東日本大震災時のものが記憶に新しいが決して日本独自のものというわけでは全くなく、例えばミャンマーなどは慢性的な電力不足から日ごろから計画停電を行っている。
東日本大震災時の計画停電
2011年3月11日の東日本大震災の際に福島第一原発の事故をはじめとして多くの発電所が被災し電力不足となったことから、特定の地区をグループに分け、そのグループのどこかを計画的に停電させた。
なお、全く計画停電のグループに入らなかった地域も存在する。
東京電力管内
初日に静岡県と茨城県の1グループのみで実施された。しかしこのグループに津波で壊滅状態の鹿行地域が含まれていた。「ただでさえ参っている津波被災地に追い打ちをかけるのか!」と、たちまちネットで大炎上。その日のうちに茨城県の橋本昌知事から東電に抗議が入った。東電は茨城県全域を計画停電の予定から外した。
しかし、以降計画停電が実施されることはなかった。
東北電力管内
原発のみならず火力発電所までもが多数、甚大な破壊に晒された東北電力管内ではさらに深刻な電力不足が予想され、3月16日以降計画停電の実施を計画、発表していた。
東北電力は停電を回避するため、ギリギリの調整を続けた。北海道電力や北陸電力、関西電力からの受電が計画された。だが北海道電力は青函トンネル内のケーブルは漏電防止の為直流送電となっており、他の非被災地区の電力会社はいずれも60Hz地区。このため電力の融通には限界があった。
だが東北電力はここで二度目の奇跡を得る。内陸部でまとまった降雨があり稼働中の水力発電所の発電量の増加が見込まれたのである。
さらに3月14日、被災で停止していた宮城県内の三居沢発電所(水力)が営業発電再開にこぎつけた。
これにより東北電力管内の計画停電は回避された。
キーパーソンであるこの三居沢発電所、現存する日本最古の発電所として以前から有名だった。
津波と震災によって打ちひしがれていた東北沿岸民を計画停電という追い打ちから救ったのは、「未来の炎」と呼ばれた原発などではなく、日本最古のちっぽけな発電所だったのである。