プロフィール
名前 | 戸川志保 |
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誕生日 | 1月13日 |
身長 | 165cm |
星座 | 山羊座 |
血液型 | A型 |
担当楽器 | トロンボーン |
好きな色 | 緑 |
趣味 | 読書、水彩画 |
特技 | 努力すること |
好きなもの | 少年漫画、ハムエッグ、努力家 |
嫌いなもの | 少女漫画、温泉たまご、要領のいいやつ |
概要
立華高校の1年生で、吹奏楽部に所属。トロンボーンを担当している。
肩まで伸びた長い黒髪を二つ結びにした眼鏡の女子生徒で、その几帳面な印象から受けるとおりの生真面目な性格の持ち主でもある。
中学時代から吹奏楽部に所属していた楽器経験者であり、パートリーダーとしてメンバーを先導していた経験を持つなど、演奏の腕前と経歴には確かな自信を持っている。また、同じトロンボーンパートの1年生である的場太一とは、その当時から同じ吹奏楽部で活動にともにしていた顔見知りの間柄でもある。
楽器経験者としてのプライドを胸に立華高校吹奏楽部の新たな一員となった志保は、入部してさっそく「楽器を演奏しながら動く」というマーチングの難しさを痛感することになる。持ち前の生真面目さを武器に一心にマーチングの練習に打ち込む志保だったが、天性の努力家である佐々木梓や要領のいい太一とのあいだに生じた実力差や、完全な初心者である名瀬あみかの成長ぶりを見せつけられたことにより、次第に自身の能力に対してコンプレックス(劣等感)を感じ始めるようになる。
人物
容姿
肩まで伸びた長い黒髪をぴっちりと分けて二つ結びにした、几帳面で優等生然とした雰囲気を漂わせる眼鏡の女子生徒(立華編前編、33ページ、41~42ページ、129ページ、141ページ、立華編後編、54ページ、193ページ)。普段は厚みのあるレンズに遮られているやや細めの瞳は、手入れのされていない太い眉と相まって、きりりとした鋭い印象を見る者に与えている。(立華編前編、42ページ、立華編後編、65ページ、73ページ)
165センチに届く身長の持ち主であるものの、その体つきは薄い体躯や細い足といった運動慣れしていないパーツで構成されており(立華編前編、31ページ、133ページ、137ページ、立華編後編、48ページ)、筋肉やスタミナの不足から動作をもたつかせたり、柔軟体操などにおいて身体の硬さを露呈することもしばしばある。(立華編前編、77ページ、83ページ、84~85ページ、110ページ、137ページ、立華編後編、20ページ)
性格
高潔なまでの誠実さと勤勉さに裏打ちされた、プライドの高い生真面目な性格の持ち主(立華編前編、43~44ページ、126ページ、立華編後編、20ページ)。与えられた課題に対して真正面から実直に取り組むことを自らの信条としており、不真面目ながら要領よく立ち回る同級生の太一とは真逆のスタンスをとっている。(立華編前編、203~204ページ)
また、その生真面目さとプライドの高さゆえに、素直になって他人を頼ったり視野を広く持って自身を客観視することを苦手としている(立華編前編、135ページ、140ページ、166ページ)。立華高校の吹奏楽部に入部して以降、自らの特質からくる限界を痛感することもままあるものの、それでも与えられた現状と自らの性質を折り合わせながら取り組むように努めている。
なお、真面目そうな見た目とは裏腹に手が出るのは早く、衝動のままに平手打ちや踏みつけを相手に見舞うような様子もたびたび見受けられる。(立華編前編、144ページ、立華編後編、70~71ページ、275ページ)
その他
- 眼鏡のフレームをくいと指先で持ち上げるのが無意識の癖になっており、気持ちに区切りをつけたいときなどにしばしば確認することができる。(立華編前編、33ページ、130ページ、263ページ、立華編後編、195ページ)
- 眼鏡をかけることをときどきうっとうしく感じることもあるものの、コンタクトレンズをつけることに対しては「目に異物を入れるのが怖いねんなあ。想像するだけでゾッとする」と抵抗を覚えている。(立華編前編、132ページ、立華編後編、48ページ)
演奏技術
西中学校の吹奏楽部に所属していた当時からトロンボーン(テナートロンボーン)を担当し、パートリーダーを務めていた経験もある楽器経験者。座奏に関しては当時のパート内の誰よりも上手で、1st(ファースト)の座もソロの担当も欲しいままにしていた。(立華編前編、31ページ、135~136ページ)
立華高校の吹奏楽部に入部して以降は、パートリーダーを務める3年生の瀬崎未来や天性の努力家である同級生の佐々木梓などの実力には及ばなかったものの(立華編前編、136ページ)、安定感のある太くて綺麗な低音を出せる点や梓に次ぐレベルの演奏技術などを副パートリーダーの高木栞たちから評価され、新たにバストロンボーンの担当を任されることになる(立華編前編、155~159ページ)。そして、この楽器とポジションの変更を先輩からのエールと受け取った志保は、新たな担当楽器になったバストロンボーンの技量をめきめきと向上させ、つらつらとよどみなく動くスライドさばきや低く凛々しいサウンドなどを磨きながら日々の活動にあたっている。(立華編前編、198ページ、231ページ)
経歴
中学時代の吹奏楽部での活動を通して演奏に対する自信を身につけていた志保は、進学先の高校を決める折に「シングがやりたい」とずっと昔から憧れていた立華高校を選んでいる。同校の吹奏楽部がマーチングコンテストの”全国常勝”を誇る超強豪団体であることを知りつつも、座奏における自らの腕前から「立華は確かにみんな上手い。でも、そのなかでも私は上手い側の人間だ」と思い込んでいた志保は、高校進学後まもなくしてその認識が甘かったと痛感させられることになる。(立華編前編、135~136ページ)
西中学校の吹奏楽部では行わなかったマーチングを始めるにあたり、志保はそのあまりの運動量の多さと完成を突き詰めるための膨大な練習量を前に打ちのめされ、理想と現実のあいだにあるギャップを実感することになる(立華編前編、42ページ、81~85ページ、108ページ、110ページ)。また、息をするように努力してぐいぐいと上達を見せる梓や、巧みなメリハリでコツをつかむのが得意な太一、そしてゼロからのスタートとして練習に奮起するあみかなど、意気と才能にあふれた同級生たちの存在もまた、志保の内心の焦りを増長させる要因となっていた。
「皆の足を引っ張っている」(立華編前編、124ページ)というかつての華々しい活躍とはほど遠い現状と、そんな自身を尻目に先へ先へと進んでいく同級生たちの姿を横目で見ていた志保は、次第に自身の立場にコンプレックス(劣等感)を抱くとともに、才能にあふれた梓や太一、教えを乞うのが上手なあみかといった同級生に対する嫉妬心、そしてそれらを抱く惨めな自分自身に対して嫌悪感を覚えるようになる(立華編前編、135~137ページ)。時にはそれらの負の感情が爆発して「私、部活辞めたい」と八つ当たりを起こすようなこともあったが(立華編前編、129~130ページ)、そんな彼女を慰めようとする梓の正体を垣間見たことや、副パートリーダーの栞による配置換えなどによってふたたび立ち上がる力を獲得し、「できる誰かと自分を比べて勝手にふてくされてる場合やない。時間は限られてるんやもん。やるしかないよな」と前向きな軌道修正を果たすことに成功している。(立華編前編、143ページ、203~204ページ)
吹奏楽部がコンクールシーズンに入り、メンバー選抜のためのオーディションが行われるようになると、1年生である志保は層の厚い上級生たちに押し出されるようにしてA編成部門のメンバーから外れ、B編成部門に出場することになる(立華編前編、233~240ページ)。また、吹奏楽コンクールへの挑戦と同時並行的に行われたマーチングコンテストへの参加についても、演目の編成人数の関係から太一とともに補欠メンバーとして外されており、コンテスト本番時の楽器の運搬といった支援活動にあたっている。(立華編後編、20ページ、160ページ)
なお、立華高校の吹奏楽部ではマーチングコンテストのレギュラーメンバーはつねに浮動的であり、補欠のメンバーのほうが優れていると判断された場合にはメンバーの入れ替えもしばしば行われている(立華編後編、141~142ページ)。志保はそれを踏まえた上で、マーチングコンテストの正規メンバーが練習を行っているすぐそばで自主的に錬成に励み、レギュラーメンバーの座を耽々(たんたん)と狙う様子を見せている。(立華編後編、155ページ、231ページ、276ページ)
主要キャラクターとの関係
佐々木梓
トロンボーンパートに所属している同級生。1年生。
志保は梓のことを「梓」「アンタ」と呼んでおり、対する梓は「志保」と呼んでいる。
立華高校の吹奏楽部に入部して以降、梓の持つ強い上昇志向やバイタリティ(活力)、そしてそれらに裏打ちされた高い実力などを横目で見ていた志保は、「そういうとこな、ちょっとうらやましいわ」という憧憬(しょうけい)や「なんでもできて、友達も多くて。私にないものいっぱい持ってる」といった劣等感からくる嫉妬心を覚えている(立華編前編、84ページ、136ページ)。あわせて、自身の八方美人を保つためでありながら率先して人のために動こうとする梓の姿に対しても、「私、アンタのそういうとこ見ると、苦しくなる。アンタがそうやっていい子であればあるほど、自分がどんどん惨めになる」と、自身と彼女を比較した上での嫌悪感を抱いている。(立華編前編、140~141ページ)
なお、志保は、自身が折れそうになっていたときに梓が慰めてくれた際の一連の言動を通して、彼女の本心である八方美人ぶりなどを垣間見て「私、梓のことちょっとだけわかったような気ぃするわ」と得心し、これまで抱いていた劣等感などを据え置く様子を見せている(立華編前編、141~142ページ)。以降は、吹奏楽コンクールに向けたオーディションで梓がA編成部門のメンバーに選ばれた際に彼女のもとに駆け寄るなど、純粋な同級生同士として接するようになっている。(立華編前編、242ページ)
また、梓が初心者のあみかに指導をするうちに次第に共依存の関係になっていくことに懸念を覚え、太一とともにあみかへの対応を巡って梓と口論を繰り広げている(立華編前編、263~267ページ)。また、あみかが独り立ちするためにカラーガードを志望し、ガードチーフの小山桃花のもとで激烈指導を受けている様子を梓が目にしてしまった際には、止めに入ろうとする梓を制止した上で「あみかはもう梓に頼らんことを選択してんで。梓はいつまであみかに頼るの」と忠告をしている。そして、それでもなお梓が状況を理解しようとせず「あみかには、うちがおらんとあかんねんて!」と返した際には、「ええ加減にしいや」の一喝とともに梓の頬に平手打ちを見舞い、強硬的な手段のもとに彼女に冷静さを取り戻させている。(立華編後編、67~71ページ)
自身の願いを受け入れてくれた梓があみかと距離をとってくれたことに志保はひとときの安堵を見せたものの、梓があみかに対して心まで閉ざしてしまったことを受けて、「梓さ、昔からそうやったん? 人間関係。前からさ、そんな極端なん?」と落胆をあらわにしている。そして、梓とあみかのふたりにはただの対等な友達同士であってほしかったという本音を明かしながら「おせっかいせんほうが、ほんまはよかったんやろか」という気弱な後悔を口にしている。(立華編前編、193~197ページ)
梓が未来との話し合いを経て改心し、あみかとの仲が修復されたのを確認した際には、安堵したように緩んだ表情を浮かべている(立華編後編、229ページ)。また、新年度を迎えて2年生に進級し、吹奏楽部に新1年生が入ってくるころになると、圧倒的な練習量を平然とこなす梓の姿を後輩たちが怖がっていることに対して「そう思われてもしゃあない」と語る様子が梓の口から明らかにされている。(第二楽章前編、217ページ)
名瀬あみか
トロンボーンパートに所属している同級生。1年生。
志保はあみかのことを「あみか」「アンタ」と呼んでおり、対するあみかは「志保ちゃん」と呼んでいる。
高校生になってから楽器を始めた初心者であるあみかに対して、入部当初の志保は自身のマーチングに対する練度不足を踏まえた上で「私はあの子の面倒見てる余裕ない。自分のことだけでいっぱいいっぱいやから」と、焦りからくる負担を感じている(立華編前編、42~43ページ)。彼女の指導役を梓に任せて以降は、初心者であるあみかをないがしろにしてしまう自分自身に嫌悪感を抱くとともに、甘え上手なあみかに対して嫉妬からくるマウンティング(優位性の誇示)をする様子も見て取ることができる。(立華編前編、43~44ページ、50ページ、133~135ページ)
梓との対話を経て折れかけていた心を立ち直らせた志保は、その折に「ごめんな、あみか。私、どっかでアンタのこと初心者やからって舐めてた」と謝罪とともにあみかの頑張りを認める言葉を告げている(立華編前編、142~143ページ)。その後はあみかを初心者としてではなく一人前の部員として認識し、彼女が梓との共依存から抜け出して独り立ちしたいと思い立った際には、それを後押しする形で梓と激しい口論を繰り広げることになり、結果としてあみかと梓が対等な友達同士の関係を結ぶための一助を担っている。
的場太一
トロンボーンパートに所属している同級生。1年生。
志保は太一のことを「的場」「アンタ」と呼んでおり、対する太一は「戸川」「お前」と呼んでいる。
西中学校の吹奏楽部に所属していたころからの顔見知りの関係であるものの、互いに真逆のスタンスで練習に取り組んでいることもあり、何かにつけて口論を交わしたり手を出し合ったりする日々を過ごしている(立華編前編、33ページ、112ページ、143~144ページ、263ページ、立華編後編、20ページ)。また、志保は太一の不真面目な部活への取り組み方に呆れながらも、その要領のよさにより見る間に先へ先へと進んでいく器量、そしてそれを可能にする秘められた才能の差を実感して「ムカついてる」という嫉妬心を明かしている。(立華編前編、136ページ、立華編後編、276ページ)
なお、普段は口喧嘩ばかりしているような間柄であるものの、梓とあみかによる共依存の問題が顕在化した際には、ふたりを対等な友達同士にするという利害の一致によって太一と手を組み、彼とともに梓と話し合いを行っている。(立華編前編、263ページ)
瀬崎未来
トロンボーンパートのリーダーを務めているふたつ上の先輩。3年生。
志保は未来のことを「未来先輩」と呼んでおり、対する未来は「志保」と呼んでいる。
上下関係を絶対とする立華高校の吹奏楽部において、パートリーダーである未来は1年生部員の志保にとって雲の上のような存在であり、「話しかけられると、毎回めちゃくちゃ緊張する。怖い」というような緊迫感を覚えながら接している。(立華編前編、49~50ページ)
一方、未来もまた1年生部員たちの活動に気を配っており、梓とあみかの共依存の問題が持ち上がった際には、志保と太一が問題解決のために動いていることを把握しつつ「1年だけでなんとかできるかな」と見守る様子を見せている。(立華編後編、217ページ)
高木栞
トロンボーンパートの副パートリーダーを務めているふたつ上の先輩。3年生。
志保は栞のことを「先輩」と呼んでおり、対する栞は「志保」と呼んでいる。
未来とともにトロンボーンパートのツートップを形成する栞は、1年生部員である志保にとっては未来と同様に手の届かない存在であり、顔を合わせるたびに緊張感を覚えている。(立華編前編、49~50ページ)
一方の栞は、未来と同様に1年生部員たちの動静を見守っており、志保が練習に追いつけずに折れそうになってしまった際には、彼女がふたたび立ち上がって精力的に取り組むためのきっかけとしてバストロンボーンへの配置換えを勧めている。栞はその折に、志保の音色の性質や実力を鑑みての提案であることを告げたり、「腐ったらあかんよ」とエールを送ったことで志保のプライドと士気を大いに奮い立たせており、彼女自身による意識の変化に一役買っている。(立華編前編、155~159ページ、203~204ページ)
関連イラスト
冬制服
関連タグ
佐々木梓 - トロンボーンパートに所属している同級生。練習熱心な1年生。
名瀬あみか - トロンボーンパートに所属している同級生。初心者の1年生。
瀬崎未来 - トロンボーンパートに所属しているふたつ上の先輩。パートリーダーの3年生。