概要
フレーメン反応(独:Flehmen)とはウマ等の哺乳類に起こる、臭いに反応して唇を引きあげる生理現象である。
フレーメン現象、あるいは単にフレーメンとも言う。
この動作には主としてフェロモン受容を行う嗅覚器官である鋤鼻器(別名をヤコブソン器官。口、鼻にある)を空気に晒し、より多くの臭い物質を取り入れる機能があると考えられている。
この反応はウマの他には、ネコ、ウシ、ヒツジ、ゾウ、コウモリなどにも見られるが、ウマは笑うと形容されるほど唇を大きく捲り上げるため見た目がわかりやすい。
反対にクジラを含む水棲哺乳類や、高等霊長類…特に胎児期に鋤鼻器が退化してしまうヒトでは起こらない。(ただし、性フェロモンやそれに対する反応はあるという)
野生においては異性の尿の臭いを嗅いだときによく起きるが、飼育下ではタバコの煙や揮発油の臭いに対しても起きることが観察できる。
また、この反応でメスが受け入れてくれるように発情しているかどうかもわかるため、ヒツジや鹿の仲間などは繁殖期に強いオスがメスを囲い、お尻のにおいを頻繁にチェックする。
人間にはこの反応は「ウマが笑っている」「ネコが顔をしかめる」などと受け取られるが、特に動物の感情と結びついているわけではない。しかし、ヒツジなどでは腹部の痛みと関連している場合があるという。