概要
権利の主体は、個人( 自然人 )または法人( 法律上人と同等の権利を持つとみなされる団体 )であるが、権利の性質上自然人のみに認められる権利もある。
また、権利の中には無条件に万人に認められるとされるものもある。人権がそれであり、人間として生まれた者は全て人権を持っているとされる。
法律上の権利
私権と公権とに分かれる。
- 私権
-財産権、人格権、身分権、債権、物権など民法を中心とする私法上の権利。
- 公権
-自由権、社会権など、国家と私人とが権利義務関係にあるもの。
対義概念
これはある人に権利、すなわち何かを認められている資格、があるということは、他の人にはそれを守る義務があるということだからである。
これを、「権利行使には義務を伴う」という言葉で説明されることがある。しかしこれは「法律上の自由や権利は義務の対価である」という意味ではない。
たとえば「人は他の人の財産権を尊重しなければならない義務がある」「国家は個人の基本的人権を守らなければならない義務がある」というのが「権利行使には義務を伴う」という言葉の真の意味である。
したがって、無職で勤労と納税の義務を果たしていなくても、福祉を受ける権利や参政権を失うことはない。
胎児と死者の権利
胎児や死者の権利についてはさまざまな議論があるが、日本の法制度ではいずれも権利の主体とはならないとされている。
死者の権利は基本的には保護されず、例えば死者に対する名誉棄損は成立しないが、著作権法では死亡後も著作者の人格的利益は保護対象になる。また、胎児は相続の場合については出生したものとみなして権利を認めている。