解説
『宇宙海賊キャプテンハーロック』及び松本零児のSF作品に登場する、主人公キャプテンハーロックの乗艦。
全長400mの大型の宇宙戦艦で、実は同作者の『宇宙戦艦ヤマト』よりも大きい。
メインコンピュータである「夢幻心母」には、ハーロックの亡き親友にして艦の設計者トチローの意思と魂が宿っている。(最初のアニメではそのものズバリ、その脳を部品として使っているという設定だった)
元々「夢幻心母」は、建造時に予定していた「生涯をかけた冒険航海」の際に、トチローとハーロックのどちらか先に死んだ方の魂を宿らせ、二人とも死ぬまで航海を続けることを目的として搭載されたのだとか。
『宇宙海賊キャプテンハーロック』を初めとする初期作品とアニメ映画『銀河鉄道999』以降の作品ではデザインが異なっており、映画用に宮武一貴が最終デザインを手がけた髑髏の艦首がシンボルのアルカディア号が有名。
一方、初期の『宇宙海賊キャプテンハーロック』版の鋭角的かつ艦首に収納式の衝角を持つデザインもかなり印象的。
どちらのものも、船体側面後部から生えた航空機のような翼と艦尾に設えられたガレオン船の様な構造物を持ち、艦首以上にこれがアルカディア号の最大の特徴といえる。
現在の公式設定では「ニーベルングの指輪」の時点でアルカディア号は9号艦まで存在し、ハーロック一味は用途に応じて乗り換えているらしく、よく登場するのは3号艦である。
現在の主流である髑髏エンブレムのモノも初期の衝角+鋭角的な艦首のモノも同じくアルカディア号とのこと。トチロー曰く「番号が大きくなるにつれ巨大化の一途をたどっている」らしい。
ただし、作品発表時期によっては初期型がデスシャドウ号として登場する作品もある(コスモウォーリアー零など)。その場合、アルカディア号の実験艦という設定が盛り込まれている。
ちなみにデスシャドウ号自体、これとは別に形状が異なる戦艦がもう一隻存在している。
CGアニメ版『キャプテンハーロック』ではデスシャドウ級の4番艦と言う設定となっている。
なお、映画『わが青春のアルカディア』において、ハーロック一族がその生命を託す機体に名付けられる伝統的な名称が『アルカディア号』という設定が語られた。
そもそも『わが青春のアルカディア』とは、同作者が第二次世界大戦を舞台に描いた『戦場まんがシリーズ』の中の一編であり、件の映画でもその内容が語られている、そして当時から家宝として受け継がれていた旧式の照準器が映画本編での勝利の鍵となった。