概要
豊島将之は日本の将棋棋士。名人、王位のタイトル保持者。桐山清澄九段門下。棋士番号は264。愛知県出身。また、日本の将棋界史において初の平成生まれのプロ棋士である。
平成二年(1990年)4月30日生。
2007年4月1日に四段プロデビュー。
2010年、第60期王将戦で二次予選を勝ち抜き、2年連続で王将リーグ入り。羽生善治、森内俊之といった並み居る強豪を破り、5勝1敗で挑戦権獲得し六段に昇段。久保利明王将との番勝負は2勝4敗で敗退。
2014年、第62期王座戦挑戦者決定戦で丸山忠久九段を破り、羽生善治王座(当時)への挑戦権を獲得するも、結果2勝3敗で奪取ならず。
2015年、第86期棋聖戦挑戦者決定戦で佐藤天彦八段(当時)を破り、再び羽生善治棋聖(当時)に挑むも、こちらも結果1勝3敗で敗れる。
2016年10月23日にJT杯将棋日本シリーズで、佐藤天彦名人(当時)に勝ち棋戦初優勝。
2017年、第75期順位戦B級1組にて順位の差で2位の成績で自身初のA級昇級を果たし、八段昇段となった。
2018年、第67期王将戦挑戦者決定リーグ戦において5勝1敗で1位となり、久保利明王将への挑戦を決めたものの、またもや2勝4敗の成績でタイトル奪取とはならなかった。
同年、第89期棋聖戦挑戦者決定戦で三浦弘行九段を破り、再び羽生善治棋聖(当時)への挑戦権を獲得、番勝負は第5局で羽生棋聖に勝利し、3勝2敗で初タイトルとなる棋聖を獲得した。
同年、59期王位戦の挑戦者決定戦で羽生善治竜王(当時)を破り、菅井竜也王位(当時)への挑戦権を獲得、番勝負では第7局で菅井王位に勝利し、4勝3敗で王位を獲得し、自らの手で作り出した群雄割拠状態を、これまた自分の手で早々と終止符を打った。2019年、第77期順位戦で8勝1敗の成績で名人戦への挑戦権を獲得。佐藤天彦名人(当時)へ4勝0敗のストレートで名人位を獲得。将棋界史上9人目の三冠王になると共に、平成生まれ&令和時代に入って初の名人となった。
2019年7月、第90期棋聖戦で渡辺明二冠(当時)の挑戦を受けたが、1勝3敗で敗れ棋聖位を失冠。
2019年10月、第60期王位戦で木村一基九段(当時)の挑戦を受けたが、3勝4敗で破れ失冠。一冠へと後退。
しかし2019年12月、第32期竜王戦で広瀬章人竜王から4勝1敗で竜王位を奪取。史上4人目の竜王・名人となった。
棋風は居飛車、振り飛車、相振り飛車のいずれも指しこなし、また、攻め合いの将棋も持久戦も指す典型的なオールラウンドプレーヤー。
余談
第62回NHK杯将棋テレビトーナメント1回戦第3局で、佐藤紳哉六段による豊島との対局前インタビューで、格闘技やプロレスの煽りのような受け答えをされ、有名になった。
「豊島?強いよね。序盤、中盤、終盤、隙がないと思うよ」
「序盤、中盤、終盤、隙がない」自体は将棋界ではよく用いられるフレーズなのだが、それをNHK杯のインタビューでやったというのが特筆なのである。煽られた本人も印象は良かったらしく、翌年度に解説を担当した際に対局者の棋風を紹介する形でネタにしている(司会の人は反応に困っていたが)。
タイトル戦に4回挑戦するものの、すべて挑戦失敗したため、「無冠の帝王候補」という不名誉な二つ名をつけられかけていたが、羽生から棋聖を奪取し見事返上した。