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フィンランド語の編集履歴

2019-07-05 18:54:33 バージョン

フィンランド語

ふぃんらんどご

フィンランド語(Suomen kieli / Suomi)とは、フィンランド人の母語である。

概要

フィンランド語(スオミ語)は、フィンランド共和国の公用語のひとつ(ほかにスウェーデン語)。主に同国の多数派を占めるスオミ人が使用し、話者人口は約600万人。話者の93%はフィンランド国内に在住し、国外の使用者は第二次世界大戦冬戦争継続戦争)までフィンランド領であったロシア連邦カレリア共和国に多い。

ヨーロッパに多いインド・ヨーロッパ系言語ではなく、東欧からシベリアにかけて分布するウラル語族のうち、フィン・ウゴル語派に属する。フィンランド語に近い系統の言語としてはエストニア語サーミ語カレリア語などがある。また、マジャル語もまた同じフィン・ウゴル語派に属するが、こちらは若干離れたウゴル諸語の言葉である。

このため文法、発音ともにヨーロッパ系の言語とはかけ離れており(どちらかと言えば地理的には話者領域が大きく離れているはずの日本語の方が似ている)、欧米では世界有数の難解な言語とも呼ばれ、日本語と並び外国人が習得することは困難を極めると言われる。


文字と発音

表記こそ一般的なラテン文字(アーッコセット)であるが、正書法ではA~Zの26文字(ただしB・C・F・Q・W・X・Zはほとんど使用されない)にÄ、Öを加えた全28文字が使われる。また、この他に外来語用の文字としてシャ行を表すŠが使用される事もある(sあるいはshで書かれる事も多い)。


発音は特徴的で、日本語のように母音が多い言語である。母音を並べるとのばす音(長音)、子音を並べるとつまる音(促音)になるが、これは日本語とフィンランド語に特徴的な発音である。

例えばフィンランド語では kuka(誰)と kukka(花)では意味が変わってしまうわけだが、非フィンランド語話者には使い分けは困難であるという。

尚、特殊文字が表記できないワープロソフトの場合、ドイツ語スウェーデン語では、"ä"を"ae"と表記する事もあるが、スオミ語においては"ää"のように連続して同じ母音が使用されることがあるのでこのような措置は採られず、"aa"と表記して、単語や母音調和で読む時に判断するそうである。


kutsu(呼ぶ)、rouva(既婚女性への敬称)、kulma(角)、kani(ウサギ)のように、日本語の単語と同じ音で全く別のものを指す場合が非常に多く、空耳のネタにされることが多い。


ただし日本語にはない(古代日本語にはあったという説もあるが)母音調和という現象(後述)があるほか、以下のように日本語にはない音もいくつかある。

  • 母音

"u" は、日本語の「う」よりももっと唇を円くして、尖らせて発音する。

"y" は、"i" の舌の位置のまま、唇の形を "u" にして発音する。

"ö" は、"e" の舌の位置のまま、唇の形を "o" にして発音する。

日本語の「あ」は "ä" と "a" の区別をしていないものなので注意が必要である。"ä" は、唇を若干横長にした「あ」である。それに対し、"a" は、アメリカ英語の "hot" の "o" に近く、唇を縦長に大きく開け、さらに舌面を下方に押し下げて「あ」と発音する。

  • 子音

スオミ語の子音文字の発音は、おおむねそれと同じ字形の国際音声字母の示す音を表す。

"-nk-" は [ŋk] 、"-ng-" は [ŋŋ] と発音される。

"ts" は必ず語中に現れ、[tʦ] と発音される([ʦ] とはならないことに注意)。

"š" は外来語にのみ使用され、[ʃ] の音を表す。しかし外来音であるために [s] で発音されることが多く、また表記にも反映され、"sh" または "s" で書き換えられることも多い。

"j" はドイツ語スウェーデン語などと同じく、日本語の「や行」の子音 [j] をあらわす。英語の「ヂュ」やフランス語の「ジュ」の子音のような発音は基本的にはしない。

"r" は巻き舌での発音。

スオミ語の子音について特徴的なこととして、-tt-, -ll-, -mm- など、同じ子音を重ねた重子音が多く使われることが挙げられる。


文法

  • 名詞の曲用母音調和

フィンランド語は名詞や形容詞の格変化曲用)が大変豊富な言語である。格変化とは、例えば日本語で「家」という語に「家で」、「家から」、「家へ」などと助詞を付けるのと同じように、格語尾と呼ばれるものを単語の後ろに付けることだと考えられる。フィンランド語の場合、名詞の格は15通り存在する。

これに関連して、発音の節で触れた母音調和という現象にも触れておく。母音調和とは、あるグループの母音と別のグループの母音は同じ語の中に現れることが出来ないという法則である。例えば Ä と A は別のグループに属するので、スオミ語には tämä(これ)という単語はあるが、tamä という単語は存在しない。また子音階程交替とは、名詞や動詞が変化する時に単語の中の k・t・p という3つの文字の関連する音が変化をする現象である。

  • 動詞の活用

スオミ語では動詞の後に主語を表す人称語尾が付く。動詞の形としては現在形、現在完了形、過去形、過去完了形、条件法現在形、条件法完了形、可能法現在形、可能法完了形に1~3人称までの単数・複数で6個ずつ形が存在する。その他受動態現在、受動態過去、受動態現在完了、受動態過去完了、受動態の条件法現在、受動態の条件法完了、受動態の可能法現在、受動態の可能法完了、命令形、第一不定詞長形、第二不定詞、第三不定詞、第四不定詞、現在分詞、過去分詞、行為者分詞、動名詞があり、英語のbe動詞に当たるolen, olet, on,などとの組み合わせも一つの形として数えた場合、全て併せると1つの動詞に100以上の変化形があることになる。


関連タグ

言語 ウラル語族 フィン・ウゴル語派 フィンランド

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