概要
JR北海道がキハ281系の発展形として開発した特急形気動車。曲線通過性能をさらに向上させており、曲線通過可能速度はキハ281系よりも10km/h向上し、本則+40km/hとなっている。当初は「スーパーおおぞら」として運行していたが、「スーパー北斗」や「スーパーとかち」の一部としても運行されていた。
キハ281系と併結することも可能で、かつては「スーパー北斗」の増結車としてその機能を生かされていた。このとき性能はキハ281系に合わせられる。
キハ281系からの変更点
台車
振り子装置が付いていることは同じであるが、キハ281系がヨーダンパー付ボルスタレス台車であったのに対し、曲線通過速度を上げつつ線路にかかる負担を軽減するため旋回性能に優れる枕梁台車(※1)とし、更に自己操舵機構が装備されている。また、振り子装置もキハ281系の傾斜角5度から1度大きく傾斜するようになり6度となっている。
※1・・・ボルスタレス台車の場合、牽引力・推進力を伝達する構成要素の少なさが高速走行に有利だが、急な曲線では台車の旋回を枕バネのたわみに頼っていることが足枷になってしまう。国内在来線の場合、一般に半径400m以下のカーブから不利になるといわれている。
変速機
キハ281系が変速1段直結3段だったのに対し、直結段が1段増え変速1段直結4段となっている。ちなみに両方とも液体式であることは同じ。
前照灯
配属区間は霧が多いため、前照灯を増設し増設分はHIDランプ(※2)となっている。
※2・・・放電灯の一種。一般的な高圧水銀灯と異なり、消灯後にまだ熱を持った状態でも再点灯可能。
ブレーキ
指令装置の進歩により踏面ブレーキ、機関ブレーキ、排気ブレーキ併用から踏面ブレーキ、排気ブレーキ併用に変更。
空調装置
低重心化の為、空調装置を床下に装荷してある。また、機関廃熱による暖房を廃したことと、空調装置がキハ281系では機関直結だったものがキハ283系では電気式となっているため、油圧モーター駆動の発電機が設置されている。
高性能車であるが故の悲劇
製造価格、維持費が高いことと、製造業者である富士重工業(現SUBARU)が撤退してしまったため、2001(平成13)年以降製造されていない。更に2011(平成23)年に起こった火災事故で6両全焼したことにより、予備編成が足りなくなり、編成を変えて運行することとなった。
キハ183系の置換えには運用にかかる費用をケch・・・もとい最適化を図ったキハ261系で行われることとなった。
2013年11月1日からは最高速度が130km/hから110km/hに落とされ、定期列車も「スーパーおおぞら」のみとなった。