概要
佐倉魔美の父親で、職業は画家と高校の美術講師を兼業している。個展を開くことがあるが、あまり売れてはいない様子。
娘にモデル料(小遣い)を払って、時々ヌードモデルを依頼している。たまにプロのモデルを雇って描く事もある。
娘の事をマミ公やマミくんと呼んでいる。娘のクラスメイトである高畑和夫には妻の菜穂子と共に大いに好感を抱いてる様子で、信頼を寄せている描写が多い(娘の言う事は疑っても高畑の言う事は素直に信じる程)。
後述する血筋の事情もあり、魔美から「自分に超能力があったらどうする」と尋ねられた際には「絶対に隠す。誰にも教えない」と答えている。
アニメ版では最終回でフランスに絵画留学した。美術家である事や血筋(後述)の事もあり、フランス語を少し話せる。
変な物が好きで、好物は「たくあんの煮物」。詳細なレシピは不明だが、作っている時に佐倉家を訪れた高畑が「なんだいこの物凄い匂いは?」と言っていたり、隣人が苦情を言いに来ている(半分は嫌がらせの意図だったが)ことから、相当な匂いがする模様。
ただし、この「たくあんの煮物」は実在する料理。主には近畿地方北部(特に京都・滋賀・三重・岐阜。ぶっちゃけ京料理・おばんざいのひとつでもある)や北陸地方(特に庄内)、そして讃岐(香川県)にて伝わる郷土料理である。
古漬けとなったたくあんに対して、発酵を止めるために殺菌する上で酸味を飛ばし、さらに漬け過ぎたがゆえに強くなった塩を抜くために煮物(砂糖と醤油を用いた煮付けあるいは炒め煮)にしている。悪臭が蔓延するかはレシピにもよるが、実際にはそれほどの事はない。該当地方では好きな人は好きな珍味として知られる。(特に香川では煮物用たくあんなるものが売られていたりする)
妻の菜穂子(魔美の母親)は毎朝新聞社に勤務し、多忙なキャリアウーマンで、十朗が主夫のようなポジションである。
余談
十朗の祖母(魔美の曾祖母)はフランス人で、その祖先は魔女狩りの悲劇にあったという。祖父(魔美の曾祖父)もまた画家であり、フランス留学中、魔女狩りにあった祖先をもつという彼女と出会い国際結婚して日本に連れ帰ってきたという(これに伴い十朗の祖母は帰化。フランスでの祖母は祖先が魔女だったということで偏見にあっていたことが示唆される)。原作での時系列をみるに明治時代後期から大正時代初期の頃の話と思われる。当時、外国に美術の留学が出来るなどの背景をもつことから、十郎の実家(魔美の祖先の家)の佐倉家はそれなりの資産および学識等がある家(富裕層・知識層)だったと思われる。
その息子(十朗の父、魔美の祖父)は母親似の面差しや目の色(蒼瞳)を受け継いでしまったために第二次世界大戦(太平洋戦争・大東亜戦争)中は蔑視されていた。
そのため、幼い頃の十朗(原作での十朗は連載時の時期から戦中・焼け跡世代にあたる)も当時は同級生たちからスパイ呼ばわりされ苛烈ないじめに晒されていた過去がある。
つまり十朗は、いわゆるクォーターであり、祖母・父親ならびに娘の魔美ともどもフランス系日本人と言える血筋の持ち主。実写ドラマ版でもルーツが外国にあることを容姿から解りやすくするためもあってか、十郎は草刈正雄が演じている(草刈の実父はアメリカ人)。
また、そのルーツと時勢の災禍に遭いやすい迫害や差別をされる事に縁のある家系とも言える。(魔美も持ってしまった超能力のために、そういうトラブルに見舞われる事がある)