概要
ある事を細かく分析して、明らかにしようとする事。
しかし、その一方でMODとは別にゲームデータの解析物が一部で存在する。中には、明らかに著作権的な部分でアウトな部分もある為、解析データの部類には手を出さない方がよい。
(※ソシャゲの解析データ、リズムゲームにおける本家解析物等。その詳細はお察しください)
解析され流出したデータについては、手を出さないだけでなく、仮に知ってしまった、としても胸の中に収めておき、掲示板などで拡散してはならない。
ソシャゲ、アプリゲームの解析
コンシューマゲームと異なり、ソーシャルゲーム、アプリゲームは公式サーバーとの通信が常に成り立つ状況でプレイが可能となる。
が、ゲームソフトにあたる部分はパソコンやスマホ側にプログラムという形で存在している。
この中身を解析し、ゲームの具体的な仕様(倍率や確率など)や未公開のビジュアルやイラストを見ることは、技術的には可能である。
解析としてしばしばSNS上にも流れる情報には、これから実装されるキャラクターやガチャの予定表といったものすら含まれる。
これらは、専門的な知識やツールなしでは実行不可能であるが、そうした情報を解析する個人や、彼等からの情報を集積し共有するサイトが存在し、そこから転載され、それが繰り返される事で、一般人も居るネット上にも広まっていくことになる。
公式からすれば、自分達が建てている営業計画の邪魔となる(例えば、後々に出るキャラの性能を見て、いま「石の買い控え」がされれば損失が出ることになる)。
ストーリーを重視する作品やコラボの場合はネタバレの流布となり、広まればファンから見た新奇性、モチベーションを削いでしまう。
そのため、各作品の公式は解析そのものを禁止行為としている。そもそも解析しようとする行為は規約を破らずに行い得ない。
ファンによる攻略wikiにおいても「解析由来の情報」の掲載は禁じられている。
規約上の表記の例
『グランブルーファンタジー』の規約「第十二条 禁止事項」には「本サービスに影響を与える外部ツールの利用・作成・頒布・販売等を行う行為」が挙げられているが、公式ツイッターアカウントで「またリリース前情報の解析、ゲーム内画像及び、UIを改変するツールも不正ツール利用に該当致します。」(リンク)と説明されている。
『Fate/Grand Order』の規約の第十四条(禁止事項)には「(13)本アプリに用いられるプログラムを改変し、毀損し、又は逆アセンブルし、逆コンパイルし、リバースエンジニアリングする行為」がある。アセンブルとは「組み立て」を意味し、コンパイルとは「プラグラミングされたコードを機械で動かせるように変換すること」を指す。逆コンパイルとは実行ファイル等をアセンブリアセンブリ言語ソースコードに変換すること、逆コンパイルは機械側が実行するのに適したオブジェクトコードを人間側が理解しやすいプログラミング言語のソースコードに変換する事を意味する。リバースエンジニアリングは工業製品の分野でも使われる語で、ソフトウェアの場合は「その動作を観察するなどして、製造の原理や内部構造、仕様、ソースコードを調査すること」を指す。つまり、解析とは、対象を解体し、構成する素材や材料、構造を丸出しにし、それがどのように動作するかを知る(知ろうとする)行為、と言うことができる。
公式側からも「「Fate/Grand Order」では課金代行やRMT、アカウントを第三者に譲渡したり、不正に返金を受ける、ゲームデータの解析や改造といった、利用規約に違反する行為を禁止しております。」と解析が規約違反行為であることが明言されている(2020.03.31【追記・更新】【重要】利用規約に違反する行為への措置の実施について)。
コンシューマーゲーム
コンシューマーゲームの場合、物体としてのゲームソフト、ロム(ROM)が存在する。現在はダウンロード販売という形態でも販売され、ネット環境を介してアップデートが行われる事も多い。
ゲームソフトは発売日よりも前に製品として完成し、様々な流通を経てお店で発売日を待つことになるのだが、発売日前にロムが流出し、内部データが解析され、その内容がリークされると、ちょうどソシャゲ、アプリゲームの解析のような問題が生じることになる(これは開発側の関係者であるために「解析するまでもなく」内容を知り得る人物によるものでも同様)。
解析対策
『Fate/Grand Order』配信初期に、実装予定の全サーヴァントのゲームデータおよび最終再臨画像などのイラストが解析によって暴露されたことがある。そこには当時進行中であった第1部だけでなく、1.5部以降の本編シナリオやイベントではじめて登場するキャラクターも含まれる。
この後、開発・運営元ディライトワークスにおいてこうしたデータ解析を防ぐため「未来のアップデート内容を配信しない」という方針がとられることになった(【レポート】『Fate/Grand Order』における「定期的な更新」「長期的な運営」を行うための手法を紹介…設計のカギは管理法と拡張性)。
これにより、新サーヴァント等のデータは、登場する新シナリオ配信日から少し前のアップデートで反映されることになった。
つまり、解析対象となるデータを配信しないことで解析を防ぐ、という理屈である。
しかし、これもまた万全ではない。運営上の理由、調整上の利便性から、新シナリオ、新イベントのデータを配信日の配信時刻にいきなり出す、というわけにはいかず、前準備として少なくとも数日前にはデータ配信を行う必要がある。
この時点ではユーザーはその内容を確認することはできない。が、上記のように外部ツールや専門知識さえあれば、技術的にはデータに手を入れ中身を見ることは可能であり、げんに今現在も解析は行われ続けている。
FGOプレイヤーかつtwitterを使っている人は、「FGO」と検索欄に入力した際にサジェスト(追加の検索ワード候補)で「リーク」「解析」と出るのを見たことがあるかもしれない。
いくつかはリークという行為についてのコメントであるが、中には実際のリーク内容も含まれる。新シナリオ、新イベント配信前にサジェストに出た場合、十中八九解析リークのツイートが含まれると考えて良い。
新キャラクター名、性能、立ち絵や表情差分などの画像スプライト(つまりキャラクターデザインそのもののバレでもある)、シナリオ内容、プロフィール等のテキストデータ、そういったものが流出し、拡散され、言及される数が増える事で「リーク」がサジェストに出るようになるのである。「FGO」やキャラ名で検索しただけでも普通に解析内容が出る事も少なくは無い。
これ自体を防ぐ手段は存在しない。目にしてしまう可能性を完全に排除するなら、サジェストなどで兆候が見えた時点でSNSを自粛するしか方法はない。
ネットには過去の解析リーク情報(FGOにおける初期流出の参戦予定サーヴァントリスト等)も残り続けているため、そちらにも注意が必要である。
Cygames取締役の木村唯人はツイッターにて「リリース前情報の解析等を取り上げてるサイトには法的措置を取ろうと思います。」と発言し、グラブルのアルベールの最終上限解放(2019年2月16日実装)イラストを更新(公式発表)前にTwitterにあげていた人物に対し自身のアカウントから注意するリプを行った(当時のツイート)。
企業が訴訟に動いた例
2021年9月、オープンワールドRPG『原神』の運営元miHoYoは中国の動画プラットフォームbilibili運営元に対し訴訟を起こしている。『原神』は解析リークの大規模な被害に遭っている作品であり、この時点で要求内容はリーク者の情報開示とみられていた(『原神』のリーク情報をめぐり、miHoYoが中国動画サイト大手bilibiliを告訴。リーカーの取り締まりを本格化か)。
リーク者もこれを察しており、引退を表明する者も多数現われた。解析リーク情報も扱っていた攻略サイトHoney Impactのサイトホスティング業者に対しmiHoYoはそれを停止するよう勧告を行っている(『原神』miHoYoのbilibili告訴を受けてリーク情報提供者が続々引退。一部は反発し活動継続へ)。
その後、miHoYoはリーク者の情報を特定し、各人に50万人民元(日本円にして約890万円)の賠償請求を行っていた事が判明した(『原神』リーク者に、miHoYoが約890万円の賠償請求。リーク者は訴訟されたことを認める)。
2021年11月1日、FGO運営元も、解析情報が「まとめサイト」等に掲載された場合「単に転載された情報であるかどうかにかかわらず(つまり、掲載した当人が解析の実行者でなくても)」法的措置を含めた厳しい対応を検討すると発表した(【重要】解析情報の投稿、掲載について(11/1 17:00実施)、ツイート)。この段階では日本語の文章のみ掲載であったが、年末に本編シナリオに連なる内容の期間限定イベント公開を控えた同年12月6日には英語・中国語(繁体字・簡体字)・韓国語による訳文を追加した上で注意喚起を行っている(ツイート)。