概要
共に広い応用範囲を持ち、代表的なものとしては距離と速度の関係がある。
距離と速度の関係と言えば「距離=速度×時間」があるが、これは「速度が一定」という特殊な場合でしか成り立たないし、「速度=距離÷時間」で求まるのはあくまで平均の速度である。
これに対し、微分を用いれば瞬間の速度を求める事ができ、積分を用いれば、速度が変わる場合でも距離を求める事ができる。
微分も積分も、関数に対して行われる操作となっており、結果も関数となる。
微分は関数の値の変化を見る操作であり、これは関数の接線の傾きとなる。
積分は関数の値の(特定の範囲での)合計を見る操作であり、これは関数が作る領域の面積となる。
これらは一見無関係であるが、実は互いに逆の操作となっている。
先程の距離と速度の例の場合、割り算が微分に、掛け算が積分に置き換わる形となるが、割り算の方が掛け算よりも大抵難しいのとは逆に、積分の方が微分よりも大分難しい。
計算するにあたっては、微分するにも積分するにも「無限に小さい」という概念が出て来て、これは極限(lim、リミット)という計算の中で扱われる。
積分については数列の知識も必要となる。
ただ、これらの計算自体は毎回行う必要は無く、結果の公式を暗記して組み合わせて利用される事が殆ど。
式が不明なデータの羅列を扱う場合や、積分の式が出せない場合においては、近似的に極限の計算を行い、微分や積分の結果の概形を求めたりするが、この辺は現代では通常コンピュータ任せとなる。
微積分においては、dという文字を特殊な意味合いで用い、積分では更に∫(インテグラル)という記号も用いる。
例えば、dy/dxと書いて「yをxで微分したもの」を意味し、∫ydxと書いて「yをxで積分したもの」を意味する。
派生など
通常の微積分は、(独立な)変数が1つである場合を対象としており、これが2つ以上の場合は偏微分やら重積分やらというものが出て来る。
微積分を含んだ方程式は微分方程式と呼ばれ、カオス理論と密接(積分を含んでる場合も、通常は微分のみを用いた形に置き換える事ができる)。
微積分が関数を対象としているのに対し、数列を対象とした類似のものは、微分に対しては差分、積分に対しては和分と呼ばれる事がある。