概要
1958年(昭和33年)11月30日~2005年(平成17年)7月22日に生きた日本の漫画家。本名は鈴木順子。
東京は日本橋の呉服屋に生まれ、時代考証を学び、1980年に漫画家デビュー。一時は荒俣宏と結婚していた。
江戸風俗や浮世絵を研究し、漫画も浮世絵を下地にした独特の画風で、江戸時代を舞台にした作品が多く、詳細な江戸風俗の描写に長けていた。
呉服屋の生まれらしく着物を好んで着て、銭湯や蕎麦、日本酒、落語などを嗜み楽しむ趣味を持っていた。なお『百日紅』の解説で、村上龍が「葛飾北斎がスッポンを食べるシーンでむらむら来てタクシーですっぽんを食べに行った」と言ったように、美味しそうな食べ物を描くのに定評がある。
漫画以外では、NHKの時代劇バラエティ『コメディーお江戸でござる』の解説コーナー、「杉浦日向子のおもしろ江戸ばなし」が有名。軽妙な語り口で、時代考証の誤りを鋭く(しかし嫌味なく)指摘すると同時に、優れた点も漏れなく採り上げ、番組のレベルアップにも貢献した。
また、TBSのクイズ番組『クイズ日本昔がおもしろい』ではレギュラー解答者だった。
1993年に病気であることを明かさずに漫画業を引退宣言。漫画家引退後も、江戸風俗、浮世絵の研究家、あるいはエッセイストとして活動を続けたが、2005年に下咽頭癌によって亡くなられた。享年46歳。
代表作
- 合葬(実写映画化)
- 百日紅(アニメ映画化)
- 百物語 一応建前上「99話」で一応終っている。(『其ノ54』の枕で「扉を開けてるのを飼主に見られたぬこがその後行方不明」という『耳嚢』にある話をアレンジしたものが出るが、カウントされてない)
- 東のエデン