概要
本国から植民者が移住し、本国の意向に従う統治機関により統治される地域である。本国とは異なる法律により支配され、半ば独立した「国」として扱われ、限定された自治が認められる。
一般的に、原住民は本国からの移住者よりも下の地位として扱われる(イギリスの植民地支配のやり方が典型的)のが特徴であるが、同化主義の理念が強い日本やフランスなどの植民地統治国では、植民地原住民にも本国出身者と同等の地位を認めた例もある(しかし、日本やフランスで植民地出身者への差別が存在しなかったわけではないし、植民地の独自性を認めず同化を強いるフランスや日本のやり方は、ある意味被支配者のアイデンティティを蔑ろにしていたとも言える)。
古代ギリシャ時代から存在するが、一般的に植民地と言う時は、大航海時代から帝国主義時代以降のものを指す。
広義では君主の私有地(ベルギー王室の私物であったコンゴなど)や、本国政府が直接支配する海外領土も含まれる。現在の日本など客観的に見て植民地と言い難い地域であっても、一部の住民が中央政府の統治方針に不満を持った場合、領有国(および領有国を影響下に置いている国家)を攻撃するための政治的スローガンとして使われることもある(「沖縄は日本の植民地」と言ったり、「日本はアメリカの植民地」と表現したりする場合がこれに当たる)。
かつて植民地だった地域
現在では考えられないが、当時は南アジア・東南アジア・太平洋地域において、イギリスとフランスの緩衝地帯としてぎりぎりで独立を保っていたタイ王国以外の地域は、全て欧米列強の侵略を受けて植民地化されていた。
アフリカにおいても、ただ一つの独立国であったエチオピアを除いた全ての土地が、欧米列強の手で分割され植民地にされていた。