概要
作品解説
前作である十二大戦のアニメ化に伴い執筆された。お馴染みの十二戦士に加え、新たに十二星座の戦犯が登場する。
以下、本編のネタバレを含むためご注意下さい。
登場人物
フレンド・シープ
本名メーランド・シェリー。命名はおそらく「フレンドシップ(friendship)」からと思われる。名乗りは『数えて殺す』。「牡羊」の戦犯であり、催眠術を使って相手を眠らせることができる。素早さは戦犯トップクラスで、不意打ちとはいえ、丑の戦士と卯の戦士を一瞬で亡きものにするほどの実力。
ルック・ミー
本名ルーク・ミッシェル。「牡牛」の戦犯で名乗りは『誓って殺す』。身長185cmの大柄な体躯に純白のウェディングドレスを纏う。巨漢で知られる午の戦士を単身で戦闘不能にするなど、かなりの技量の持ち主であることが垣間見える。手にはウェディングケーキを切るナイフと、赤ちゃんをあやすラトルを持っている。
ダブル・マインド
本名姉-W2222 弟-M2222。二卵性双生児の姉弟で「双子」の戦犯。実験体として生まれたため、その際の認識番号と思われる。欲しいものは『選択肢』で、肩書は『選択の余地なく殺す』。姉はクロスボウ、弟はウォーハンマーを武器としているが、精神感応を利用し所有する空母および原子力潜水艦を思うままに繰ることができる。
サー・カンサー
本名シーザー・カエサル。「蟹」の戦犯。元々は砂粒のように戦争を調停する平和主義者だったが、ぎりぎりアウトな交渉を数多く行ってきたために内通罪の容疑で戦犯となる。それにより不名誉を被ったためか、欲しいものは『名誉』だと明言している。『紳士的に殺す』の名乗り通り、常に慇懃な口調で話す。
ダンディ・ライオン
本名同じ。十二戦犯のリーダー格であり、「キング」と呼び慕われているようである。「獅子」の戦犯らしく無骨で剛胆な性格は、カリスマと腕っぷしだけで国のトップにまで成り上がるという経歴からもうかがえる。天文学に傾倒するなど意外に繊細な一面もある。
アイアン・メイ
本名アンディ・マルアル。「乙女」の魔法少女──じゃなく戦犯で、名乗りは『仕えて殺す』。見た目は可愛い金髪ツインテメイド、だが男の娘である。キャラデザ担当の中村先生いわく、男の子とわかるように服の前を全開にしたとか。祖母から貰った箒(通販で買ったらしい)で空を滑空する。
バロン・スー
本名アーロン・スミス。「天秤」の戦犯で名乗りは『間を取って殺す』。某歌劇団のような豪奢な身なりをした男装の麗人である。断罪兄弟とは旧知の仲で、戦犯への勧誘さえ行った。裁判官から罷免されたものの、自らの矜持のために分銅を武器にしているが、正直なところ失敗だったと思っているらしい。許しじゃなくて重しだし。
ウンスン・サジタリ
本名臼杵指足(うすきさしたり)。「射手」の戦犯で、袴に和弓を携えたいかにも弓道部ふうの格好をしている。名乗りは『狙い澄まして殺す』。島の端から断罪兄弟を射殺するなど、腕前はかなりのものである。見た目に反して和食全般が苦手。
ゴー・トゥー・ヘヴン
本名梧桐(ごとう)ヴァルキリー。「山羊」の戦犯で名乗りは『病的に殺す』。車椅子に乗った病弱で色白の少女であるが、胎児の頃に地雷によって身体が四散。倫理観の欠けた医療行為により命をとりとめるが、無意識の恐怖から地面を歩くことを拒否し、車椅子で生活している。
マペット・ボトル
本名トーマス・T・トールズ。名前は「ペットボトル」の語呂合わせと思われる。「水瓶」の戦犯で『ウェットに殺す』の名乗り通り、ウェットに富んだ丁寧な話し方をする。液体を自在に操る能力を持ち、人間の血液を蒸発させることすら可能。
ドクター・フィニッシュ
本名ノクターン不二。「魚」の戦犯で、名乗りは『生かして殺す』。免許なしで医療行為や人体実験を行ったために戦犯として追われる身になる。年齢を理由に軽んじられるのを嫌い、大人びたメイクを心がけている。ゴー・トゥー・ヘヴン同様、怒突の商品だった時期がある。
『十二大戦対十二大戦』予告編 大戦前夜
ジャンプSQ(2017年11月特大号)の特別付録「十二大戦プロジェクトBOOK」に収録された書き下ろし短編小説。
砂粒と異能肉にスポットが当たっており、十二大戦では見られなかったふたりの関係性を知ることができる。第12回十二大戦の乗っ取りを目論む犯罪人ら「十二戦犯」との対戦前夜を描いたものとなっている(が、実際の十二大戦対十二大戦とは多少食い違う部分もある)。