概要
トリックスター(奇術師、詐欺師などを意味する)と、根や花などに毒を持つ植物をモチーフとした名前を有するカード群。CODE OF THE DUELIST(2017年4月15日発売)にて初登場。
登場当初の段階では、光属性・天使族のモンスターで統一されており、後に登場したモンスターも天使族が大半となっている。
1回1回のダメージは小さいが、緩い条件で何度も発動するバーン効果や、サーチ・サルベージ能力を持つ効果モンスターを擁する。これらを駆使してカード・ライフ両面からこつこつアドバンテージをとりながら戦うテーマである。
バーン効果の数値は1回あたり200と小さく見えるが、真紅眼の鋼炎竜よろしく何度もダメージが誘発するため、ライフを削る性能は決して侮れない。
長きに渡り無所属のモンスターに頼り気味だったグリードバーンデッキにとって有用なカードもあるため、地雷デッキに組み込むのも一興。
現在のカードプールでは、リンク召喚ならびにエクシーズ召喚を比較的得意とする。また、WWとの混成によりシンクロ召喚ギミックを搭載する構築も一般的である。
逆に、テーマ内にペンデュラムモンスターが存在しないためペンデュラム召喚はあまり得意ではない。
融合召喚ギミックを併用する場合には、通常召喚権を増やす効果モンスターを有するジェムナイトが候補に挙がるか。
情報が公開された当初は同パック収録の星杯等と比較すると、カードプールの狭さからそれほど話題になっていなかったが、発売後ほどなくして罠カード「トリックスター・リンカーネイション」と特定カードの組み合わせで相手の手札を全て除外するという凶悪なハンデスコンボが発見され、俄かに注目を集めた。
さらに通常のドローに加えサーチ・サルベージなど全ての「カードを手札に加える」行為に反応しバーンダメージを与えるマンジュシカの存在により、バーン効果の凶悪さも明らかになる。
キャンディナやステージがあるため容易に場に揃えることができ、仮にステージが存在する状態で3枚揃えると相手はドローのたびに1200ものダメージを負うことになる。当然相手に複数枚のドローを強要するリンカーネイションとの相性は最高で、場合によっては先行1キルを狙うことさえ可能。
他にも、バーンダメージ加速でお馴染みの悪夢の拷問部屋、グリード・便乗などドローに関係するカードならばすべて好相性という範囲の広さも注目されている。
弱点として、全体として攻撃力が低めのため、ソリティアせず少ない過程・手順で打点が高いモンスターが来る超脳筋ビートダウン系のデッキ相手だと一気にワンキルされかねないこと。そのため、オネストかバトルフェイズを行えなくする覇者の一括など攻撃を封じる防御用カードは必須。
サーチの起点となるキャンディナの効果は召喚成功時のみで特殊召喚には対応していない。そのために特殊召喚がしやすい割に意外と展開力は高くないが、逆を言えば召喚権を増やせれば場に何体ものトリックスターたちが並んであらゆる効果に効果ダメージの発生や物量で押し切るほどとなり、サモンチェーンは相性が良い。
このカード群自身にフィールドに干渉するタイプの除去手段が殆どないのも課題の一つ(もっとも、バーンの発動条件自体は発売当時から緩かったため、敢えて設けられた抜け穴とも考えられる)。
真竜や恐竜族デッキが台頭する中このテーマも各地の大会で少しずつ結果を残し、ついにはWCS2017の西日本代表決定において、このテーマを使用したプレイヤーが日本代表に輝いた。
このため2017/10/01に、早くも「トリックスター・リンカーネイション」が制限カード行きとなった。
アニメでは・・・
遊戯王VRAINSにおいてブルーエンジェルこと財前葵が使用。
針のようにチクチクとバーンダメージを与え、同時にトリックスター・ホーリーエンジェルの攻撃力を上げるこの戦術を、playmakerは「効率的な攻め方」と評した。
また、ブルーエンジェルのスキル「トリックスター・フロード」は、このカテゴリのカード1枚を手札コストとして発動し、相手は手札が3枚になるようにドローするが、エンドフェイズで墓地の「トリックスター」カードの枚数分、相手の手札を除外するという効果になっている。
一見すると相手にハンド・アドバンテージを与えるだけの意味のないスキルにしか見えないが、マンジュシカのバーン効果など、これらのカードとのコンボを前提とした上に、「詐欺・欺瞞」という意味のフロードがあるように、さらに手札破壊を兼ね備えたテクニカルなスキルとなっている。