概要
劇場版『銀河鉄道999』旧2部作の前日譚となる作品。ハーロックII世のエピソードは『戦場まんがシリーズ』(後の『ザ・コクピット』)の同名タイトルを原作としており、トチローとハーロックの縁の始まりともなっている。
ハーロックの若い時代(青春時代)を描き、テレビ版「宇宙海賊キャプテンハーロック(対マゾーン戦)」への橋渡しにもなる予定であった。
あらすじ
ハーロック一族は海賊騎士の末裔であり、空を制しようとする航空探検家だった。第一次大戦終結後、ファントム・F・ハーロックI世はまだ未熟な複葉機の時代、人類未踏の高嶺であった「スタンレーの魔女」ことオーエンスタンレー山脈の峰に挑んでいく。
その複葉機につけられた名前こそアルカディア号だった。
わずかに時は流れ第二次世界大戦末期。ファントム・F・ハーロックII世はすでに勝ち目のないドイツの中にあって、Bf109を駆り誇り高く戦っていた。ある時、潜水艦でやってきた同盟国日本の技術者大山敏郎と出会う。
そして迫る連合軍。ハーロックII世最後の飛行は敏郎をスイスへ逃がすための亡命飛行となった。
ときは大きく流れて宇宙開拓時代。外宇宙へと進出した地球人だったが、イルミダス星人との戦いに敗れ、地球はその支配下に置かれてしまうことになった。
そんな中、一族の末裔にして誇り高き海賊であるハーロックは、大山家の末裔である大山トチローと出会い、彼が秘密裏に建造したアルカディア号に乗り込み、地球を離れ自由を取り戻す旅に出るのだった。
登場人物
序盤では両目の揃ったハーロックが登場。恋人を守るために片目を失い、恋人から託された海賊印のコスチュームを身につけていく顛末が語られる。
- マーヤ
- ゾル
母星アロザウルス星をイルミダスによって失い、今ではイルミダスの事務官として働いていた。イルミダスの方針転換によりトカーガ星を消滅させるという情報をハーロックとゾルに密告し、以後はハーロックと行動を共にする。
- イルミダス軍
評価
ハーロックの先祖、ファントム・F・ハーロックI世(出番はアバンタイトルのモノローグだけ)の声優として石原裕次郎を莫大な出演料で招くと大々的に宣伝され、声優業界の神経を逆撫でした。
しかし本作は『999』と比べても興行収入は振るわなかった。
劇場版に向けて有名タレントを声優に招いて、むしろ逆効果になってしまう現象の先駆けとも言える。
イルミダスの傀儡政権から、地球追放命令を受けたハーロック、トチロー、エメラルダスの3名が宇宙へ旅立つ所で映画は終了する。
その後の展開は、続編として『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』としてテレビシリーズ化されるのだが、劇場版の興業不振を受けて、より低年齢層向けにわかりやすい勧善懲悪のヒーロー性が強調された為、ハーロックのイメージを損なってしまい評判は良くなかった。