概要
富野由悠季監督作品。
全体に明るいコメディタッチの雰囲気を持っており、白富野の代表作として知られている。これは宮崎駿の代表作未来少年コナンを目標にしていたためでもある。
また、近年では当たり前になった『主役メカの交代劇』の嚆矢となったのはこの作品である。
(実はほぼ同時期に『逆転イッパツマン』でもやっている、と言うか人型にこだわらなければ『ヤッターマン』からやっている(『タイムボカン』は主役メカ交代と言うにはちょっと微妙))
それまでの富野作品・・・というよりロボットアニメとはかけ離れた世界観とそれにマッチした泥臭くも逞しいキャラクターたちが織りなす群像活劇であり、後のOVERMANキングゲイナーにも通ずる”支配からの脱出”をテーマにした作品である。
作品に華を添えるマシン、ウォーカーギャリアもバンダイからプラモデルで発売されたが、劇中の描写以上にリアルな味付けをされた珍しい内容でこれまたファンからは喜ばれた。
決して知名度は高くないが、富野監督によって練り上げられた世界観と説得力のある設定、そして生きる活力に満ちたキャラクターたちの希望あふれる活躍から根強い人気を誇る隠れた名作である。
ストーリー
「いかなる犯罪も3日逃げ切れば免罪」という不文律のまかり通る惑星ゾラ。
主人公ジロン・アモスはこの掟に抗い、両親を殺したブレーカー・ティンプ・シャローンを3日を越えて追い続ける。
ジロンの掟を無視した行動の数々は、やがて惑星ゾラを支配する者への抵抗へと移り変わり・・・・
用語集
三日の掟
惑星ゾラを支配する鉄の不文律。窃盗・詐欺・殺人・・・ありとあらゆる犯罪も三日逃げ切れば許されるという掟である。逆に三日以内なら被害者はどんな報復をしてもいいのである。法律でも何でもないのだが、惑星ゾラに生きる人々にとっては絶対の掟であり、掟を破る者は奇人変人扱いである。この三日の掟は人々の精神文化にも深く影響を与えており、登場人物たちの行動にも説得力を与えている。
実はこの”三日の掟”はイノセントがシビリアンに法律と言うものを教えるために課したものである。
シビリアン
惑星ゾラの荒野に生きる人々。イノセントによって支配・社会実験の対象にされている。全体的に思考が短絡的で移り気な者が多い。
実はイノセントによってゾラの環境に適応できる新人類として生み出された存在。
イノセント
かつて惑星ゾラを本当の意味で支配していた旧人類。かつては宇宙に進出していたが、ゾラの環境が異常気象で激変し、危険な病原菌が蔓延するようになってからは衛生環境を保ったドームに閉じこもって生活するようになり、一歩でも外気に触れれば忽ち衰弱し、数ヵ月で死に至る。
シビリアンに代表される新人類を多数生み出し、自立した存在になれるようテストを繰り返していた。しかし、イノセントの中にもシビリアンを自立させたくない勢力が台頭してきている。
惑星ゾラ
どっかで見たことがある惑星。果てしない荒野が広がる不毛の惑星で、泥水のような海マッドシーが広がっている。シビリアンたち新人類が闊歩するようになってから多少環境が改善されているようだ。
ウォーカーマシン
イノセントがシビリアンに与えている重機のようなロボット。ガソリン燃料で動き、操縦もMT車のようなハンドル操作で行う。シビリアンの技術力では製造できず、せいぜい修理するのがやっとである。
元々はブルーストーンを掘るための作業メカとして開発されたのだが、ブルーストーンを巡っての争いも絶えないことから戦闘メカとして作られたものもある。
操縦者は、ブルーストーンの採掘を生業とする「ロックマン」、戦闘や護衛を請け負う「ブレーカー」が主である(その雇い主の商人である「運び屋」が自ら使用する事もある)。
ブルーストーン
この世界の貨幣代わりとなる青い鉱石。ロックマンが掘ったブルーストーンを交易商人がイノセントに渡すことでウォーカーマシン等と交換できることになっている。
元々はイノセントの祖先が地表や地下に充満した汚染物質を吸着させる為に大量散布した物で、それ自体に価値はなく、只の石ころと一緒である。ブルーストーン経済は、イノセントがシビリアンに貨幣経済を覚えさせるために考えた教育システムなのである。
関連イラスト
キャラクター
ティンプ・シャローン(CV:田中崇(現・銀河万丈)
メカニック
関連タグ
ザブングルグラフィティ(劇場作品)