概要
鬼ヶ城とは、三重県熊野市にあった城。現在は景勝地として知られている。日本百景。
昭和10年に国の天然記念物に指定、昭和33年に獅子巌が追加指定されて名勝および天然記念物「熊野の鬼ケ城 附 獅子巖」となる。
平成16年には世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として登録された。
歴史
かつて紀伊国熊野の海を荒らしてまわる海賊・多娥丸(もしくは鬼の大将・金平鹿)が棲み着き、地元の人々を悩ませた。桓武天皇(もしくは平城天皇)の時代、鈴鹿山の鬼神魔王を討伐した坂上田村麻呂の元に紀伊の鬼を話が届いて討伐に向かうも、鬼は鬼の岩屋に閉じ籠った。しかし千手観音の加護を得た田村麻呂によって討伐された。
坂上田村麻呂伝説から鬼の岩屋と呼ばれていたが、熊野別当の出身とされる紀伊国熊野有馬氏の有馬忠親が山頂に城を築いて隠居したことから後に鬼ヶ城と呼ばれるようになる。紀伊国新宮堀内氏の堀内氏虎に攻めこまれると、和睦して氏虎の次男が有馬氏の養子となり、堀内氏が領地と共に鬼ヶ城を手に入れた。堀内氏は関ヶ原の戦いで没落している。