1994年にゲームフリークが開発した横スクロールアクションゲーム。
開発中の名称は『スパーク(仮)』。
2年後に『ポケットモンスター』シリーズの爆発的なヒットにより
一躍認知度の高まったゲームフリークだが、それ以前には『ヨッシーのたまご』や
『マリオとワリオ』といったスピンオフ作品や
ノンタン、バザールでござーるなどキャラクターもののゲームの受託開発を行っていた。
そうした時期にオリジナルタイトルとして作られたのが本作であり、
キャラクターデザイン等には後のポケモンシリーズに連なる部分が多数見受けられるほか、
メーカーは違うが「現実世界と電脳世界の連動」というテーマやアートのデザインなど、
『ロックマンエグゼ』シリーズにも影響を与えたのではないかと言われることがある。
ゲーム概要
ゲーム内容は至ってシンプルな横スクロールアクションで、
ボルテッカー状態で壁にぶつかると跳ね返る事や電線の中を進める事を活かして進んでいく。
ボルテッカーの反射を利用して高速で進んでいくステージもあり、
ソニックシリーズ的な要素もある。
オリジナル版はメガドライブ特有のギラギラした色使いと
画面の明滅が非常に激しいのが特徴だが、ポケモンショック以後にリリースされた
バーチャルコンソール配信版等では画面の点滅や明度が抑えられたバージョンになっている。
ストーリー
西暦2015年、銀河征服を企む悪の科学者ドク・ワルヤマの野望を打ち砕くため、
3次元世界とコンピュータの世界を行き来できる能力を持った少年「パルスマン」が立ち上がる。
ドク・ワルヤマ率いる「ギャラクシィ・ギャング」によって制圧された世界各地を
電波に乗って駆け巡り、次々と現れる敵との激しい戦いが繰り広げられる。
登場キャラクター
パルスマン
人間の父とCGから進化した生命体、C-Lifeの母の間に生まれた『Half C-Life』の少年。
3次元空間とコンピュータネットワーク両方に行く事が出来るが、普段はメモリ空間に住んでいる。
光や電波に乗って移動する事ができ、テレビやコンピュータ等にジャンプする事ができる。
攻撃方法は通常時はパンチ・スライディング・ムーンサルトキック。
ダッシュし続けるとスパークリング状態になり、必殺技スラッシュアロー・ボルテッカーが使用可能になる。
ボルテッカーを繰り出すと斜め上方向に飛び上がり、一定時間敵を一方的に倒せる状態になる。
このボルテッカー中に壁や天井等に衝突すると跳ね返る事を利用し、
狭い通路にボルテッカーで飛び込む事で通路を高速で進む事ができる。
リーチェ
パルスマンのガールフレンド。元々はドク・ワルヤマ率いるギャラクシィ・ギャングの一員だったが、
パルスマンと出会って足抜けした。
C-Lifeを3次元空間で実体化させる装置「EUREKA」の影響下を離れたため、
実体化する事はできなくなったが、ナビゲーターとしてパルスマンをサポートする。
キャラクターデザインは初期のポケモンに共通する部分が多い。
ドク・ワルヤマ
名前の通り銀河の征服を企む悪の科学者。
悪巧みのスケールが常人離れして壮大で、「銀河一の天才科学者」を自称している。
ヴェール
ドク・ワルヤマの息子。C-Lifeであり、パルスマンのライバル。
非常にクールな性格で、あらゆる能力でパルスマンを上回る強敵。
パルスマン同様ボルテッカーを使用する。
梨沙・ハットフィールド
ステージの幕間で登場するニュースキャスターの女性。
実はポケモンシリーズや関連媒体に登場したことがあり、
ゲームフリークの公式サイトにあったポケモンジャーナルのページでリポーター役を務めていたり、
『劇場版ポケットモンスター 結晶塔の帝王 ENTEI』では彼女によく似たリポーターが映るシーンがある。
ポケモンシリーズへの影響
多くのネタがポケモンシリーズへと自社パロディされているほか、
ポケモンをネットワーク越しに転送出来るという世界観や
本作に登場するC-Life的なポケモンも登場している。
緑・赤の時点で登場した「サント・アンヌ号」という名前は本作に登場する
ネットワークを統合するコンピュータ「サント・アンヌ」からの引用。
第3世代ではボルテッカーというピカチュウ系専用のでんきタイプの技が登場したが、
この名称は本作で使える技「ボルテッカー」が元ネタ。
『大乱闘スマッシュブラザーズX』ではピカチュウの切り札技として登場しているが、
エフェクトが本作のボルテッカーを意識したものになっている。
また、第8世代ではワンパチの進化先として1文字違いのパルスワンが登場。
進化前の姿とは異なり、どことなくヒーロースーツっぽい姿になるが、
その理由はパルスマンのパロディであるからだと思われる。
また、パルスマンの開発中仮タイトルの「スパーク」も自力習得する。