概要
スクウェア・エニックスから発売されたNintendo Switch用ソフト。
メインスタッフは『ブレイブリーデフォルト』シリーズのメンバーを中心に構成され、開発はアクワイアが担当。
2017年1月に『Project OCTOPATH TRAVELER』のプロジェクト名で発表され、同年9月に2018年発売予定の発表及び先行体験版が配信。
2018年3月に正式タイトルが『OCTOPATH TRAVELER』に決定、発売日も同年7月13日に決定。
同年6月に先行配信版でのユーザーの意見をフィードバックしたプレイ時間3時間限定の体験版が配信。
「伝統と革新の融合」を標榜し、グラフィックには既存のドット絵をベースに3Dのフィールドを共存させて奥行きを持たせた「HD-2D」を採用。バトルシステムはプレイスタイルの異なる8人の主人公による「ロールプレイ」、「コマンドブースト」「ブレイク」による戦略性をもたせた『サガ』シリーズを彷彿とさせるシステムとなっている。
タグは『オクトパストラベラー』が使用されている。
システム
フィールドコマンドと固有アクション
8人の主人公はそれぞれ異なるフィールドコマンドと固有アクションを持つ。
フィールドコマンドは使用すると住民や通行人等に対して干渉できる。
フィールドコマンドには大きく分けて「正道」と「邪道」があり、正道は必ず成功する(一部を除く)が、実行するには一定のレベルまたはお金が必要となる。一方、邪道は必ず実行できるが、失敗する恐れもある。失敗すると住民との関係が悪化し、フィールドコマンドが使えなくなってしまう。悪化した関係は酒場で一定の金額を支払えば修復できる。
フィールドコマンドのために街の人の細かいプロフィールが用意されている。モブである街の人が意外な経歴や特技を持っていたり、本編に登場した人物同士に意外なつながりがあったりする。
- 導く(オフィーリア)・誘惑(プリムロゼ) 街の人を仲間にする。「導く」は必ず成功するがレベルが低いと実行できない。「誘惑」は必ず実行できるが失敗する恐れもある。探し物をしている人を目的のものがある場所に連れて行ったり、その人を必要としている人に会わせたりできる。戦闘に参加させることもできる。
- 試合(オルベリク)・けしかける(ハンイット) 街の人に戦いを挑む。「試合」はレベルが低いと実行できない。正道コマンドで唯一失敗する恐れがあるが関係性は悪化しない。「けしかける」は必ず実行できるが「たたかう」「狩人の技」とバトルジョブのコマンドが使えない。悪人を懲らしめたり、入口をふさいでいる人を倒して家の中に入ったりできる。
- 聞き出す(アーフェン)・探る(サイラス) 街の人から様々な情報を得る。「聞き出す」は必ず成功するがレベルが低いと実行できない。「探る」は必ず実行できるが失敗する恐れもある。得た情報を必要としている人に伝えたり、隠されたアイテムを見つけたり、正道コマンドの必要レベルを下げたり、邪道コマンドの成功率を上げたりできる。なかにはどうでもいいような情報もある。
- 買取る(トレサ)・盗む(テリオン) 街の人が持っているアイテムを得る。「買取る」は正道コマンドで唯一レベルに関係なく実行できるがもちろんお金が必要となる。「盗む」は必ず実行できるが失敗する恐れもある。得たアイテムは通常のアイテムと同様に使える。必要としている人に渡したりもできる。
固有アクションは能力によって使用する場面が異なる。
戦闘
戦闘はターン制だが、行動はターン開始前に選択するのではなく行動順が来たときに個別に選択する。
敵のHPはすこぶる高い。通常攻撃で数百しかダメージを与えられないのにザコ敵のHPが数千もあるということは珍しくない。このため必然的に戦闘時間が長くなりがち。ザコ戦であっても油断はできない。さらにボスとなるとHPが10万を超えることもあるので苦戦するとかなりの長時間を要することになる。
コマンドブースト
戦闘において、BP(ブーストポイント)を消費する事でより強力な攻撃やコマンドの連続使用を可能とする。
BPはターンの開始毎に1蓄積され、最大値は5。BPを多く消費すれば技の性能が上がる。「たたかう」は威力は変わらないが攻撃回数が増える。ブーストを使用したターンの次のターンはBPが増えなくなってしまう為、使いどころを考える必要がある。BPを消費しなくても行動は可能。
ブレイブリーデフォルトにも似たようなシステムがあるが、あちらは行動回数を増やすものである点が異なる。
ブレイク
敵には弱点となる武器や属性と「シールドポイント」が設定されている。敵の弱点を1回突くと相手のシールドポイントが1減少、0になるとブレイク状態となる。この状態の敵は次のターンの終了まで行動不可となり防御力が大幅に減少する。このためダメージの大きさだけでなく攻撃回数も重要な要素となる。
ジョブ
各主人公毎に定められた「ベースジョブ」に加えて、ベースジョブの能力を失うことなくもうひとつ任意に変更できる「バトルジョブ」を身につけることができる。ただしバトルジョブを身につけても固有アクションは得られない。バトルジョブを得るためには特定の場所に行く必要がある。
バトルジョブは各主人公のベースジョブと同じもの8種に加え、特定の条件を満たす事で選べる上級職「武芸家」「魔術師」「星詠人」「ルーンマスター」の4種類の計12種類から選べる。バトルジョブに応じて戦闘ではキャラの見た目も変わる。
その他
本作に登場するパラメータ・アイテム・魔法などのネーミングは非常にシンプルなものが多い。
例えば「HP回復のブドウ」「毒の治療ハーブ」「回復魔法」「火炎魔法」「風よび」など機能をそのまま名前にしたものが多い。
世界
舞台となる大陸はオルステラと呼ばれている。フィールドや街などの配置はかなり規則的になっている。
8つの地方が内海を囲むように位置し、それぞれの地方には地形にちなんだ名前がつけられている。各地方は直接つながっていて内海の周りを一周することができる。各地域には3つずつ街がある。最も内海寄りの街が各主人公のスタート地点となり、大陸の外側に行くほど敵が強くなり店で扱う商品の性能も高くなる。
行ったことのある街にはワープできる。これを「ファストトラベル」という。
- フロストランド地方 雪と氷に覆われた地方
- フラットランド地方 丘陵地帯が広がる地方
- コーストランド地方 いくつもの半島や島が橋でつながれた地方
- ハイランド地方 山に囲まれた地方
- サンランド地方 砂漠が広がる地方
- リバーランド地方 長い川が流れている地方
- クリフランド地方 切り立った崖が多い地方
- ウッドランド地方 森に囲まれた地方
キャラクター
- オルベリク・アイゼンバーグ(CV:小西克幸)
ベースジョブ:剣士
フィールドコマンド:試合(正道)
固有アクション:防御ブースト 防御コマンドをブーストできる
「剛剣の騎士」と呼ばれたとある王国の剣士。
内乱での敗北により祖国と君主を失い、「バーグ」という偽名でハイランド地方の小さな村に身を寄せていたが、ある男の名を耳にして旅に出る事を決意する。
- プリムロゼ・エゼルアート(CV:桑島法子)
ベースジョブ:踊子
フィールドコマンド:誘惑(邪道)
固有アクション:加勢 仲間にした街の人を戦闘に参加させる。
サンランド地方で踊子に身をやつし亡父の仇を追う有力貴族の令嬢。ある日、仇の一人である「左腕にカラスの入れ墨をした男」を見つけ、彼の後を追って旅に出る。
- アーフェン・グリーングラス(CV:関智一)
ベースジョブ:薬師
フィールドコマンド:聞き出す(正道)
固有アクション:調合 薬草を調合して攻撃や回復をする。
リバーランド地方で薬師として働く青年。幼い頃に無償で自分を救ってくれた薬師に憧れ、大陸中の人々の命を救う事を志している。
ベースジョブ:盗賊
フィールドコマンド:盗む(邪道)
固有アクション:開錠
クリフランド地方に流れ着いた盗賊。神出鬼没さで貴族や富豪を恐れさせる存在であるが、その過去は謎に包まれている。潜入したとある貴族の屋敷で意外な展開が彼を待つ。
ベースジョブ:狩人
フィールドコマンド:けしかける(邪道)
固有アクション:捕獲
ウッドランド地方の村で一番の腕前と言われる狩人の女性。「赤目の魔物」を狩りに1年前に村を出たきり帰らない師匠を気にかけている。
- オフィーリア・クレメント(CV:茅野愛衣)
ベースジョブ:神官
フィールドコマンド:導く(正道)
固有アクション:加勢
フロストランド地方の聖火教会に仕える神官。親友にして義理の姉妹である少女に代わって、式年奉火の儀式の為の旅に出る。
- サイラス・オルブライト(CV:梅原裕一郎)
ベースジョブ:学者
フィールドコマンド:探る(邪道)
固有アクション:予習
フラットランド地方の王立学院に仕える学者。生徒からの人気は高いが気にする様子は無く、新しい知識を得ることが何よりの楽しみ。ある日、書庫から1冊の本が消えている事に気付く。
- トレサ・コルツォーネ(CV:青木瑠璃子)
ベースジョブ:商人
フィールドコマンド:買取る(正道)
固有アクション:歩いてリーフ
コーストランド地方で両親と共に万屋を営む商人の少女。自分が本当にやりたい事を探していたが、ある日、1冊の手記を手にする。
関連イラスト
外部リンク
公式サイト(※音量注意)