概要
著者 | あざの耕平 |
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イラスト | すみ兵 |
ジャンル | 学園・和風ファンタジー |
出版社 | KADOKAWA |
レーベル | 富士見ファンタジア文庫 |
掲載誌 | ドラゴンマガジン |
刊行期間 | 2010年5月25日 - 継続中 |
単行本 | 16巻(+番外編4巻) |
刊行状況 | 継続中 |
あらすじ
安倍晴明を祖先に持つ陰陽道の名門『土御門』の分家に生まれた春虎と、本家に生まれた夏目。
幼い頃はずっと一緒にいた二人。
だが生まれ持った才能の違いから、それぞれ別の道を進んでいった。
そして高一の夏、陰陽師となることを諦めた春虎は、夏目と再会する。
その再会をきっかけに、春虎は再び自分の将来と、かつて交わした約束と向き合うことになっていく。
作品紹介
キャッチコピーは「時を越える陰×陽ファンタジー」。陰陽道の歴史を絡めつつ、転生というテーマを鍵にして、現代と過去を繋げていくストーリー構成となっている。
各巻の構成としては、1~最新刊までが本編(4・5巻は本編+短編)、番外編が短編を収録という形を取っている。「東レは6巻からが本番」はファンの常套句で、スロースターターである著者の定番。1~5巻ももちろん面白いので、良かったら購入を検討してみて欲しい。
ちなみに本作は二部構成となっており、アニメでも放映された1~9巻部分が第一部、10巻以降が第二部となっている。第一部ではある人物の登場までが描かれており、第二部ではその人物の目的、ひいては物語の核心に迫っていく。
主な登場人物
主人公。名門土御門の分家の生まれだが、呪術の才能に問題があり、現在は普通の学校に通っている。通称バカ虎。頭と運は悪いが、度胸に関しては筋金入り。「バカ虎でも、虎は虎」とは悪友の評。夏目とは幼馴染だが、現在は疎遠になっている。
夏目とは幼い頃にある約束を交わしており、今もそれを忘れられないでいる。
メインヒロイン。名門土御門の本家の次期当主。恵まれた才能を有し、また努力を惜しまない性格のため、同世代の中では別格の呪的能力を誇る。一見すると凜とした雰囲気の美少女だが、実際の性格はかなり子どもっぽい。特に春虎のこととなると感情が先に立ってしまうことが多い。公式でのキャッチコピーは『残念幼馴染』。
春虎とは幼い頃にある約束を交わしており、今でもそれを覚えている。
アウトローな雰囲気をまとった春虎の悪友。ヘアバンドがトレードマーク。過去に霊災に巻き込まれたことがあり、そのため呪術社会に対して興味を抱いている。クールで頭も切れる反面、大のトラブル好きという厄介な性格の持ち主。根はとても仲間想いのため、北斗と春虎の保護者―――もといフォロー担当を務めている。作中屈指の苦労人。
バカ虎の命名者にして、春虎の友人。春虎とは中学時代からの付き合いで、ヒマさえあれば常に春虎と一緒にいる。高校からはそこに冬児も加わり、三人でよく行動している。春虎曰く「オトコ女」。少年のようなしゃべり方のボクっ娘で、屈託のない笑顔が魅力の美少女。春虎には子どものようにじゃれついてくる。
金髪の巻き髪が可愛らしい少女で、『神童』の異名を持つ『十二神将』。現代呪術である『汎式陰陽術』の原型にして禁忌の呪術『帝国式陰陽術』の研究を行っている。純粋培養で育った生粋の陰陽師であり、そのため余り世間を知らない。口こそ悪いが、とても純粋な性格をしている。
陰陽塾のクラスメイトで、陰陽道の重鎮『倉橋家』の一人娘。お団子頭がチャームポイントの美少女。気配りのできる優等生タイプの性格だが、持前の気の強さから自身の感情を持て余すことも多い。作中では一番胸が大きい。
陰陽塾のクラスメイトで、善人を絵に描いたような少年。陰陽塾で、春虎たちにとって最初の友人となる。
能力こそ平均的だが、呪術に取り組む姿勢は非常に真摯である。眼鏡がパーソナルシンボル。
春虎に仕える『式神』で、春虎原理主義の過激派。ヒエラルキーの頂点が春虎であり、それ以外の人間は底辺という極端な忠誠心を誇る。狐耳・しっぽ・おかっぱ頭・水干(巫女服のようなもの)・麻呂眉など、萌えポイントが無数に存在する。
老け顔・義足・関西弁と三拍子そろった陰陽塾の謎の新人講師。調子のいい三枚目だが、元呪捜官で結構な実力者だったりする。言動が一々うさんくさい上に、抜け目のない性格をした食わせ物。
『神通剣(じんつうけん)』の異名を持つ十二神将の一人にして、祓魔局の若きエース。主な得物は彼の代名詞とも呼べる刀「二つ銘則宗」。外見は至って普通の好青年だが、彼の術によって放つ刀の一振りは霊災をも両断する。烏天狗の式神を所有し、また自身も天狗に関する呪術を得意とする。
『鬼食い(オーガイーター)』の異名を持つ十二神将。額の×印のタトゥーが印象的な、禍々しい男。現十二神将の中では神童『大連寺鈴鹿』に次いで若いが、その実力は折り紙つき。膨大な霊力と、多彩な呪術のバリエーションを併せ持った極めて強力な陰陽師。反面、その人格は節度あるものとは言えず、問題行動が非常に多い。シェイバという式神を所有している。
平安時代の陰陽師と同じ名を名乗る、謎多き老人。異様な雰囲気を醸し出す真紅のサングラス、生命が費えたような外見とは裏腹の若々しい声、稚気を目立たせながらも狂気が垣間見える言動など、どこか人間離れした感のある老人。呪術界の闇に属し、その中でも非常に特異な存在であり、ある意味では夜光以上の伝説を持つ陰陽師である。
太平洋戦争時に活躍した伝説の陰陽師。オカルトの領域にあった呪術を、因果関係が明確な技術として体系化させた歴史上の偉人。だが敗北が濃厚になった大戦末期にある儀式を敢行。それによって東京の霊気は乱れ、霊災が多発する地域となってしまった。陰陽術の軍事利用に関与していたという事実も相まって、現代では夜光の名は、呪術界のタブーとして扱われる傾向にある。
幼い少女をこよなく愛する陰陽塾の変態―――ではなく先輩。春虎の前に時おり思い出したように現れ、彼をからかい倒して去っていく。ショートカットの可愛らしい顔立ちとは裏腹に、その眼差しはどこかミステリアス。というより、何を考えているかよくわからない。実際謎の多い人物であり、春虎も彼女が相当にダメなロリコンである以上のことは知らない。幼女であるコンに並々ならぬ関心をよせている。ちなみに頭の角みたいな飾りは、幼女アンテナらしい(嘘)。
- 相馬多軌子(CV:金元寿子)
夏目と春虎、二人が陰陽塾の屋上にて出会った謎の少女。色とりどりの玉に飾られた朱色の髪、凛とした輝きを放つ顔立ち、上品な佇まいと朗らかな表情が印象的な美少女。その内面は澄み切った水のような純粋さと、危うさに満ちている。一人称は「ぼく」。その無邪気な笑顔と言動は、春虎の友人を彷彿とさせる。
第二部から登場する新たなキーパーソンの少女。生まれついての兎の生成りで、そのため赤ん坊のころに山奥の寺へと預けられた。年齢は12,3歳、栗色をした二房の三つ編み、少女特有の細い体つきの、どうにもあか抜けない印象の目立つ、ちょっと内向的な眼鏡っ娘。兎の生成りとしての特徴は異常なまでに速い駆け足と、定番のウサ耳。もっとも秋乃としてはそれはコンプレックスであるらしく、普段はウサ耳は実体化しないよう努めている。
スピンオフ作品
用語説明
公式の用語説明はこちら
陰陽道 | 陰陽五行説に基づく学問・思想体系。詳細については陰陽・五行の項目を参照して欲しい。 |
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陰陽術 | 陰陽道より生じた技術。代表的なものに呪術や占術がある。 |
汎式陰陽術 | 現代において定義された陰陽術。甲種呪術と乙種呪術があり、前者の使用には国家資格が必要である。ちなみに乙種呪術をかまずに言えたらすごい。 |
陰陽師 | 陰陽術を生業とする者。現代では一般的に、霊災に対応できるスキルを持った職業的呪術者を陰陽師という。 |
霊的災害 | 通称霊災。自然界における霊気のバランスが崩れることによって生じる災害。歴史的なとある出来事のため、現代の東京では霊災が頻発している。 |
見鬼 | 霊気を感知する能力、あるいはその能力の所有者のこと。陰陽術の修得の前提となる能力であるため、陰陽師を志す者にとって、なくてはならない才能である。 |
式神 | 陰陽師が操る僕の総称。術者が意のままに使役する鬼神。式神となる過程(生成方法)で、霊的存在(妖怪・神仏など)に呪力を与え使役する「使役式」と、形代という核に呪力を込めて造られる「人造式」の二つに分類される。前者は『龍』や『鬼』、後者としては大連寺鈴鹿の『モデルM3阿修羅』や呪捜官たちの『モデルWA1スワローウィップ』が該当する。東京レイヴンズの世界で最もメジャーな式神は、後者の人造式である。また広義には『主従関係における従のもの』を指し、これは夏目にとっての春虎が該当する。 |
使役式 | 霊的存在である龍や鬼に呪力を与え使役するタイプの式神。護法とも呼ばれる。 |
人造式 | 呪術で造られた式神。込める呪力や必要な能力で、簡易人造式(通称:簡易式)・人造式・高等人造式の三段階に分類される。簡易式は操作機能のみ、人造式は操作機能+特殊機能、高等人造式はパーソナリティを有する、などの特徴がある。また用途ごとにも、主を護る「護法式」「汎用式」「輸送式」「検知式」「捕縛式」「機甲式」などに分類される。尚、護法式は使役式の代替物として造られた式神であり、護法式の名称もそこから来ている。 |
甲種呪術 | 陰陽庁によって効果が認められた呪術。言い換えれば、現実に効果のある本物の呪術(魔法)である。原則として国家資格「陰陽2種」または「陰陽1種」取得者のみに行使が許されている。ちなみに1種の取得者は十数人しか存在しないスーパーエリートであり、十二神将と呼ばれている。 |
乙種呪術 | 甲種以外の、効果があるかどうか不明な呪術。こちらに分類される呪術は多岐に渡り、伝統的な神事や祭礼、一般にも普及しているおまじないや恋占い、そして嘘のような何気ないものまである。 |
帝国式陰陽術 | 略して帝式。太平洋戦争中、軍事利用を目的に作られた陰陽術。修験道や密教系、神道系といった日本に存在するありとあらゆる呪術が統括・編纂されている。汎式陰陽術の原型であり、また黒歴史でもある。 |
陰陽庁 | 国家資格を持った陰陽師の務める国家機関。平たく言えばお役所。呪術の犯罪を取り締まる呪捜部、霊災を鎮める祓魔局などの部署が存在する。 |
十二神将 | 陰陽1種を持ったトップクラスの陰陽師たち。十二神将はマスコミがつけた呼称であり、正式名称ではない。そのため実際に十二人いる訳ではない。 |
アニメ
2013年に放送された。ニコニコ動画では石浜真史によるオープニング演出で、監督の名前が大きく表示されることがネタになっている。
スタッフ
主題歌
オープニングテーマ
「X-encounter」:黒崎真音
「〜Outgrow〜」:Gero
エンディングテーマ
「君が笑む夕暮れ」:南條愛乃
「Break a spell」:川田まみ
関連タグ
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