魔美のピンチ(テレポーテーション用のビーズを切らして脱出できなくなった)のときに、コンポコが高畑に助けを求めて、協力して魔美を助けたことがきっかけで次第に仲良くなった。一方、魔美の両親からは当初から好感を抱かれ、大いに信頼されている。
見ての通り、髪型や体型は同じ作者のキャラクターであるジャイアンに酷似しているが、性格は温厚かつ良識的である。ただし野球をするのが好きなのは同じ(高畑の場合、下手の横好きと言うべきだが)。
ちなみに作中では、魔美がヌードモデルをやっている為、裸を見られることにさほど抵抗がないせいか、代わりに彼が魔美に入浴の際に裸を見られて悲鳴を上げる(誰得だが、いわゆるしずかちゃんポジ)担当。本人も『これじゃまるで僕はしずかちゃんじゃないか』とぼやく回がある。
F作品の類似人物
出木杉くん
博識で万能な上に人格も優れて、主人公に助言を与える。という共通点があるキャラクター。
高畑さんとの違いとして、出木杉くんの場合、運動能力と容姿にも優れており、主人公の一人であるのび太くんからは勝手にライバル視されているという点が違う。
また、最大の違いとして、出木杉くんは準レギュラーキャラクターであり、そこまで出番は多くないが、高畑さんは主人公の相棒として殆ど作品に出ずっぱりという違いがある。
野比のび太
運動神経が悪いが、野球が好きという共通点があるキャラクター。
一方で、のび太くんの場合、地頭がよく閃きに優れる描写と、グッドアイディア(主に金儲け)を思いついたら即行動に移る行動力の高さがあり、この点では彼と似ている。
この事から、高畑さんはのび太くんの良いところと出木杉くんの良いところを足したキャラとも評価できる。
ジャイアン
上述されている通り、性格は似ても似つかないが全体的なビジュアルが似ている。
また、男気があり、いざという時に頼れるという点では、共通しているとも言えなくもない。
pixivでは
単体の絵は少なく、魔美と一緒の作品が圧倒的に多い。それだけ魔美にとって高畑は必要不可欠な存在であるとファンが認識している表れと思われる。
関連タグ
ギフテッド:彼の性質はコレにかなり近い(連載当時には、こんな単語は普及していなかったが)。
高畑勲:実際のところは(作者も本人も鬼籍入りのため)不明だが、モデル説がある。勉学の能力に優れ博識である事、またその博識で人を煙に巻いたり、人を逃げ道を許す事なく論理的に追い詰めたりする傾向を持つ部分が共通している。