概要
CV安元洋貴
日本呪術史における中興の祖『土御門夜光』が使役していた式神の中でも、飛車丸と並び双璧とうたわれた護法の一体。
古い時代から存在している隻腕の鬼で、夜光と出会う以前より数多の伝説を築いてきた。
スーツを着崩した長身の伊達男で、筋骨隆々とした野性的な容姿とは裏腹に、スマートな物腰をしている。
主亡き後も人の世で生き続けており、かつての名声に違わぬ風格と力を今なお持ち続けている。
性格
落ち着いた性格で何事にも素っ気ない態度をとり、かつての主である夜光が転生を果たした噂を聞いても顔色ひとつ変えない。
ただ春虎と冬児の陰陽塾入塾後まもなくして起こった事件の際は、飛車丸へと送った言葉と同じ言葉を彼らの内のひとりに向けて呟いている。
その後も度々彼らの周囲に現れており、色々と思うところはある模様。
基本的には淡々としているが、時折化け物としての一面を見せる。
名前
夜光の式神になった際に『角行鬼』という名を彼からもらった。
飛車丸同様、名のモチーフは将棋の角行。モチーフが将棋なのは夜光の趣味である。
それ以前は別の名で呼ばれており、その名は古い伝承にも刻まれている。
正体
本編の記述によるとその正体は、平安の世を代表する伝説の悪鬼『茨木童子』であるとされている。
同時代の道満と交流があるのはそのため(もっとも当人たちの関係は腐れ縁程度のものではあるが)。
彼の式神である早乙女涼ともその縁で交流はあるが、こちらは道満以上にロクでもない関係で、彼女と話す祭はいつも渋い顔になる。
隻腕
以下、EX3巻よりネタバレ
『茨木童子は渡辺綱と一条戻橋にて争い、自身の腕を奪られるも、彼の親族に化けて腕を取り返した』
伝承ではこうあるが、この話には続きがある。
人の好い渡辺綱が騙されると読んでいた安倍晴明と源頼光は偽物の腕を用意し、茨木童子にそれを掴ませたというものだ。
騙されたことに気付いた茨木童子は、本物の腕を取り返しに安倍晴明の館を襲うが、待ち受けていた彼に敗れることになる。
外道丸をはじめ仲間を全て失くした自暴自棄の茨木童子に、晴明は1000年生きることを条件に腕を返すことを約束する。
そして、1000年後。晴明の子孫である土御門家に訪れた彼は、当時麒麟児として名を広めていた土御門夜光、そしてその式神である飛車丸と新たな縁を結ぶことになる。
彼を手玉に取った千年前の陰陽師が-そのときお前は「もっと良いもの」を得られるかもしれん-
『千年経っても、変わらない。忌々しいが--あいつの尻ぬぐいは、大抵俺の仕事だ』