概要
コナミが1980年代半ばに開発したシステム基板。主な採用ゲームに『ツインビー』や『グラディウス』などがある。当時としては大容量なメモリである磁気バブルメモリが採用された。磁気バブルメモリはシステム基板に装着するカセット形態をとっており、起動時はカセット内の抵抗器を使ってバブルメモリの暖機を行い、その後システム基板のRAMにプログラムを転送する。この間数分ほど時間がかかるため、「Konami Morning Music」という曲が流れるようになっている。ちなみに、この「Konami Morning Music」はコナミのゲーム音楽における名曲の一つにかぞえられている。
Morning Musicが流れ出すのは3:47から
カウントダウンを表示する数字のサイズが大きいのは実はグラディウスだけである。
バブルメモリの悲劇
バブルメモリは磁気ディスクなど機械的に動く記憶媒体と異なり振動や塵埃などの影響を受けない利点があるものの、外部の磁気や電源異常に非常に敏感な部品であるため、データの消失が頻繁に起こり、後に磁気ディスクや半導体メモリの進歩で補修部品も入手できなくなった。そのため、その後の修理対応はEPROMを採用したカートリッジに変更されることとなってしまった。このEPROM版はバブルシステムのカウントダウンが物凄く早くなるらしい。
バブルメモリの外部磁気への敏感さは電車の床に置いただけでも、
電車の電装品から漏洩する電磁場の影響を受けデータが消失するほどであったという。
また、起動に暖機のシーケンスが必要である為に暖機で3分強程かかる。が、冬場だと暖まるのに時間がかかる場合があり、カウントが0になってもローディングに行かず再び暖機カウントダウンをやり直す事もあった。その為開店時間に間に合わせるべくドライヤーの熱風を当てて無理矢理温める事もあったとされる。当然この行為は基板の寿命を縮めるので、ただでさえ現在数少ない生き残っているバブルメモリ搭載のバブルシステム基板では絶対にやってはいけない。
2019年現在、バブルメモリをFRAMで代替する同人ハードとして『Bubbless』が頒布されたことにより問題が根本的に解決されることになった(外部リンク)。
仕様
CPU:MC68000(メイン)、Z80(サウンド部)
音源:AY-3-8910(2個),K005289,VLM5030
カウントダウン
有名な「99」からカウントダウンするローディングであるが、実はこれに至る前のバブルメモリ暖気でもカウントダウン画面があり、ピンクのモザイクのような画面で合成音声で「PRESENTED BY KONAMI」から開始し音声でカウントダウンしていく。なお、この暖気が完了すると99カウントダウンに移行する。
「グラディウスデラックスパック」に収録されているグラディウスをCDから読み込む際に再現されており(暖気カウントダウンは無し)、ちゃんと99から00までカウントダウンし、チェック画面も出てくる。
ただし、バブルシステムそのものを移植しているわけではなくCDのローディングが完了するとスキップできる。
Morning music
実はこの曲は本来はバブルシステムで使われる予定ではなかった別のゲームの没曲らしい。
また、これを聴けるのは当時はゲームセンターで電源投入時(開店前作業)ぐらいでしか聴けなかった。その為、これを聴きたいが為に早くから来店するファンもいたそうである。
その後この曲にもバリエーションが増え、X68000版「出たな!ツインビー」のローディング曲、「ポップンミュージック」の一部タイトルの起動時にも流れたり、ついには「キーボードマニア」および「ノスタルジア」でのプレイ楽曲にもなった(ちなみにアーティスト名は「Bubble System」名義である)。
このほかにも「ラブプラス」でのデートイベント「屋外コンサート」でのバロックの夕べでバロック風アレンジが流れる。Morning musicなのに夕方とはどういう事だ?
また、スマホゲーム「ときめきアイドル」の初回ダウンロード時や起動時にもオリジナル版が流れる。2018年リリースの新作ゲームから流れる曲とは思えない一曲を堪能しながら待機して欲しい。