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北海道胆振東部地震の編集履歴

2019-05-02 00:42:19 バージョン

北海道胆振東部地震

ほっかいどういぶりとうぶじしん

北海道胆振東部地震とは、2018年(平成30年)9月6日に発生した地震。

平成30年(2018年)9月6日に胆振地方中東部を震源として発生した内陸直下型地震。


※この記事が最新情報を反映しているとは限りませんのでご注意ください。


概要

  • 平成30年(2018年)9月6日に北海道の胆振地方中東部を震源として発生したM6.7の内陸直下型地震。胆振地方中東部で震度7を記録した。

気象庁は『平成30年(2018年)北海道胆振東部地震』と命名した。

震度7の観測は北海道内では史上初である。死者数は下記の見出しの「被害や影響」を参照するといい。


本震

2018年(平成30年)9月6日の3時7分頃、胆振地方中東部を震源とする深さ37kmのMj(気象庁マグニチュード)6.7/Mw(モーメントマグニチュード)6.6の地震が発生し、北海道厚真町で震度7(計測震度6.5)を観測し、揺れは北海道全域に広がり、本州の関東地方まで到達した。当初は厚真町で最大震度6強とされていたが、のちに震度7と訂正された。

震度都道府県市町村
7北海道厚真町
6強北海道安平町 むかわ町
6弱北海道札幌市(東区) 千歳市 日高町 平取町
5強北海道札幌市(北区・清田区・白石区・手稲区) 苫小牧市 江別市 三笠市 千歳市 恵庭市 長沼町 新ひだか町 新冠町
5弱北海道札幌市(厚別区・豊平区・西区) 函館市 室蘭市 岩見沢市 登別市 伊達市 北広島市 石狩市 新篠津村 南幌町 由仁町 栗山町 白老町

※震度4以下は省略

※緊急地震速報「マグニチュード7.0 最大震度7」と予測し、発表しています。

※安平町、むかわ町、千歳市では局地的に震度7相当の揺れがあり、日高町、栗山町、苫小牧市では局地的に震度6強相当の揺れがあった可能性がある。実際に安平町のある観測点では計測震度6.7を観測していた。



地震のメカニズム

今回の地震は東北東-西南西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、内陸地殻内で発生した地震である。余震は最初に発生した震源地から南北方向に広がっている。


周辺には石狩低地東縁断層帯などが分布している。1982年(昭和57年)には内陸地殻内地震の浦河沖地震(M7.1)が発生している。また、本地震の震源がある胆振地方中東部では、2017年(平成29年)7月1日23時45分にも震源の深さ27kmで地震の規模がM5.1の地震が発生しており、最大震度5弱を安平町で観測している。


長周期地震動階級

北海道地方で最大の長周期地震動階級4を観測した。

長周期地震動を観測した地域は以下の通りである。

階級地方地域
4北海道石狩地方南部 胆振地方中東部
2北海道石狩地方北部 石狩地方中部 後志地方北部 石狩地方東部 空知地方南部 上川地方南部 十勝地方中部
1北海道渡島地方東部 檜山地方 後志地方西部 空知地方北部 空知地方中部 上川地方北部 上川地方中部 留萌地方中北部 留萌地方南部 北見地方 胆振地方西部 日高地方東部 根室地方中部
東北青森県津軽北部 青森県下北地方 宮城県北部

(出典:気象庁ホームページ長周期地震動より)


地震活動

3時7分頃に発生した地震以降、余震と思われる地震活動が続いており、最大で震度6弱を観測する地震も発生している。ここでは確認されたM5以上の地震を掲載している。


最大余震

本震の約5ヶ月後の2019年2月21日21時22分頃、震源は本震とほぼ同じく胆振地方中東部を震源とする深さ33kmのMj5.8/Mw5.5の地震が発生し、厚真町で震度6弱を観測した。揺れは北海道全域に広がり、本州の東北地方の北部まで到達した。気象庁は北海道胆振東部地震の一連の地震と見ている(気象庁は熊本地震の例もあるため、余震という言い方を控えている)。地震波検知から4.7秒後に緊急地震速報(警報)を発表。

震度都道府県市町村
6弱北海道厚真町
5強北海道安平町 むかわ町
5弱北海道札幌北区 札幌手稲区 千歳市 長沼町 平取町

※震度4以下は省略

※緊急地震速報「マグニチュード6.3 最大震度6強」と予測し、発表しています。



長周期地震動階級

北海道地方で長周期地震動階級2を観測した。

階級地方地域
2北海道胆振地方中東部
1北海道石狩地方北部 石狩地方南部 日高地方中部

(出典:気象庁ホームページ長周期地震動


その他の地震活動

  • 2018年
地震発生日時刻震源地規模(M)最大震度
9月6日3時7分胆振地方中東部(本震)M6.77
3時20分胆振地方中東部M5.54
6時11分胆振地方中東部M5.45弱
10月5日8時58分胆振地方中東部M5.25弱

  • 2019年
地震発生日時刻震源地規模(M)最大震度
2月21日21時22分胆振地方中東部M5.86弱

(出典:気象庁ホームページ関連情報より)


被害や影響

この地震で42人が死亡し、少なくとも750人以上が負傷した。

もっとも揺れの激しかった厚真町では大規模な地滑りが発生し、札幌市でも液状化現象により路面陥没などが頻発した。また、北海道内全ての火力発電所が緊急停止したため、道内の広範囲に停電が発生した。


千歳空港の建物も大きなダメージを受け、当面欠航となった。


電気

北海道全域(約295万戸)で大規模な停電が発生した。道内全域停電は1951年の北海道電力創設以来初の出来事である。道内完全復旧には1週間以上かかる。管内のほぼ全域で電力が止まるブラックアウトが起きるのは初めてだという。


この停電の原因は地震を検知したことで火力発電所が運転を停止し、結果需要と供給のバランスが崩れて周波数が安定しなくなり停電となったもの。特に道内の電力需要の半分以上を担う苫東厚真発電所が停止したことが大きく響いた。


政府は計画停電回避のため、20%の節電目標への協力を呼びかけている。北海道電力管内の10日1000台の節電率は、地震発生の前日の今月5日の同じ時間帯と比べて10.8%となっていた。


9月13日と14日は計画停電の予定はなくなり、その後、道内の各発電所の再稼働や本州からの電力融通、苫東厚真発電所の予定よりも早い再稼働決定により、安定した電力を送れるとして現在は道内の節電は解除されている。


停電による被害

停電による被害は農業などにも影響を及ぼした。

  • 搾乳ができない農場や保存されている生乳について冷却ができず損失。
  • 冷蔵庫に保存されていた栽培きのこについて冷却ができず廃棄する被害。
  • ばれいしょでん粉について、でん粉乳(中間生産物)を撹拌できず、固化及び腐敗し、廃棄する被害。
  • 市場に既に水揚げされていた魚や、既に解凍していた水産加工原料について、保冷ができずに廃棄する被害。

いずれも順次、再開している。


断水

北海道内の45市町村では一時期、最大で約6万8000戸以上が断水したが、水道管や浄水場の破損によって約5000戸が断水した。

電力の復旧や水道管の復旧等により、10月9日までに全ての地域において断水が解消した。


本震の約5ヶ月後に発生した地震により、厚真町では100戸以上が断水した。


液状化現象

札幌市清田区を中心に液状化現象が観測され、交通網に打撃を与えている。

一部地域ではマンホールが1m近く迫り出すほどの地盤沈下を引き起こしている。


土砂災害

震源に接する厚真町では、山間部を中心に大規模な土砂崩れが観測され、一帯の山々の斜面が軒並み地滑りを起こして異様な光景を作り出した。

また山に接する町内の住宅地区で、生き埋めの被害が出ている。


農業用水用の厚真ダムでは9月6日、土砂崩れにより水路が埋没していることが確認され、農林水産大臣齋藤健は自衛隊の協力も含め今後の降雨によりダムが溢れることに対する対策を検討していることを語った。


本震の約5ヶ月後に発生した地震により、厚真町幌里地区で雪崩が確認されたが、人的被害や建物被害はなかった。


交通機関

鉄道

最大で4事業者26路線運転休止となったが、9月7日から徐々に運転を際か買いし、2018年末までに全線運転を再開した。

しかし、本震の約5ヶ月後に発生した地震により、JR北海道と札幌市交通局で、一部運休や運転見合わせが相次いだが、いずれも通常運行に戻っている。


道路

道内各地の一般道では道路の亀裂や路面が変形するなどの被害が相次ぐ。

地震発生直後、道央道・道東道・札樽道の一部区間で通行止めとなったが、6日17:05までに全て解除され、2018年末までには、北海道内すべての高速道路の地震による規制も含めて全て解除された。

しかし、本震の約5ヶ月後に発生した地震により、北海道内の高速道路は速度が50kmに制限されたり、通行止めとなったりしたが、全て解除された。現在は、地震による規制はない。


バス

8日は停電復旧・安全確認地域から順次運行を再開している。

7日も北海道内の都市間バスで運休継続している。路線バスについては停電復旧地域から順次運転再開予定も、時間等は未定である。

6日は、大規模停電による信号機停止等の状況から、全道で路線バス・都市間バス・空港連絡バスの大多数が運休となった。


航空

国内線の新千歳空港発着便は一部運航をしている。国際線は8日始発から再開。いずれもほぼ通常通り運航している。

7日:新千歳空港は国内線は12:00前から一部の便で運航再開した。国際線は終日欠航となった。

6日:新千歳空港は震度6弱を観測するも滑走路に異常はなかったが、旅客の安全を確保することができないため、ターミナルビルを終日閉館した。ターミナルビル内において漏スプリンクラーの配管破損による漏水など、施設不具合が発生した。

鉄道及びアクセスバスは運行見合わせとなった。


本震の約5ヶ月後に発生した地震により、新千歳空港の滑走路は一時的に閉鎖されたが、1本での運用を21時50分に再開した。


水運

函館、苫小牧、室蘭などを結ぶ5航路について平常運航している(停電でも非常用発電等で対応)


芸能

芸能活動にも影響し、中止が相次いだ。

  • 劇団四季が9月6日、7日ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』北海道四季劇場公演を中中止。
  • コーラスグループFORESTAは9月6日の札幌市での公演を中止。
  • 堂島孝平、吉田山田が9月7日札幌公演をいずれも中止。9月8日、9日予定の登坂広臣のソロツアー北海道公演が中止。
  • 女王蜂が9月9日札幌市PENNY LANE 24でのワンマンライブを中止。
  • 9月9日『ラブライブ!サンシャイン!!』Aqours『ユニット対抗全国ツアー』札幌公演(ニトリ文化ホール)が2公演とも中止。

他にもスポーツ界などに中止や延期が相次いで発生した。


避難情報

2019年1月28日現在、避難指示と避難勧告等がでている地域は以下の通りである。

都道府県市町村など
避難指示北海道安平町(29世帯49人)
避難勧告北海道安平町(11世帯17人)

行政

胆振東部消防組合消防本部では、地震後に通信機材が被害を受け、119番通報が受信できない状態となった。警察からの転送や、職員が巡回するなどし被害の把握にあたった。 総務省消防庁では、消防庁長官の求めにより東京消防庁・横浜市消防局・川崎市消防局の緊急消防援助隊(航空小隊)、東北地方各県の防災ヘリ、統合機動部隊が出動、現地で救助活動を実施した。 東京消防庁は、エアハイパーレスキューを派遣した。一方で警視庁は、特殊救助部隊9名と警備犬1頭が出動。


支援したい人へ

他の大規模災害と同様、各所の公式発表をみて冷静に対処し、支援物資を安易に送ったりしないこと。

義援金受付体制が整うまで静観した方がマシである。


今回は停電が大規模に発生しているため、知人友人にSNSやメールで連絡をしつこく取ろうとするのは無駄に相手のスマホ充電を減らす元になり非常に迷惑である。

ネット上のみの知り合いならなおさらで、SNSでしつこくリプを送るのもやめよう。

心配なのはわかるが、相手からの連絡と停電からの復旧を待とう。


交通網がある程度復活してきたとはいえ県外からのアクセスはまだすんなりとはいかない。迷惑をかけず支援する方法はやはり「間違いのない先への現金もしくはそれに准ずるものでの寄付」「被害地域企業の製品購入」に限る。



関連タグ

地震 災害 停電 震災 ブラックアウト


震度7を観測した地震

兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災):1995年(平成7年)1月17日5時46分頃に淡路島付近を震源として発生した地震。『20世紀に発生した戦後最悪の震災』となり、観測史上初の震度7を記録した。死者・行方不明者数は6437人

新潟県中越地震: 2004年(平成16年)10月23日 17時56分頃に新潟県中越地方を震源として発生した地震。阪神・淡路大震災以来9年ぶりに震度7を観測した。死者数は68人。

東北地方太平洋沖地震東日本大震災):2011年(平成23年)3月11日14時46分頃に三陸沖を震源として発生した地震。『戦後最悪の震災』となり、日本の観測史上最大規模の地震となった。死者・行方不明者数は約2万2000人

平成28年熊本地震:2016年(平成28年)4月14日21時26分頃と4月16日1時25分頃にどちらも熊本県熊本地方を震源として発生した地震。国内観測史上初めて震度7を2回記録し、地震の回数も内陸直下型の中では歴代最多である。死者数は272人


外部リンク

平成30年北海道胆振東部地震(気象庁) 平成 30 年北海道胆振東部地震の評価 平成30年北海道胆振東部地震に係る被害状況等について 北海道胆振東部地震 - Wikipedia ブラックアウト(経済産業省)


激甚災害:地震や風雨などの大規模災害のうち、被災地域や被災者に助成や財政援助を特に必要とするもの。

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