魔術とは、意志に応じて変化を起こす〈科学〉にして〈業〉である
────────アレイスター=クロウリー「魔術-理論と実践」(新約22巻で引用)
神秘主義と近代科学
一般に神秘の世界と科学は相反すると認識されがちだが、近代科学と主たるヘルメス学などは、共にヘルメス・トリスメギストスという共通のルーツを持つという事実がある。
エメラルド・タブレット文書に連なるヘルメス学は、本作に於いても〈黄金の夜明け〉魔術体系の一つの下地となり、一方の近代科学は〈賢者の石〉の生成過程で生まれた副産物に過ぎない。
とあるシリーズでも途中までは現実とほぼ同じ歴史を辿っていたが、史実では死亡した「ある魔術師の生存」により、以降は大幅に異なる歴史を歩む。
魔術を憎む「たった一人の邪悪」により、
世界は以上の二つに“明確に”分断された。
テレマ神秘主義
〈法の書〉の執筆 - リリスの死去
※「アレイスター=クロウリー」「学園都市(とある魔術の禁書目録)」を参照。
第2のテレマ僧院〈学園都市〉
学園都市を総本山とする、魔術サイドの対の勢力。
主人公の上条当麻、一方通行、浜面仕上もこの科学サイドの人間である。
その正体は、魔術師アレイスター=クロウリーが提唱したテレマという神秘思想(宗教)。
正確に言うとクロウリーがイタリアのシチリア島に作った「テレマ僧院」を科学という形に偽装し、それが今日の日に科学サイドと呼ばれる枠組みまで発展したもの。
実質的な科学サイドの一大拠点「学園都市」は形を変えた「テレマ僧院」とされており、クロウリーの作った科学に属する全てがテレマのカモフラージュに過ぎなかった。
つまり、現実的には近代魔術サイドに分類されるべき新興宗教の形を変えた姿。現実世界におけるテレマ思想はクロウリーの没後から現代に至るまで続いているが、禁書では創始者のクロウリーが魔術を憎んで生き長らえていたら…というif・創作設定のもとに成立している。
原型制御
実は科学サイド、魔術サイド等という枠組みは自然的に発生したものではない。
これらは魔術を憎悪するクロウリーが、「原型制御」というパラダイムシフトを起こす技術を使い、魔術に対抗する枠組みとして明確に線引かれている。
元々、世界は統一した理論で説明できていたのだが、まさにたった一人の邪悪によって強制的に科学(超能力)と魔術に隔てられたのが、現在のとあるシリーズの世界観となる。
【元ネタ】クロウリーの魔術定義
「魔術とは意志に応じて変化せしめる《科学》にして《業》である」
この言葉に代表される様に、クロウリーの魔術観では「魔術師の全ての意図的な行動・意志こそが魔術的行為」として考えられた。
クロウリーは自身が定義・実践するテレマ系の魔術に「magick」という綴りを与え、従来の洗練されていない古式魔術と区別している。
(ちなみにmagickという単語は、禁書でも第7巻/法の書編にて地味に登場する)
そして新約22巻において、まさにこのクロウリーの魔術定義が引用されている。
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とある魔術の禁書目録 とある科学の超電磁砲 とある科学の一方通行