概要
トチローとは松本零士の作品に登場するメガネとサルマタの怪人物である。
キャプテンハーロックと同様、松本作品における男の中の男の典型像としてたびたび登場している。
作品によってはすでに故人である事も多いが、それでも尚、圧倒的な存在感でもって読者を魅了する名バイプレイヤーである。
しかし、ハーロックと初コンビを組んだ作品『ガンフロンティア』では、開拓時代のアメリカ西部を舞台にトチローが主役を務めている。
人物像
ド近眼で小柄な東洋人。鍔広のカウボーイハットを被り、ボロボロのマントを羽織った姿で登場する事が多い。
それに加え、近代以降が舞台の作品では天才科学者という属性が加わる。
『宇宙海賊キャプテンハーロック』・『クイーン・エメラルダス』・『銀河鉄道999』
松本SFと呼ばれる一連のスペースオペラに登場する場合は、本名を大山敏郎といい、宇宙海賊のハーロックの親友であり同志だった。
またエメラルダスと恋人同士であり、作品によっては2人の間に娘の大山まゆや、息子の大山昇太が存在している。
尚、松本作品に置ける大山姓の人物は同じ一族とされ、『男おいどん』の大山昇太もまたトチローの祖先の一人と定義されている。
時系列的に一番新しい時代である銀河鉄道999では、すでに故人となっている。
しかし、死の間際に精神をアルカディア号のメインコンピューターに移植した。
これは劇場版999第一作の際に設定され、後に原作エターナル編にも反映された。
後にアルカディア号のメインコンピューターには『夢幻心母』の名が与えられ設定も一新されているが、基本的なところは変わらない。
(詳しくはアルカディア号参照)
最新作である「キャプテンハーロック-次元航海」においてはさらに設定が整理された結果、エメラルダスとの間に長女の大山まゆと長男の大山昇太(のぼった)がおり、長女のまゆが冒険家としての気質を引き継ぎ、昇太が技術者としての資質を引き継いでいる事が語られている。
戦士の銃
トチローは999の主人公星野鉄郎の愛銃である戦士の銃(コスモドラグーン)の製作者でもある。
4ないし5丁のみ製作された伝説の銃で、トチロー本人、ハーロック、エメラルダス、鉄郎がそれぞれ所持している。
されどメインウェポンとして扱っているのは鉄郎とハンマー・レドリルのみで、ハーロック、エメラルダスはビームライフル内蔵のサーベルガンを使うことが多い。
トチロー自身も射撃が苦手で、曰く「指が短いせい」。おそらく引金に指をしっかり掛ける事が出来ず、射撃時にブレが生じるためと思われる。また視力が悪い(ガンフロンティアでは「35センチ以上向こうははっきり見えない」と発言している)ことも射撃に影響を与えていると考えられる。
先述の様に、本人が特意とするのは刀剣類で日本刀を好んで用いる。
なお、レドリルが手にするコスモドラグーンは、シリアルナンバーが鉄郎と同じで、かつフレームに鉄郎の知らない傷がある。つまり同一の銃が何らかの理由で鉄郎の手を離れ、時を得てレドリルの手に渡ったものである。
登場作品